中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

貴州省黎平県四塞村の侗族大歌その1

2016年04月01日 | トン族

以前私が滞在していた、黔東南苗族苗族侗族自治州凱里市の中でも、黎平県、榕江県、从江県は、特に侗族が多い所の様です。黎平県、榕江県、从江県の三県は、俗に黎、榕、从と呼ばれますが、貴州滞在中は何度か黎平県の侗族が住む村を訪れました。次の写真は、2011年春に、黎平県の四塞村と云う侗族の村で行われた際のトン族大歌の様子です。

 

本来は、この様に鼓楼の内部でトン族大歌は歌われますが、最近は舞台で行われる場合が増えて居る様です。この村には鼓楼が二棟あります。

 

こちらは男性の歌い手。男性と女性が分かれます。 男性のトン族大歌は、黎平県の黄岡村のトン族大歌が一番との事です。 黎平県の黄岡村には5,6回行っており男性の大歌を聞いた事も何度もありますが、私には当然分かりません。

 

何処の村でも、感じる事ですが若い男性は外へ出稼ぎに行っているので、若い男性は少ない。この村に向かう途中で、この祭りの為に出稼ぎ先から戻った人にも会いましたが、春節とは違い村に戻る人はそう多くは無い様です。

 

私が何度も訪れた事のある中国で最大のトン族の住む鎮と云われる肇興鎮にも、2年程前に舞台が設けられ、肇興鎮等でも観光客が来ると舞台でトン族大歌が披露される様ですが、本来は、この様に鼓楼の里で歌われます。

 

 

 

鼓楼の中で藘笙も作られます。ある苗族の村では二年に一度藘笙が作り替えられるとの事です。二年に一度行われると云う肇興鎮の藘笙節は特に有名です。

 

四塞村の鼓楼と風雨橋。鼓楼と風雨橋はトン族の村には必ずあると云われトン族の村の象徴との事です。この村には二棟の鼓楼があります。

 

一般に、トン族は、苗族等比べ平地に住むと云われますが、確かにトン族の住む地域は平地が多く、自然条件に恵まれている感じがします。その住む家も大きい様に感じます。トン族の主食は米(以前はモチ米との事)との事ですが、貴州の苗族は米が採れないような自然条件の厳しい地域に住んでいる場合も多い様です。

 

以前貴州省に滞在中には、よく貴州各地を訪れたのですが、今は雲南省大理州に滞在中で、貴州省で祭りがあっても、なかなか出かける訳には行きません。高速道路が通じた事や高速鉄道が開通した事もあり、以前私が訪れたトン族の村も急激に変わりつつある様です。伝統的な祭りも、国慶節や労働節の休みに合わせて行われるケースも増えて居るとの事です。いずれこの村にも舞台が出来て、そこでトン族大歌等も披露される様になるのかもしれません。



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