南シナ海で高まる対中脅威 フィリピン〝破格〟の準同盟化
【マニラ=市岡豊大】岸田文雄首相がフィリピンのマルコス大統領との会談で比軍支援を打ち出すのは、覇権主義的に動く中国への抑止力を高めるためだ。沿岸監視レーダーなどの無償供与で海洋監視能力を向上させ、自衛隊との共同訓練も拡充する。政府が「準同盟国」とする英国やオーストラリア並みの環境を整えることで同志国との連携の輪を強める狙いだ。
「南シナ海での中国への危機感が東南アジア諸国連合(ASEAN)で共有されつつある。今、首相が行く意味はある」
今回の訪問について外務省関係者はこう語る。12月には日ASEAN特別首脳会議が控えており、中国に対抗する機運を高めたい考えだ。