4年前に発足し「誇りある国づくり」を目指して活動している唐津支部ですが、当初からもう一つの柱として「豊かな地域づくり」への貢献も掲げています。
そこで、企画委員会では、これから《唐津・東松浦地域》についての勉強会や実践的活動などにも力を入れていこうという話をしています。4/19夜の総会で、来年度(以降)の活動方針について話し合うことにしています。
この3月公開例会はその皮切りとしての意義をもつ勉強会・・・吉田道彦氏(佐志公民館長。元唐津市教委学校教育課長)から、市全体のこの5年間ほどの状況、問題点、さらに氏の提言まで幅広く聴くことができましたので、お話の概要(の一部)を紹介します。
※以下、事務局のメモをもとにまとめているので文責は事務局にあります。内容へのご質問などはこのブログの「メッセージ」かコメントで事務局にどうぞ。
※講師が使われた学力等の資料(数字)は、国や県・市などによりすでに公開・公表されているものです。
1 唐津市の義務教育の現状
(1) 学力
・小中とも、国・佐賀県平均よりやや低め。※中学校の一部や、学力テストのB問題(応用問題)の不振については要留意。
・市教委では、京都女子大教授の指導を受けて、全学校で「子供主体の授業」への改善に取り組んでいる。
・全国的分析により、《朝食の有無》や《スマホの多用(毎日4時間以上…)などと学力低下が相関している》など、生活習慣にも課題があることが分かっている。
(2) 生徒指導
・中学校での問題行動数は大規模校で多いが、毎年状況が変わっている。(※特定少数の生徒が何度も…)
(3) 体力
・全国的に運動不足か。※安全に配慮しながらも、鍛えることが大事。
(4) 教職員
・先進国(OECD)と日本を比べると ■1学級定員=平均24人 < 日本:31人。■勤務時間=38.4時間/週 < 日本:53.9時間/週
※事務局の注…講師の指摘のとおり、「国家の教育投資」については日本は先進国最低レベルであることは世界周知の事実。《日本人が外国人と比べて、より「秩序正しく」「穏やかな性格」》であることが、上記の結果になっている(=これまでは不利な条件でも効果をあげることができていた)主因だと思う。
しかし、この数十年の子供たち(≒家庭・地域)の劣化の割合の増加はまちがいない事実であり、このままでは無残な未来が予言できる。
例えば、この数十年間の、日本と中国の軍事費と軍事力の変化を見れば、だれにでも一目瞭然だろう。教育は、物中心の軍事とは違い、教育費と教育効果が直接的に比例するような単純な現象ではないが、巨視的・長期的には相関するとかんがえるべきだろう。
・唐津市でも、「精神的原因」による病欠者や休職者が増えている。
・これから「教員の大量退職の時期」が始まるので、要注意。
※事務局の注…(佐賀県の)教員の場合は、「敗戦直後の多子化のための十数年間の大量採用の波」などの影響で、(一般社会では大量にいた)「団塊の世代」と、その前後の教員はとても少なく(=昭和40年代の採用数がとても少なく)、今から10年ほどの間に退職していく世代(=昭和50年代の採用者)がもっとも多くなっている。
~つづく~