中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

コンニャク(魔芋)について

2011年11月01日 | 中国事情

中国西南地域では蒟蒻が良く食べられていますが、貴州省や雲南省では蒟蒻を、一般に魔芋と呼び、蒟蒻とは云わない様です。場所により魔芋豆腐と呼ぶ事もあるようです。

日本で書いていた以前のブログでも書いた事がありますが、司馬遼太郎が中国四川省で蒟蒻を食べたいと思いコンニャクを探したものの結局は見つからずに終わった経緯を、司馬遼太郎は「街道をゆく」〈20〉中国・蜀と雲南のみち (朝日文庫)の「コンニャク問答」の項で書いていたように記憶していますが、それは蒟蒻と言って探したので見つからなかったと思われます。最初から魔芋或いは魔芋豆腐といって探せば簡単に、四川では、コンニャクである魔芋が見つかり、彼は中国のコンニャクを食すことが出来ただろうにと思います。

その時、当然付いていただろうと思われる中国人の通訳も蒟蒻を、中国のある地域では魔芋と呼ぶことを知らなかったのかも知りません。四川省などでも蒟蒻という方では通じないようで、魔芋或いは魔芋豆腐という言い方が一般的のようです。一説に拠れば、中国では、四川省峨眉山に住む道士がコンニャク芋から魔芋を作る方法を編み出したそうです。したがって、四川省等でもコンニャクは、魔芋或は魔芋豆腐と広く呼ばれているそうです


蒟蒻は貴州省内の商店やスーパー等でも実によく見かけます。また、農貿市場でもコンニャクを売っているのもよく見ます。それだけによく食べられているようです。また、祭りの際に出る屋台や、街中の屋台でも様々なコンニャクの料理を見かけます。

これは農貿市場で見たコンニャク、聞けば自家製で、自分の家で作り市場に持ってきた手作りのコンニャク。




これは温めた蒟蒻に唐辛子をまぶして食べるという、実にシンプルな食べ方です。串に刺した蒟蒻をお湯で温めた後、唐辛子につけて食べます。





また、蒟蒻を油で揚げて、やはり唐辛子を付けて食べるという食べ方もあります。





こちらはさしずめ蒟蒻ステーキといった風の食べ方で、鉄板の上で蒟蒻を炒めた後、やはり薬味である唐辛子などを付けて食べます。





これは蒟蒻をジャガイモや揚げ豆腐、昆布など煮込んだ料理で、屋台でよくみかけるコンニャク料理というかコンニャクの食べ方。但しそれぞれの具を一口大に切って、やはり唐辛子をまぶして食べます。蒟蒻だけとかジャガイモだけを別々に食べるという仕方はしないようです。






貴州でみかける「炒鶏」という料理は、鶏肉と蒟蒻を炒めた後、良く煮込んだものでナカナカ美味しいです。私が現在住んでいる近くの農貿市場の中には、この「炒鶏」専門の店が何軒かあります。ここではその場で料理してもらって持ち帰りますが、いつも人だかりで、時により行列も出来ます。鶏ではなくアヒルを使う場合もあります。



これは貴陽市内の屋台で良く見かけるコンニャク。コンニャクを油て炒め、薬味に唐辛子とドクダミの根を。云ってみればコンニャクステーキの様な物ですが、貴州では実によくコンニャクが食べられています。



鍋の具としてもコンニャクは好く使われるようです。貴州のコンニャクは、日本の物と比べるとやや歯ごたえがない感じですが、いろいろな料理法もあり結構楽しめます。貴州生まれの人と話していたら、その人の村では今でもコンニャクつまり魔芋を自分の家で作るそうです。一度自家製のコンニャクを食べて見たいと思いますが、まだ、その機会がありません。


ある本によれは、「魔芋の歴史は古く、宋 元の時代に野生の魔芋を人工的に栽培することに成功した」とあります。また。「魔芋豆腐として加工される以外に、魔芋面条、粉状、糖果、などとしても加工される。」ともありますが、この魔芋面条というのがどんなものか分かりません。

左思著「三都賦」の中の蒟蒻


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