中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

岩蜜又は岩蜂蜜について

2013年08月07日 | 少数民族の食べ物

中国には「岩蜜」というものがあります。場合により「岩蜂蜜」とも言うようです。「岩蜜」或いは「岩蜂蜜」とかの単語を辞書等で調べても、普通は載っていません。しかし、今は大変に便利なことにネットがありますので、ネット上で検索をかけると、ネット上には「岩蜜」とはどんな物かについて、写真も含め載っているので、ある程度理解が出来ます。

詳しくは分からないのですが、「岩蜜」或いは「岩蜂蜜」とは自然と出来た甘い塊、結晶のようです。岩塩が塩の塊なら、岩蜜は蜜の塊と言えば良いのでしょうか。臭いも岩蜜を嗅ぐとやはり甘い香りがします。とても良い臭いで、何と言うか心が癒されるような香りがします。「岩蜜」と言う位ですから,岩のよう硬く、まさしく岩石のようです。但し重さは、岩石ほどの重量感は無く、左程重くはありません。無論岩の蜜と言う位ですから,それなりの重さ、質量感はあります。

「岩蜜」は貴州省、四川省、雲南省等の中国のごく一部の地域で産出するようです。「岩蜜」がどんな所にあるのかは分かりませんが、山奥、山中にあるようです。岩蜜は岩の一部ですから岩蜜の上にはコケも生えています。言ってみれば、「岩蜜」「岩蜂蜜」とは「岩塩」のような物で、「岩蜜」は蜂蜜の様に甘い物です。

実は、私も最近以前住んでいた貴州省黔東南地区に久しぶりに行く機会があり、今回初めて「岩蜜」と言う物がどんな物かを知り、「岩蜜」を飲んだ次第です。今にして思えば、黔東南地区の榕江県、从江県、雷山県等の街頭で「岩蜜」を売っているのを何度か見かけた記憶がありますが、その時は左程気も留めず行過ぎたように思います。今になり、「ああ、あの時売っていたのが岩蜜というものだったのか」と言う感じです。貴州省では一般に「岩蜜」と称するようでが、場所により「岩蜂蜜」とも言うようです。

「岩蜜」は甘いので、貴州省等では普通はお湯に入れて飲むそうです。お湯で飲む以外どのようにして「岩蜜」を食べるかはいろいろ聞いたのですが、今の時点では分かりません。

 

これが岩蜜。岩蜜の上にはコケが生えています。青いのはコケ。色は一般には黄色い色をしており、蜂蜜の色に近いと言えば言えるかもしれません。色の点からも、蜂蜜の色に似ているので「岩蜂蜜」と言う名が付けられたのかも知れません。まるで石のように固くて、これを割ろうとしたのですが、金槌が無いと割れないほど固い。

 

岩蜜の表面に生えているコケや岩蜜に付いているごみを落として、水で洗うとより色が黄色くなります。蜂蜜の色に近いかも知れません。但し、この岩蜜はこのような黄色をしていますが、赤い色をした岩蜜や淡い白の岩蜜を見た事もあります。よく洗った、このような状態で岩蜜をかじると結構甘く、お湯に入れて溶けた物よりはかなり甘く感じます。

 

岩蜜は、貴州省の人の話では、お湯に入れて飲むのが一般的との事ですが、岩蜜にお湯を注ぐと、不思議な事に岩蜜は次第に溶けて行きます。岩蜜は水でも溶けますが、消毒するという意味でも、高温のお湯を注いで飲むのが一番かも知れません。コップに岩蜜を入れお湯を注ぐとこの様にあの石の様に固い岩蜜は徐々に溶けてしまいます。尚、お湯でなくても水でも溶けます。

 

岩蜜がほぼ溶けた状態。こちらはコップの上から見た写真です。

 

良く洗わないと、このように不純物が混じります。蜂蜜ほどは甘くはありませんが、今回私が手に入れた岩蜜は、ほんのりと甘いです。言わば優しい自然の甘さとでもいうのでしょうか、キツイ甘さではありません。岩蜜にも何種類かあるようですので、甘さも様々で、もっと甘い岩蜜もあるのかも知れません。

 

知り合いの中国人に岩蜜を見せたところ、岩蜜を知っている中国人は、私の周辺ではあまり居ません。岩蜜を初めて見たという人が多く、岩蜜を初めて飲んだと言う中国人が圧倒的に多いです。雲南省の一部でも岩蜜が産出するという話ですが、今の所雲南省では岩蜜を売っているのは見かけておりません。岩蜜はとても、珍しく、貴重な物なので偽物も多いとの事です。また、それほどありふれた物では無い事もあり、貴州省等ではお湯に入れて飲むという以外の利用法は無いとの事です。因みに私が買った岩蜜は一斤45元。

 このブログで触れた岩蜜(岩蜂蜜)について



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