bern >elm200さん
いささかテーマからずれてしまったかもしれませんが、申し訳ありません。
>たかおじさん
主観の相違に関して、私は否定しません。互いの相違点がわかったのは良いことかと思います。
ひとつここで、誰もが妥協できそうな点を述べますと「現状の体制のまま原発を稼動させ続けるのは危険」という点ではないかと思います。
インドネシアの例から考えて、大きな余震のリスクは少なくとも2年ほど見たほうがいいと思います。全ての原発を即時止めるべき、と私は考えませんが、東海や女川のように、一歩間違えれば事故につながった地点、福島第2についての再稼働は難しいでしょう。浜岡の海水混入、玄海原発の老朽化等に関しては、重く受け止めるべきだと思います。
津波前の地震による配管の健全性が怪しいという話もあり、日本全国にある、福島第1の同型機についても再検討する必要があります。今回はっきりリスクがわかった、使用済み核燃料プールも、一刻も早く解決せねばならない問題です。
どの時点で体制を立て直したと判断するかですが、私は少なくとも余震が懸念される2年間は、慎重に見るべきだと思います。
「危険と証明できなければ安全」ではなく「安全と証明できなければ危険」という立場で検証を行うべきだと思います。中途半端な稼働は、日本の信頼度をさらに落とすだけです。
2)
避難に伴う犠牲に関しては、私も懸念しています。ただ、だからといって避難させなくて良かった、とは思えません。
数字で具体例を挙げます。
日本人が癌で死ぬ割合は50%。ICRPの線形仮説では、累積1Svあたり癌での死亡率が5%上昇する、とあります。
文科省の基準値としては、3.8μSv/hの地点で年間20mSvの外部被曝を見込んでいます(単純計算すると年間33mSvですが、24時間屋外に居るわけではないので、こう考えたのでしょう)。
内部被曝についていろいろな見方がありますが、仮に10mSv足すとして年間30mSv。これが40年間続けば1.2Sv。6%の上昇になりますね。
飯舘村のような強い地域では、この2~3倍、柏のような地域(0.5μSv/h)では、この1/8くらいを見込めば良いかと思います。また、妊婦、成長期の子供に対しては、リスクをより厳しく見積もる必要がある、というICRPの勧告があります。
また、上記の割合に関して、私も(おそらくたかおじさんも)これよりずっとリスクは少ないと見積もるでしょうし、kingradeonさんはもっと高く見積もるでしょう。
ただ、どちらにしても、科学的根拠はありません。
すでに壮年以上であれば、問題は少ないでしょう。私は3.8μSv/hの所に住んでも構いません。ただ、子供とは住みません。柏なら普通に子供と住みます(福島県浪江町の老人ホームは、老人が避難せずに住んでいるそうですし、それは良いことだと思います)。
数%のリスクがあるとしたら、子を持つ親が懸念するのは当たり前ですし、政府がICRPの基準に従って、退避なり最大限の保障を行うのも、最低限度の生活保障という憲法にしたがって考えれば、当たり前の義務だと思います。
>今回の事故はあくまで自然災害を甘く見ていた人災であり、強制避難による被害は、不必要な処置を強行した政府の責任による物です。
人災であることは否定しません。情報が入らないうちの、20km圏内の避難は妥当だと思います。30km圏内の屋内待機が長引いたのは失策でしょう。また、原発が収束した時点で、汚染地域で無い部分に関しては領域を狭めるべきだと思います。
しかしいずれにしても、世界が注目している事故に対して、ICRPの基準を大きく逸脱するような対策はやるべきではないと思います。
>いいえ、ちがう輸入元で一カ所でも将来に渡って価格が安定で政情不安が無くて、運輸航路が安全だと言うところがありますか
まず、それぞれの燃料の輸送コスト(船何隻等)は、燃料価格に反映されているのではないかと思います。
石油は殆どが中東、石炭はオーストラリア、中国、インドネシア、LNGはインドネシア、マレーシア、オーストラリアで、ウランがカナダ・オーストラリア・アフリカ諸国(ニジェール等)でしょうか。LNGは今後、ロシアと米国から調達できそうですね。
国の安定度を見ると、ウランが若干有利ですが、石油以外、どこもそれほどリスクは変わらないように思えます。
日本領海内で確保できる代替案というのは、そもそも島国という事情から難しいと思います。
(現状では天然ガスか、地熱、風力、水力等の再生可能エネルギーになりそうです。メタンハイドレートや石油藻は技術を見守るしか無いですね)
>電力を今以上に確保しなければならないのはそんな理由があるためで、節電で済む話でもありません。
この点がおそらく意見の相違するところかと思いますが、私には日本で今後、急激に電力を必要とする産業が成長するビジョンが見えません。国内の電力消費は2000年代に入ってから横ばいで、2005年度からは若干低下傾向にあります。
http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan
電気自動車は将来有望な産業の一つですが、現実的に考えれば、ガソリン自動車の社会がすぐに電気自動車に置き換わることはないと思います。発展途上国と比べ、日本ではすでにガソリン自動車が行き渡っており、強い需要が無いからです(発展途上国の需要は高いと思います)。日本では、最低でも10年以上。
長期的には人口減社会となり、家庭での電力消費量も減るでしょう(大規模な移民をすれば別かもしれませんが、福島が収まらない限り難しいでしょうね)
また、電力一つで外へ出る企業を止められるか、といえば、これも難しいのではないかと思います。
企業は地震リスクを理解しました。2年間は余震を見込む必要があります。
(電力が仮に足りてるとして、今の日本に海外企業を誘致できるか考えれば、答えは出ると思います)
今回の災害の賠償問題で、多量の税金や電気料金の価格値上げはある程度不可避でしょうし、
値上げを止めるために、無理に原発を再開する、というのは本末転倒です。
>ボクシングチャンピオンに一回ぶん殴られるのと、猫パンチを毎日一回ずつ千日浴びるかの違いですよ。
>猫パンチの痛手が千日分累積すればボクサーパンチと同じですか?
たとえとしては理解しますが(そして、私個人としてはある程度同意しますが)、明確な科学的根拠はありません。
短期間の放射線による細胞へのダメージと異なり、癌は、DNAの修復できない突然変異によって起こされる確率的な事象なので、少規模の放射線が累積しないと考えることには、多少無理があります。
>人体実験を目的に事故を故意に起こしたのではありません。事故が起きたからその影響を
>分析すると言うことですので。
それはそうですが、結果として福島の人は、自分でコストをかけて避難するか、あるいは不安を抱えながら生きるか、という選択を強制的に背負わされました。知らなかった、事故がなければ起きなかったリスクです(elm200さんの指摘した、倫理的な問題の2,3になります)。
今回の被害は広範囲に及びました。北は岩手から、南は静岡まで農作物等に影響が出ています(場所によっては微量ですが、出てしまったことが問題です)。
福島の事故は電源喪失時の軽水炉が辿る一般的な事故で、チェルノブイリと違って原理的にどこでも起きうる事故です(4/11の余震で東北が大停電し、その結果女川原発へのラインが一つ切れ、六ヶ所村はディーゼル電源代替になりました。あの時も肝が冷えましたが)。
そして同規模の事故が起きた場合、日本で確実に影響を受けないと言えるのは、原発から離れた沖縄くらいしかありません。福島の状況を見て、各県民が、次は自分のこととして想像するのは容易だと思いますし、それを説得するだけの体制が整わなければ、稼働にはNoと言うでしょう。
>道連れにするならそれなりの整合的な理由が要るのであって、危険だとと思うから危険だ、は単なるパニックあおりでしょ。
そうです。そして、もっとも検証されてきた科学的に妥当な仮説が、ICRPの線形仮説です。
それ以外で、個人が安全か危険が信じるのは自由ですが、他人を説得する根拠としては弱いです。
>先進国なのだからせめて科学的検証を重視しなければ他国に対しても説得力はないですよ。
私もそう思います。ただし、「科学的にわからない」事象に対しては、安全というのではなく、わからないということを誠実に伝えるべきだと思います。政府にはその義務があります。また、科学的に最も妥当な仮説(ICRPの線形仮説)に基づいた国民への補償は行うべきでしょう。それは国際的な信頼にも繋がります。
そのうえで、徐々に原発を廃止するか、全て止めてみるか、あるいは現状維持か、むしろ推進するか、個々の国民が決断すればいいのではないでしょうか。
(私は以上より、「新規の建設は辞めて、危険なものは止め、安全なものを残し、徐々に廃炉にしていく」のが良いのではないかと考えていますが)
kingradeon 1)現状の水力、火力に自然エネルギーとLNGを組み合わせれば、代替は可能。
そのため脱原発が選択肢に入らないというのは間違い。日本の原発は発電量では3割だが
日本の発電設備全体の発電能力で見ると18%にすぎず、現在5割に過ぎない火力の稼動率
を上げれば代替は可能である。
原発のリスクは確率として許容できない。その土地を汚し、空気を汚し長期間に渡って
人、時間、空間に大きな制約を設けるからだ。巨大ダムが地震で倒れたとしても時間の
制約はわずかでしかない。しかし放射能の危険がある原発は時間の制約が桁違いである。
放射能の危険については後述
2)自然再生エネルギーのコストは水力は安く、原発のコストは核廃棄物の処理(海洋投棄の
話は後述)や、保険費用も含めるとはるかに高い。住民対策費や補助金をコストに含めなくて
いいなどというのは結局使用されているのは国民の税金であるから自分勝手な議論である。
危険性は原発より比較にならないほど小さい
太陽光パネルの蓄電システムの製造や事故が福島第一原発やチェルノブイリ事故を上回る
ことなどありえない。チェルノブイリの晩発性の障害を含めると死亡者は70万人を超える
とも言われている。空間、時間に多大な悪影響(観光客の減少や農作物の被害、土地の値段、
生産活動その他もろもろ)を及ぼす原発のリスク以上のものはない。そうではないといっているのはあなたぐらいではないか。
5)過去数十年間、世界の延べ数百基以上の原発に於いて事故による死者は30名あまり。化石燃料由来の事故での死者は数百万名以上。
>>産業界で使用されている化石燃料由来の被害を言われても比較のしようがない。それをいうのであれば、火力発電がいかに人的に有害か(原発を上回るほどに)を説明しないとコメントできない。
>すでに説明ずみ。死亡者数、健康被害者数で実証されているだけでも桁違いに多い。
説明済み。火力発電と原発の比較でなければ意味がない。産業上必要な企業の排ガスを含めた
被害を言われても、普通に考えれば比較できないとしかいえない。
7)>>甲状腺がんは実際4000人以上の被害が出ているが、これを250msv以下で健康被害がないという学者で説明したものは聞いたことがない。
>これは被曝による物との実証がされていない。
WHOも認めているし、人体に放射性ヨウ素が安定ヨウ素と誤認され集積しやすくなり、それが
染色体を破壊しているということは明らかで、それに対しては安定ヨウ素を配ることが対策であり、現在自治体に安定ヨウ素が配られているのもそれが理由だ。化石燃料由来の話では散々実証されていない話ばかりをしているのに、原発由来の被害に関してはすぐに「実証」されていないといって逃げる。また、議論もあちこちに話を拡散して論点をはぐらかす。これでは脱原発論者があなたにまともな話を差し上げられないも理解できる。
少なくともこれだけは理解してください。
現在低線量の内部被曝に関しては専門家ですら諸説ある状況です。何を根拠に素人が安全だと
断言できるのか。プロですら答えを探しているときに、こうだと、250msvまでリスクがないなどと素人が断言するのは無責任以外の何者でもない。
8)>>マニュアルの裏を知らなくてはいけません。今回マニュアルから外れたことが起こったから誰も何もできなかったのだから。あなたもプロなら分かると思うが。
>だから、マニュアルを改善し、スタッフがそれに従えばよいと言っているのだが。今までのマニュアルがきわめてずさんであったことはその通りだから、改める、という私の言葉のどこが気に入らないのか。プロならマニュアルの整備と徹底を目指すのが普通だけれどね。
原発に事故はあってはいけません。だからどこにどういったトラブルがあっても即座に対策を
施し、原因を推測できるスキルが必要なんです。そういったありとあらゆるトラブルをつぶせる
マニュアルなど作成できるとはとても思えません。百歩譲ってマニュアルで対処するのであれば1.まずは原発についてだれよりも詳しい人たちを集める。
2.そしてその人たちを中心にありとあらゆるトラブル対処について記載された対処法を作成する。これが最低限。これすらできないのが今の現状。だから管理レベルがずさんと認識されているのであれば、脱原発派に廻られるか、原発推進派としてそれを実現すべく働きかけてくださいということです。
>10万年かかる後処理と仰ったが、自然界の放射線物質の堆積や凝縮、拡散、移動など45億年前から続いているし、今後も数十億年、地球が存在する限り続きますな。つまり放射線物質は人間から遠ざければそれでおしまい、ということで、海溝投棄や地下投棄はきわめて安全、低コストかつ自然なんですがね。だからいま、地下式原発が検討されているんでしょ。何か起きたら原発毎埋めちまえばいいから安全だという話です。
「原発は非倫理的な技術である」
これに対してあなたの回答は、放射性廃棄物の海洋投棄。これの非倫理的であること、ロンドン条約違反であること、震災以来の他人を謙譲し人の迷惑をかけないと世界の賞賛を浴びてきた
日本人の品性を貶めること、については置いとくとして。
まず、高濃度の核廃棄物をどうやって運び、どのようにして海溝に投棄するのか?何に詰め込むのか?核廃棄物はもれないのか?もれた場合のリスクはどの程度なのか?大陸プレート
の下に引きずりこまれるというのは、プレートの境に落とさないといけないが技術的に可能か?
もれた場合の深海生物の悪影響は?まったく専門外の私でもざっとあげただけでもこれだけの
疑問点が浮かび上がる。現在において技術的に分からないことがほとんどであるのに、地殻は放射性物質があり同じだから廃棄物処理が環境に悪影響を及ぼすのはおとぎ話などといいうのは、
傲慢以外の何者でもない。すべて想定どおりにものが運ぶのならば、日本はもんじゅでもっと
豊かになっている。簡単に結論付けるにはもっと謙虚であるべきと思う。
bern >bern 2011/06/25 01:02
に若干追加させてください。
>内部被曝についていろいろな見方がありますが、仮に10mSv足すとして年間30mSv。これが40年間続けば1.2Sv
の計算ですが、半減期を見込んでいませんでした。
セシウム134と137の半減期(割合1:1、それぞれ半減期が2年、30年)を見込んで考えると、確率見積もりは半分くらいで割ったほうがいいかもしれません。
また、行政が除染などの適切な処理(校庭の土除去)をやっていれば、実質的な被曝量はもっと減ると思います。
>一刻も早く解決せねばならない問題です。
ですから私も安全策の確認は必要だといっています。
>どの時点で体制を立て直したと判断するかですが、私は少なくとも余震が懸念される2年間は、慎重に見るべきだと思います。
これは根拠になりません。三陸沖地震の発生確率も、事前には誰も予想できないほど低かったんですよ。むしろ東南海地震の方が差し迫っていると思われていました。
いずれにせよ、日本では明日地震が起きても不思議ではないので、2年過ぎても地震が起きない保証などどこにもありません。地震があるという前提での安全策です。
>日本人が癌で死ぬ割合は50%。ICRPの線形仮説では、累積1Svあたり癌での死亡率が5%上昇する、とあります。
1Svとは1000mmSvです。一方、ICRPは瞬間250mmSv以下ではいかなる影響も認められないとしています。
>ただ、どちらにしても、科学的根拠はありません。
いえ、過去数十年の実績で結論が出ています。これが化学的根拠です。年間20mmSvでは影響がありません。
>すでに壮年以上であれば、問題は少ないでしょう。
胎児が一番対放射線抵抗力がつよく、年齢が上がるに連れて抵抗力が下がり、高齢者ほど弱くなります。これは医学の常識です。
誤解されているのですが、細胞分裂の激しい子供は影響を受けるから危ないというのは間違いであり、それだけ細胞修復力が高いため、若いほど、成長期などは対放射線抵抗力が高く、胎児や乳幼児は最も高いのです。だから、遺伝子の異常による癌の発症率が老人になるほど高くなるのはそのためです。
胎児や乳幼児に対する警戒は、甲状腺に放射性ヨードが集まる傾向が高いからです。しかし今回のレベルでは全く問題はなくさらに半減期が短いので、よほどの高濃度でなければ影響はありません。
実際、チェルノブイリでも乳幼児の甲状腺癌発生率に有意な増加率は認められていません。
>人災であることは否定しません。情報が入らないうちの、20km圏内の避難は妥当だと思います。30km圏内の屋内待機が長引いたのは失策でしょう。
いや、最初の事故の瞬間に想定できたことであり、それが出来なかったのは政府の無能ゆえです。
>しかしいずれにしても、世界が注目している事故に対して、ICRPの基準を大きく逸脱するような対策はやるべきではないと思います。
平時ならそれでよいのですが、緊急時、ICRP基準を守ることで必要のない悲劇を生み出すことがあってはなりません。ICRP基準はあくまで平時の基準です。
>LNGは今後、ロシアと米国から調達できそうですね。
予定は未定。ロシアは信用できず、アメリカも国内需要が逼迫すれば容赦なく禁輸します。過去に大豆禁輸など何度もやっていることです。ロシアも、小麦禁輸など、いずれにせよ、他国にゆだねる危険性をもっとシビアに受け止めるべきですね。
>国の安定度を見ると、ウランが若干有利ですが、
大幅に有利です。国内に貯蔵できる点も他とは大きくちがいます。
>(現状では天然ガスか、地熱、風力、水力等の再生可能エネルギーになりそうです。メタンハイドレートや石油藻は技術を見守るしか無いですね)
遠い将来、可能かもしれませんが、今代替になり得ないのですから、選択肢には入りません。
>電気自動車は将来有望な産業の一つですが、現実的に考えれば、ガソリン自動車の社会がすぐに電気自動車に置き換わることはないと思います。
それはコスト面で解決する点がまだあるからです。しかし、電気自動車が実用化の範囲に入っているから普及への目処が立っているわけです。
それから、日本は鉄道を発展させることで輸送部門でのエネルギーコストを下げ効率を上げ、環境を改善してきました。それは電気が確保できたからです。また、日本は世界最大の省エネ技術を発展させました。それこそ、乾いた雑巾を絞るように省エネに努めてきたので、単に生産力が下がったからエネルギー消費量が下がったのではありません。
ビジョンが見えないのは仕方がありませんが、実際に製造業が今後も海外に逃げ出せばそうでしょうね。だから、海外へ逃げ出す業を引き留めるにも電力不足は避けなければ。実際にそれを理由に海外移転する企業は増加しています。
>今回の災害の賠償問題で、多量の税金や電気料金の価格値上げはある程度不可避でしょうし、
これはまた別の議論ですが、このようなときに増税をするケースなど前代未聞です。国債を発行すれば問題はなく、国債が子孫に借金を残すというのは真っ赤な嘘です。それについては私のブログで再三論じていますので、ここでは触れません。
なお、当然ながら企業減税もしなければ、企業はますます逃げますね。
>値上げを止めるために、無理に原発を再開する、というのは本末転倒です。
いえ、国家を守ることが最優先です。
>短期間の放射線による細胞へのダメージと異なり、癌は、DNAの修復できない突然変異によって起こされる確率的な事象なので、少規模の放射線が累積しないと考えることには、多少無理があります。
これは科学的に証明されていることです。自然界にも放射線は存在し、紫外線や活性酸素、ウィルスや発癌物質が身の回りに普通にあるので、生物にはDNAが損傷しても修復する機能があります。ただ、その度合いがあまりに酷くて損傷が修復よりも大きければ、損傷が累積してゆきます。医学的な事実でありこれがなければ人間は全員癌で死ぬでしょうね。それと、細胞の修復率が低い老人ほど癌になりやすいとは前述しましたが、これを裏付けしています。
猫パンチは修復の方が大きく、ボクサーのパンチはその逆と言うことです。猫パンチのダメージは全く蓄積しないんですよ。
>それはそうですが、結果として福島の人は、自分でコストをかけて避難するか、あるいは不安を抱えながら生きるか、という選択を強制的に背負わされました。
それは政府による人災だと再三言っています。最初からきちんと説明しておけば良かったけれど、その能力が政府にはなかったということです。
>福島の状況を見て、各県民が、次は自分のこととして想像するのは容易だと思いますし、それを説得するだけの体制が整わなければ、稼働にはNoと言うでしょう。
今実際には、原発推進派もおそらく半分くらい居ます。
リスクはゼロにはなりません。しかし、私たちは車でも飛行機でも食べ物でもリスク無しの生活は出来ません。でも、そのリスクの確率が低ければ実際は意識しませんが、一旦事故が起きれば意識します。
今最中だから、原発が全て事故を起こすような印象を持っているようですが、実際には原発事故は他のシステムよりも非常に確率が低く、その被害も桁違いに少ないんです。
>そうです。そして、もっとも検証されてきた科学的に妥当な仮説が、ICRPの線形仮説です。
様々な根拠が示されたとき、どれが正しいかを判断するのは、目の前にある事実を見ることです。60年代のひっきりなしに行われた核実験の結果、実際にそれで亡くなったと証明された人がどれだけ居るのか(居ますが少数ですよ)を見ることなどが、結局判断基準になります。
ICRPは第二次大戦後放射線で亡くなった可能性のある人数を117万人とし、欧州放射線リスク委員会は6500万人以上としています。しかし、実際にそれが証明されたことはないのです。
WW2以降66年で世界で死んだ人は延べ2000億人は居るんじゃないでしょうか。この数字は分かりませんが、毎年生まれる数と増加率を見れば、死亡者はもっと居ると思いますよ。
6500万人だとして、2000億人の0.3%でしょうか。ただし、この数字の根拠は単なる推測ですが、いずれにせよ、死んだ総数の中のそれが原発がらみだと考えるのはあまりに無理がないですか。
核実験の爆心地近く(ソ連や中国は実にずさんで、秘密主義で人民の命を無視していたのでほとんどがこれによる理由と推察されます)や、劣化ウラン弾、アメリカの被曝訓練(強烈な放射線でガンになった確率が非常に高く、退役軍人達がアメリカ政府を訴えていますね)のような例がありますが、全て闇の中です。分かっているのは原発事故で死んだ人が30名足らずだと言うことです。
>私もそう思います。ただし、「科学的にわからない」事象に対しては、安全というのではなく、わからないということを誠実に伝えるべきだと思います。
分からないのは日本政府が無責任で無知だからです。大気圏核実験をやった国が四の五の言うなと(まあ実際にそうは言えませんが)のつもりで、冷静に分析し説明すればいいのですが、今の政府にはとうてい無理ですね。
たかおじさん >kingradeon 2011/06/25 01:09 さん
>1)現状の水力、火力に自然エネルギーとLNGを組み合わせれば、代替は可能。
>を上げれば代替は可能である。
急場しのぎにはなると言っているので繰り返さない。
>巨大ダムが地震で倒れたとしても時間の
>制約はわずかでしかない。
まさか、下流の人間が万単位で死に、土地が失われるがそれが、わずかな時間の制約?山峡ダムの崩壊で下流では数千万が死ぬとも言われているのだが。史上最悪のダム決壊事故はサウスフォークダム決壊事故で、死者数2200万人と見積もられている。世界ではこのような事故が大小数十件も起きている。もし山峡ダムが決壊すると、1億人くらいが犠牲になると見られているが、これは大災害ではないのか。
むろん、日本でもダム決壊は多数起きている。入鹿池決壊事故など、10数件は起きている。
ダムはそればかりではなく、周辺の自然を大規模に破壊することが分かってきているから、脱ダムの動きが高まっている。
このような認識で自然エネルギーが安全だ等と語っては欲しくない。火力についても、急場しのぎではなく、今後長期に見て、様々なリスクがあるから、原発が推進されてきたし、世界でも一部を除き原発推進は主流だ。
>少なくともこれだけは理解してください。
>現在低線量の内部被曝に関しては専門家ですら諸説ある状況です。何を根拠に素人が安全だと
>断言できるのか。プロですら答えを探しているときに、こうだと、250msvまでリスクがないなどと素人が断言するのは無責任以外の何者でもない。
別に私が決めたわけではない。ICRPが素人集団だというなら話は別だが。
>
>マニュアルなど作成できるとはとても思えません。百歩譲ってマニュアルで対処するのであれば1.まずは原発についてだれよりも詳しい人たちを集める。
だから、リスクはゼロにならないと言っている。
>これに対してあなたの回答は、放射性廃棄物の海洋投棄。これの非倫理的であること、ロンドン条約違反であること、震災以来の他人を謙譲し人の迷惑をかけないと世界の賞賛を浴びてきた
平時にはロンドン条約でも論パリ条約でも守ればよろしい。しかし、緊急時、安全が保証されているのにしなくても良い条約守りをして大勢の住民から生活基盤を奪い、死なせ、ストレスを与えるのは、日本人の美徳なのか、と言っている。
>日本人の品性を貶めること、については置いとくとして。
そりゃ、日本人の命を守ることが最優先の筈の政府がこの体たらくだから、置いときましょう。
>傲慢以外の何者でもない。すべて想定どおりにものが運ぶのならば、
単にコンクリートの箱にでも詰めて、日本海溝の上に持っていってぽちゃんと捨てたらあとは帰ってくればよいだけ。高濃度汚染の深海生物への影響は海洋核実験の際も全く影響がなかったことから証明済み。大陸プレートの下に引きずり込まれるのは数万年オーダーの話。
>日本はもんじゅでもっと
もんじゅは原型炉。すなわち、さまざまな不具合が起きることを想定した実験炉ですよ。これについて事故を起こすなといっていたら、車も列車も飛行機も、アイデアからいきなり量産機ということになる。無茶を言わないでいただきたい。
>豊かになっている。簡単に結論付けるにはもっと謙虚であるべきと思う。
謙虚と無知とはちがう。
bern >たかおじさん
非常に確率が少ないか、多いか、といったことに関して(私もそうですが)、結局のところ数字を元に議論しないと水掛け論になってしまうのではないか、と危惧します。
>1Svとは1000mmSvです。一方、ICRPは瞬間250mmSv以下ではいかなる影響も認められないとしています。
短期的な被曝による障害と、長期的な被曝による癌の増加は分けて考えるべきかと思います(短期的な被曝の影響が問題になるのは、現状で福島の原発作業員のみです)
100mSv~250mSv以下で影響が見られない、というのは、あくまで急性被曝による白血球現象の場合だと思います。
累積的な継続的被曝でガン発生率の違いが有意に認められる値が、100mSvであったと思います。これは、それ以下で影響が認められない、ということではなく、統計的に違いが発見出来ないということだったと思いますが。
>いえ、過去数十年の実績で結論が出ています。これが化学的根拠です。年間20mmSvでは影響がありません。
影響が発見出来ないというデータはありますが、影響が無い、と言い切れるデータはなかったと思います(あればお示しいただけますと幸いです。私が知っているのはブラジルのガラパリのデータですが、これは年間10mSv以下で、内部被曝を含んでいなかったと思います)。
有意差が無いということから考えて、少なくとも放射線を浴びたほうが体に良いという、放射線ホルミシス仮説は破棄して良いと思われます。
有意差が発見出来ない場合、単純にサンプル数が少ないから、数字的には怪しくても科学的には何も言えない、という可能性が残ります。
ICRPの線形しきい値なし仮説を安全側にも危険側にも強く否定するような研究結果は出ていないので、現状の行政が採用する場合、これがもっとも妥当な仮説だと思います。
>胎児が一番対放射線抵抗力がつよく、年齢が上がるに連れて抵抗力が下がり、高齢者ほど弱くなります。これは医学の常識です。
単純な細胞へのダメージ(白血球減少など、短期的な被曝)の影響ならば、そう考えて良いと思います。
ただし、癌というのはそもそもDNAの突然変異によって、細胞が異常増殖して起こるものです。異常な細胞はある程度免疫システムによって修復されるかもしれませんが、確実ではありません。この場合、たまたま癌が発生して、たまたま免疫システムに見過ごされてしまえば、終わりです。猫パンチは体にかならず傷と認識され回復しますが、癌の発生原因と、免疫による除去システムはよくわかっていませんから、パンチのたとえはあまり適切ではありません。
癌の発症率が老人で高まるのは、修復率が下がることに加えて、長生きするにつれてエラーの発生する確率が高まるから、と考えて良いと思います。
また、胎児や子供についてなぜ慎重に見なければならないかというと、彼らが大人より弱いからだけではありません。
被曝量が同じ40年でも、0歳の子どもが40歳になって癌になる場合と、40歳の大人が80歳になって癌になる場合、前者のほうがはるかに影響が大きいからです。
>それはコスト面で解決する点がまだあるからです。しかし、電気自動車が実用化の範囲に入っているから普及への目処が立っているわけです。
電気自動車に関してはすでに普及段階に入りつつあると思いますが、その主市場はまだ車を持たない新興国で、日本ではないと思います。
企業が電力不足を理由に海外移転を示唆して交渉を行うことはあるでしょうが、企業が求めているのは電力だけではないので、本気で脱出する気なら、引き止めるのは難しいでしょう(これは震災前から言われていた日本の構造的な問題で、elm200さんが常々指摘されてきたことかと思います)。
震災後の状況変化としては、東北の資産が毀損して日本の状況がさらに厳しくなったこと、余震と原発問題を抱えているため海外企業や消費者を誘致しづらくなったことだと思います。いずれにせよ、電力需要を減らす兆候は多々あり、増やす要件は見えません。
現状の消費量を賄うだけであれば、原発の新規増設は必要とならないように見えます(企業の様々な省エネ技術は、世界の電力コストが上昇するに従って、海外進出する際の武器となるでしょう)
>ICRPは第二次大戦後放射線で亡くなった可能性のある人数を117万人とし、欧州放射線リスク委員会は6500万人以上としています。しかし、実際にそれが証明されたことはないのです。
欧州放射線リスク委員会の評価は科学的根拠が薄いため(良くわからない倍率を採用するため)、私は支持しません。
しかしICRPの見解は科学的な検証が積み重ねられており、また国際的にも広く認められている基準ですので、重要視するべきだと思います。117万人という死亡者推定数が事実の場合、出産前の不妊等を含めた場合、個人的に、それほど外れた予想ではないと思います。
証明できないことは、無いこととは違います。例えば、化石燃料使用による二酸化炭素の増加と温暖化に因果関係が発見出来ないとして、それは因果関係が無いことを意味しません。
政府の対応に関して不満が無いわけではありませんが、現状では少なくともICRPの基準、IAEAのレポートに従って行動しているようです(IAEAの、震災後の政府の対応への評価は悪くありません)。
もしICRPの基準に従わずに、住民の適切な避難を行わなければ、国際社会から「ソ連以下の国」という扱いは受けるでしょうし、仮に現状の原発を引き続き使用するにしても、それはあまり望ましくないように思えます。
kingradeon たかおじさん
>史上最悪のダム決壊事故はサウスフォークダム決壊事故で、死者数2200万人と見積もられている。
間違い。2200人といわれている。
>現在低線量の内部被曝に関しては専門家ですら諸説ある状況です。何を根拠に素人が安全だと
>>断言できるのか。プロですら答えを探しているときに、こうだと、250msvまでリスクがないなどと素人が断言するのは無責任以外の何者でもない。
>別に私が決めたわけではない。ICRPが素人集団だというなら話は別だが。
これも間違い。ICRP勧告は下記。250msvという数字は出ていません。。
07年の勧告では、一般の人が年間浴びてもいい放射線量を三つの範囲で設定。緊急時は20~100ミリシーベルト、緊急事故後の復旧時は1~20ミリシーベルト、平常時は1ミリシーベルト以下とした。
>>日本はもんじゅでもっと
>もんじゅは原型炉。すなわち、さまざまな不具合が起きることを想定した実験炉ですよ。これについて事故を起こすなといっていたら、車も列車も飛行機も、アイデアからいきなり量産機ということになる。無茶を言わないでいただきたい
うけます。仮に実験炉で事故をやり放題といっても、1兆円かけて投資しながら、いまだ回収の見込みが立っていない。というより実用化の目処が立たない状況。これを想定どおりにいかなかったという。であるなら、たかおじさんのいう
。
>単にコンクリートの箱にでも詰めて、日本海溝の上に持っていってぽちゃんと捨てたらあとは帰ってくればよいだけ。高濃度汚染の深海生物への影響は海洋核実験の際も全く影響がなかったことから証明済み。大陸プレートの下に引きずり込まれるのは数万年オーダーの話。
というのも同じ話。しかも核廃棄物の廃棄は別に緊急時にやらなくてもいい話だ。
デマと無知なら無知のほうがまし。