気分はいつも、私次第

ニュルンベルク裁判記録

            「ニュルンベルク裁判記録」 時事通信社

 ナチスとか、第2次世界大戦とか、そう言う事ばっかり書いているけれど、本命は、ニュルンベルク裁判。これが、どうしてもどうしても、頭から離れない。きっかけは、多分「東京裁判」と言う映画のビデオを見た事だと思う。これを見た後「じゃ、ニュルンベルクは、どーよ?」って気持ちになったのだろう。しかし、残念ながら、ニュルンベルク裁判に関する文献は少ない。あっても、海外の邦訳。それもマァ、仕方がない事だろう。

 私が読んだニュルンベルク関係の本で、唯一日本で書かれたのが、これである。発行1947年(昭和22年)ドッヘェ~。もう、読ませようって感じの本でない。記録を淡々と述べている本だ。で、ヘヘヘ~。私は、こう言うモノが読みたかったのよっと心でガッツポーズ!をしました。面白おかしく、なんて入る余地が無い。

 目次を見ると・・・連合国の戦犯処理方針、ロンドン戦犯処理協定、ドイツ戦犯起訴状の解剖、判決の概要と意義、裁判の経過、戦争犯罪起訴状全文、判決文要旨・・・一体誰が、こう言う内容を目を輝かせて、読むだろうか?私だ!

 裁判の経過では、各被告の様子や陳述が書かれている。内容は、まぁこれまで読んだものと大差は無い。しかし、やはり書かれたのが昭和22年と言う事が響いているように思える。まだ戦争の傷跡は生生しいってものじゃない。復興なんて言葉、何処から出てくるって時代だったと思う。戦争は、経験であり、現実であり、現代の事である。様々な考えもあろうが、戦争に関して否定的な意見があるのも当然だろうと思う。この裁判経過では、被告が自己弁護の為、朗々と述べた事を、検察側が証拠や証人、または文献を通して否定し、スゴスゴと被告が退散する、と言う図式が感じられる。悪対善、と言うイメージさえも沸いて来る。またこれは、当時の人々の心を察するにも、とても貴重な文章だと思っている。

 ジャクソン検察官最終論告!殆ど全文掲載されている。う、嬉しい・・・読みたかったよ~。それに判決文要旨では一般的論述と被告別論述がある。被告別論述!!マァ、読めるなんて・・・こんな無味乾燥な文章が、どうしてどうして、私を喜ばせるのでしょう!自分でも謎だ。で、文字も旧仮名&難しい漢字の羅列。文体は「余は・・・である」仮名遣いも現代とは異なる、ハッキリ言って読み難いって物じゃない。でも許す。愛があるから。ザイス=インクヴァルトもいるし(それか!)

 こう言う種類の本は、私にとって無上の喜びである。

 こんな嬉しい貴重な本が読めるのは、地元図書館のU谷さんのお陰である。この図書館は、自宅から自転車で10分ほどの場所にあり、完全に利用し捲くっている。別名「私の私用図書館」施設も、他の市町村が羨むほどの豪華さ。職員の方々も皆親切。特に司書のU谷さんは、私の無理難題にいつも笑顔で応対してくれる。以前、エンリケ即位関連資料を、某論文から入手して下さったのもU谷さんである。そして今回、このニュルンベルク裁判記録も、遠い遠い所から、都合して来てくれた。私にとって後光が射す存在である。
U谷さん、この場を借りて、お礼申し上げます。今後もお願いします(笑)

 さて、ニュルンベルク裁判記録、返却しますか・・・私の所に来てくれて、どうもありがとう。あなたを巡りあえて、本当に嬉しかったよ。
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