中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

中国作家や翻訳家の原稿料はいくら?

2018年10月06日 | 中国事情

中国で出版されている雑誌に「人物週刊」と云う雑誌があります。元々本は読む方ではないので本はあまり買う事はないのですが、2018年9月17日号の「人物週刊」と云う雑誌では、「说吧、稿费」と題して特集時事を掲載していたので衝動的に買って仕舞いました。「说吧、稿费」は日本語に訳すと「原稿料について」「原稿料についての説明」とう様な感じかと思いますが、副題として「作家や翻訳家は社会に精神的に貢献しているが、相応しい経済的な報酬を得ているか?」とあります。

中国では作家や翻訳家の報酬は国家版権局の規則「出版文学作品報酬規定」に拠って定められているとの事です。現在適用されている規定は1999年6月に改訂された規定が適用されているとの事で、それに拠れば、基本的な標準原稿料は、一千字に付き30元から100元との事、翻訳に付いては一千字に付き20元から80元と定められているとの事。

但し「上海文学」「収穫」等の一部の有名な雑誌の場合は、一千字に付き1000元払われているとの事ですが、これは例外的で多くの場合は現在でも一千字に付き200元から500元程との事です。中国でも「网络作家」と呼ばれるネット作家は人によって月に100万元も稼ぐ人もいるとの事ですが、一般的に作家や翻訳家の原稿料は、中国では余り多くは無い様です。

カフカの「変身」を中国語に翻訳した李文俊と云う翻訳家は、僅か4000元の翻訳料を手にしただけとの事です。このブログでも何度も触れた様に今中国では日本の作家の本が良く売れている様で、中には100万部を超えるベストセラーも何冊かある様ですが、翻訳家が手にする原稿料は意外に少ない様です。

尚、1990年に定められた規定に拠れば、発行部数1部から2万冊迄の場合は基本的な原稿料は、以前は定価の5%だったのが、8%迄引き上げられたの事です。また、重要な学術論文や研究価値が高い論文は、一万冊以内の場合は基本的な原稿料は、以前は定価の20%だったのが、30%に引き上げられとの事です。

ノーベル文学賞を受賞した莫言の話では、彼が1981年に河北省で発行されていた雑誌「蓮池」に発表した短編小説「春夜雨霏霏」の原稿料は72元だったとの事ですが、この当時の解放軍兵士の毎月の給料は15元だったとの事。趙麗宏と云う作家は1987年に約23万字に及ぶ小説の原稿料として8000元を受け取ったとの事ですので80年代は作家の原稿料はそれなりに高かった様です。

 



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