西分堂日記

書画を趣味にする私が、感じたこと見聞きしたこと、たまに、自作の書画を掲載できれば、と思います。

佳気葱々聴誦歌 路不拾遺知政(米フツ 蜀素帖)

2009年11月18日 | 臨米フツ 
佳気葱々聴誦歌 路不拾遺知政

今、蜀素帖の臨書は「入境寄 集賢林舎人」と題された七言律詩を
半紙練習中。

入境寄集賢林舎人

揚帆載月遠相過
佳気葱々聴誦歌 
路不拾遺知政粛々
野多滞穂是時和
天分秋暑資吟興
晴献渓山入酔哦
便捉膽蜍共研墨
綵牋書尽剪江波


辺境に入り賢者が集まる林氏の家に泊まる

帆を揚げて月を載せて遠方より来ると、
目出度い気が溢れるように歌声が聞こえてくる。
道路で落し物を懐に入れる者はいず、
政治がうまくいっているのが分かる。
田野に落穂が多いのは気候が温和だからだろう。
天候は残暑は程なく、詩を吟ずる気持ちにさせる。
空は谷間まで晴れ渡り、ほろ酔う気分で声を出してみる。
そこでヒキガエルの形の硯を手にとり墨を摺り、
絹を貼った板に長江の波を切りとるように思い出を書き尽くそう。


もともと、蜀素帖は辺境の地の豪族林氏を訪れた時、
揮毫を依頼されたもので、謂わば依頼主を褒め称える詩であるとも言える。
以前、先生が
「帖を見る時は、中央部の不出来、謂わば中央でいかに盛り上げるか、
 がその帖全体の良し悪しを左右する」
と、おっしゃたことがある。
蜀素帖も愈々佳境に入り、硬さも取れ、
私自身も米フツの臨書になれてきた。
欲を言えばこの次の詩あたりの方が
更に筆が暢びてすばらしいと思うのだが・・・


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