中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

春節と松

2014年02月09日 | 少数民族の祭り

ネット等で調べると、雲南省各地には、春節には家の中に松の葉を敷くと云う風習は広く有る様です。

雲南省曲靖市では、春節の大晦日の夜は、家の中に松を敷き詰め、その上の大晦日夜のご馳走(中国語では年夜飯と言う)を並べ、その敷いた松の葉の上に座り、家族全員で大晦日のご馳走を食べると云う風習があるそうです。

また、雲南省宣威市にも、春節に家に松の葉を敷くという風習があるそうです。古くは清朝道光年間に書かれた宣威州志の中に、「正月には松葉を採って来て、地面に敷く、これは綺麗にする事を意味する」というような記述もあるそうですが、現在でも雲南省宣威市にも大晦日の夜には松の葉を敷き、その上にご馳走を並べ、皆で食べると云う風習が残っているそうです。

大分古いのですが、2005年の填地早辰報(電子版)に拠れば、約30年前には雲南省昆明市の一部でも、その様な風習が春節には見られたとの事です。

雲南省楚雄イ族自治州に住むイ族の間には、春節の時ばかりではなく、冠婚葬祭や家を新築した際等のお目出度い時にも、家の中に松の葉を敷き詰め、その上に座り結婚式の祭に出されるご馳走を皆で食べると云うような風習があるそうです。また、大理白族自治南涧郷イ族自治県でも春節の大晦日には松の葉を敷き、その上のご馳走を並べ、皆で食べると云う風習があるとの事で、このような風習は雲南省に住むイ族を中心に意外に広く見られる様です。

 

春節に家の中に敷かれた松の葉とその上に並べられた大晦日のご馳走。大理白族自治州のイ族が住む村で。

 

竹で作られた食卓とその上の敷かれた松の葉。この上にご馳走が並べられる様です。楚雄イ族自治州で見かけた光景。


楚雄イ族自治州では、どちらかと言えば、松の枝より松の葉を売っている方が多いようです。値段は幾らするかは聞かないで終いましたが。一袋単位で買うようです。私の印象では大理白族自治州では、松の葉より松の枝が多く売られているように感じました。これは楚雄イ族自治州で見かけた光景。

 

春節に家の門に掛けられた松。

 1989年に雲南省昆明市にある雲南民族学院に在籍していた事があります。その時は、留学生は全員日本人(と言っても留学生は4人しかいませんでしたが)だった事もあり、雲南省各地に住む少数民族についての授業も特別に受けていました。その際受けた授業の中で、雲南省の少数民族と松や松の葉に関する話もあったように思います。今もそうですが、その時は中国語の水準も充分ではなく、また、自分の疑問を中国語で質問する程の力も無かったので、なんとなく曖昧のまま終わりましたが、今になり漸くその昔に受けた授業の内容がハッキリ解った様な気がします。

 



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