中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

地沟油について(下水溝、排水溝などから取り出した再生食用油)

2011年10月13日 | 中国事情

最近、中国語で「地沟油」と呼ばれる再生食用油についてのニュースが新聞などでも盛んに報道されています。広東省広州市の政治協商会議に属するある委員が、記者会見の席上で食品の安全などの問題で記者から質問を受けた際に、その委員が、「私は昼レストランで食事を摂るときには、自分で予め用意した食用油を持参して調理してもらっている」と答えたとの記事がある新聞に載っていました。(南方都市報 8月19日付) 

また、その人はよく行く食堂にも、やはり自分で買った食用油を預けて置いてその油で調理してもらうと話したとの事です。このように食堂で食事をする際に、食用油を自分で持参するようになったきっかけは、現在この委員の専用車の運転手を勤めている人が、以前レストランで働いていた時、そのレストランでは50キログラム、たった一元で購入した地沟油を使って料理していたからだそうです。当然レストランの経営者は無論、従業員もその地沟油で調理した料理は誰一人として食べなかったそうです。その話を運転手に聞いてから、その人は外食をする際は、必ず持参した食用油で調理してもらうそうです。また、専用車の中には、いつも二本の食用油が積んであるとの事。そして食事する時にはその油で調理して貰う事にしているそうです。

また、珠海市の食品薬品監督局の局長も、ある記者会見の席上で私たちも外で食事をするのが怖いと答えた上で、私達の職場には食堂がないので、昼食事をする場合は決ったレストランで食事をするようにしており、やはり自分で持ち込んだ油で調理してもらうことにしていると答えたそうな。運転手付の専用車をもつような官僚がこのように地沟油にたいしての自衛策を講じているなか、我々一般市民はどうすべきかとこの記事は結んでいます。

貴陽市で発行されている地元紙「貴陽晩報」の10月6日付の記事によれば、最近貴陽市でも自分で買った食用油を持参して食堂やレストランで調理してもらう人が数多く見かけられるようになり、最近はその食用油持参の人が以前に比べ増えているとのことです。

確か3,4年前にも中国では地沟油が問題となり、上海や広州などで外資系企業に勤める外国人や中国語で「白領」と呼ばれるホワイトカラーが食用油持参でレストランに行き、その自分で持参した食用油で調理して食事するとの記事を読んだことがあります。その時は貴州省ではどうだったか分かりませんが、今回は貴州省でも食用油持参の人が出てきたようです。

貴陽生まれで、現在貴陽で働いている人と地沟油の話をした際、その人が言うのには貴陽の食堂やレストランでも地沟油は使われていると思うと話していました。「地沟油を使っているが、表立って健康被害などが出ていないので仕方がないのかな」との意見でした。また地沟油が使われているのをわかっているが、そこで食事するよりほかに方法がないとの答えでした。


貴陽市内の地下街にあったあるレストランの広告。そこには「地沟油は断固排除」「地沟油は断固として拒否」と書いてあるようですが、この店にはまだ行った事はありません。




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