中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

「単独二孩」或は「単独二胎」について

2013年11月21日 | 中国事情

今回新しく打ち出された、夫婦の内どちらかが一人っ子の場合はもう一人子供を産んでも良いと云う緩和策は、中国では俗に「単独二孩」政策又は「単独二胎」政策等とも呼ばれているようです。この緩和策は全国一斉に実施されるのではなく、各省、自治区、市が責任を負い、それぞれの自治体の実情に応じて実施時期等を決めるとの事です。

前回のブログでも触れたように各地方の人民代表大会、常務委員会で新たに法律を制定した後に、緩和策が実施されるとの事ですが、昨夜の中国中央TVに拠れば、約三分一の省、区、市が2014年から実施すると表明したそうです。

新京報(電子版)に拠れば、北京市では合計特殊出生率は上海等他の中国の大都市と同様に大変低く、ここ数年は0.8から0.9程度迄低下したそうです。今回の政策緩和で北京市の人口(北京市戸籍を有する者)も大幅には増えないと予測しているようで、北京の関係者は、北京の戸籍所有者の内二人目を生む夫婦は15%から20%だろうとかなり低い予想をしています。

一方では、北京生まれでありながら北京の戸籍がない人、北京で生活しているものの北京の戸籍を持たない人が、今回の政策で二人目を生むと、産院、幼稚園、小中学校等公共サービス等の面で影響が出ると予測しています。ここ数年は北京で生まれる新生児は21万から22万人程度だそうですが、そのうちの半分は北京で生まれたものの北京の戸籍のない女性の子供の事です。尚、北京の高齢化率は約20%で、全国平均約14%をはるかに超えているようです。

広東省は今回の政策を歓迎しているようで、夫婦は二人の子供までOKと言う政策が出ても広東省は受け入れられると省当局者が述べています。

羊城報(電子版)に拠ると広東省のここ数年の合計特殊出生率は、1.6から1.7程度で、ここ十年間はほとんど変化が無いとの事です。ここ数年の新生児の数は110万人から120万人で、今回の政策緩和でも新生児が10万人から13万人増える程度で、「単独二孩」が実施された後でも、新生児の数は最大で150万人程度と予想しているそうです。

最初が双子の場合は、さらに二人目を産んでも良いのかとか、各省、区、市で具体的な実施時期、細則が決まる前に二人目を生んだらどうなるのか等の質問や疑問も起きているようです。

双子に関しては、今回の政策が俗に「単独二胎」と呼ばれている事から来る疑問のようで、一胎が双子、或はそれ以上の場合は、今回の政策の対象外としています。実施時期が決まる前は、当然違反となり法律により、従来通り、市、鎮住民の場合は可処分所得、農村の農民の場合は年平均純所得の3倍から10倍が罰金として科せられるとの事。

河南省の新聞大河報(電子版)等に拠ると一億を越える人口を擁する河南省は、やはり広東省等と比べると歯切れが悪く、いつから実施するかも今の段階では未定のようです。



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