中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

大理古城の端午節

2013年06月09日 | 雲南省

中国では、明日から端午節で三日間の休暇が始まります。以前私が住んでいた貴州省では、端午節には、必ずの様に粽を作って食べたり、菖蒲やヨモギを家の門前に飾ったりしたようですが、私が今滞在中の「大理古城」では、そのような風習は見受けられないようです。無論大理古城の農貿市場でも、粽を売っているのを見かけますが、とても少ないです。ここ大理古城には比較的大きな農貿市場が二箇所ありますが、手作りの粽を売っていたのは、その内の一箇所だけで、粽を売っていた店も一軒だけでした。貴州省の多くの地域では、この時期になると農貿市場の店には、山のように手作り粽が店頭に並びます。また、家々の軒先や門前に飾る菖蒲やヨモギも農貿市場や街頭で売られています。ここ大理古城では、菖蒲もヨモギも売っているのは見かける事は出来ません。白族には端午節に菖蒲やヨモギを飾るというような風習も無いように見受けられます。

ただここ大理古城の街頭や農貿市場の近くでは、粽を包む笹の葉やもち米を売っているのを見かけました。笹の葉やもち米を売っている人がいるということは、端午節に粽を食べる人も居るということでしょうが、貴州等と比べると端午節に粽を食べるという人も左程多くないという印象です。大理古城に白族以外にもよそから来た漢族、イ族、回族、苗族等様々な民族が住んでいますから、民族により当然の如く端午節には粽を食べるという民族、人も多いと思われます。がここ大理古城では端午の節句に粽と言うような風習は余り無いような感じがします。

 大理古城の街頭で売っていた笹の葉。10枚で5元。

 

やはり農貿市場近くの街頭で売っていた粽用のもち米。一斤(500g)3.5元とのことでした。

 

大理古城の農貿市場で見かけた手作り粽。中には何も入っていないそうです。




粽には、当然もち米が必要ですが、そもそも大理市等ではもち米を原料とするモチ、お強等の食べ物は少ないように思います。貴州等では、店により一年中の様に手作り粽を売っているのも見かけますし、餅やお強も年中売っていますが、ここ大理市ではお強やモチを売っているのは今の所見たこともありません。大理周辺では、元々もち米を余り栽培していないのかも知れません。貴州省に住む苗族やトン族、壮族の多くの支族が60年代まではもち米を常食とし、今でも祭りや結婚式、儀式に際しては、何かともち、お強、粽等を食べるのとは大きく違う点かもしれません。なお貴州省に住む苗族やトン族の間ではもち米で作るお酒(糯米酒)も良く飲まれています。

貴州省黎平県のあるトン族の村で見た粽作りの様子。この村で7月に行われたお祭りの時に見た光景で、別に端午節ではありません。この時は粽の中には落花生を入れていました。貝殻は、これで米を計っていました。当然端午節にも粽を作るそうです。


出来上がった粽はこの様の形をしていましたが、このような形の粽は初めて見ました。


貴州省では、この時期には街頭や農貿市場では、このように菖蒲やヨモギを売る光景を見かけますが、このような光景はここ大理古城では見ることは出来ません。


また、貴州省の多くの地方では軒先や門前に菖蒲やヨモギを飾りますが、今の所このような光景も大理古城では見かけません。



貴州では、この時期にはこの様に粽を作る光景をあちこちで見かけます。が大理では今の所見かけてません。これは貴州省貴陽市花渓で見た光景です。

 
これは貴州省のトン族の村で見かけた光景。端午節もだいぶ過ぎた時期、7月初めでしたが軒先にはやはりヨモギと菖蒲が。



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