中国不滞在記 in 神戸

行って見て聞いて考えた中国のこと

上海一日遊

2015年04月20日 | 内側から見た中国社会
日曜日は朝、6時起き。寝たのは1時半、相変わらず睡眠が浅い。
目が覚めたら眠れなくなってしまうのです。

今日の午前中のお目当ては人民広場の近くの上海博物館。ここは中国三大博物館の一つ。

これはいったい何をイメージしているのか??
中国の公共建築は壮大さと奇抜さがミックスしていて人に優しい印象を与えない。
有体にいうとぞっとしないのが多い。

しかし展示内容は秀逸。精緻、繊細、造形の妙が存分に感じ取れる逸品の数々を堪能できました。
縄文土器の豊かな想像力がよく云々されるが、同時代の青銅器の素晴らしさにくらべたら、やっぱり、プリミティブで足元に及ばないと思える。中国の文化の厚みは半端じゃない。



今回注目したのは宋代の定窯で制作された白磁。
宋代の青磁は前から好きだったが、白磁の端正で純粋なたたずまいが素晴らしく思えた。


清代のゴージャスで精巧を極めた磁器はもちろん元の青花磁、明の絵付けでさえも装飾過多に思えてしまう。無印良品に通じるセンスかもしれない。

金代の懐任窯黒釉油滴も素晴らしい。


上海博物館は印章のコレクションで有名らしいが、残念ながらこの方面に全く疎いのでほぼ素通り。
しかし、博物館の喧しさは相変わらず。ほとんどの人は、小声で話すということが全くできないようである。携帯で大声で話している若い男性が警備員に注意されていたが場所を変えてまだ話し続けていた。「うるせぇ」と言いたいところですが、いちいち注意していられない。警備員と清掃のオバサンが展示室の中で普通に話しているぐらいですもん。

午後、前任校の学生たちに会う。
3人とも上海の旅行会社で実習生として働いている。中国のインターンシップは日本と違い、有給で社員と同じ仕事をする。実習終了後は大概正社員として働くことになる。

3000元余りの給料で上海で暮らすのは厳しいが、3人ともシェアルームして住宅費を抑え、頑張っている。一人はビザ申請を担当しているが、日本のビザの添付書類の煩雑さをこぼしていた。あれもこれもと追加されるが、それに伴って不必要になるはずの文書が全然減らないので、大変だそうである。
日本らしい。。。中国も形式主義だが、けっこう融通が効く場面も多い。

「きみたちもいずれは日本に旅行に来れるね」
「いいえ、無理です。10万元(190万円)の収入証明(年)が必要ですから」

そして1年間の銀行口座の記録も添付しなければならない。これは偽造不可能!!だそうである。
自宅がある場合や上海に戸籍がある場合には大幅に収入基準が緩和されるが、
学生たちは故郷に戸籍を置いたまま、上海で賃貸暮らし。

「ビザがもらえるのは一部のお金持ちだけです」

まじめで日本文化にあこがれている学生たちに門戸を開いてやってほしいものだ。
それを邪魔しているのはアホな外務省官僚、そして日本のスローモーなお役所仕事。
お役所だけでなく、企業もそうだ。日本企業は遅かれ早かれ中国との競争に負けるだろう。
日本の摺合せの文化が、ジョブスのひらめきに及ばないのと同様、技術で追い付かれるのは時間の問題だろう。

昼ごはんは、ネットで新潟のラーメン屋さんが人民広場の前のモールに出店しているのを見つけ、探してみたがすでに閉店。中国の小売業は回転が早いぜ。
その代りにcoco一番屋のカレーを初めて食べた。
ご飯の炊き上がり、カレーのまろやかさは、なんとも言えず美味い。
さすが、日本の味と思えたが、学生たちはほとんど何も言わないのはなぜでしょう?
学生とご飯を食べに行って、「美味しい!」と言うのをほとんど聞いたことがありません。
これもまた文化の違いなのか。不味いときはっきり言うのであります。こちらがご馳走していても。

中国の学生には、ごちそうしてもらったときは、義理でも「美味しいですぅ」ぐらい言え、と教えておかなければならないのであります。
さすが日本語科の学生なので、「ごちそうさまでした」とは言ってくれましたけど。


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