先月、6月15日の夕方のことでした。
釜石鉄道で帰ってきた友人が、土沢駅の向かい側の道路の端に
ツバメがいるのを見つけたのです。
羽根をばたばたとさせ、どこかが傷ついているのか、
体型がゆがみ、明らかに不調なツバメです。
飛ぶことも、歩くこともできません。
すぐにひっくり返るのです。
巣立ったばかりなのか、口をみるとまだ黄色くて幼鳥です。
「まわりで巣を探したんだけど、見つからないんです」
その言葉どおり、あたりの家や建物を探しても、
巣は見当たりません。
このままだと、ネコかカラスに確実にやられてしまうだろうな、
という状況でした。
そこで、ほおっておけず、タオルを敷いた箱に入れて持ち帰り、
温めて、ミルウォームをあげてみよう、ということになりました。
ミルウォームは、ゴミムシダマシという甲虫の幼虫で、
生き餌を食べる鳥や小動物の、飼育時の食べものとして使われます。
そして、翌朝。
えさをまったく食べないと聞いて、あずかることにしました。
何度か巣立ち後に落ちていたツバメを育て、
放鳥した経験があったからです。
(親のツバメは、落ちたひなを助けにきません)
この子は、こんな姿で↓ 頭を後ろにしたまま、
その姿勢を変えません。

↑ 尾はもっと立てていて、だからすぐにひっくり返ります。
これは、少し落ち着いて尾を伸ばすようになって撮ったものです。
口もけっして開けようとしません。

↑ 尾羽で体を支えようとするので、なんというか、
とてもふしぎな姿勢なんです。
水をつけたピンセットで口に触れると、舌でなめて飲んでいるようでした。
蜂蜜を溶かした水も、少し飲みました。
そこで、ピンセットで口を開けて
ミルウォームを入れると、舌で引き込むようにして食べました。
どうなるのかなと不安なまま1週間を過ぎたころ、
初めて、自分から口を開けてえさを欲しい、といったのです。

↑ それでも、この姿勢ですから、体のつくりが変形しているのだろうか、
とも思いました。
そんなこんなで、毎日いっしょにいるうちに、
しだいに、こちらの手のなかにいると落ち着いて、
体を伸ばすようになってきました。
む? む? 頭が前にきた?
そうなんです。3週間目ころから、頭をちゃんと前にして、
ふつうのツバメになったんです!

↑ 口を開けて食べる、飛べる、だんだんツバメらしくなってきましたが、
奇妙な姿勢がつづいたためか、風切羽根の先が折れています。
生え変わる時期を待つしかありません。
もしかすると、ああいうかっこうになったのは、
巣の中で大きな兄姉たちといっしょにいて、身動きできず、
頭を後ろにして親からえさをもらっていたのかもしれません。
一種の、悪いくせだったのかな?
ともあれ、ツバメの子が元気になって、友人ともども喜んでいます。
最近は、「ヒナを拾わないで!!」キャンペーンのポスターを
見ることがあるので、拾ってよかったんだろうか、
と、友人は不安そうでした。
野鳥のヒナを拾うと、法律違反?
けっしてそんなことはありません。
助けるために保護する(拾う)のは、
問題ではありません。
このキャンペーンをしている保護団体が出しているハンドブックには、
下記のように書かれていました。
1. じっとしていて動かない
2. けがをしている場合
これらは、各都道府県の鳥獣保護担当部署に相談ください。
3. カラスやネコにおそわれそう
近くのしげみの中においておきましょう
4. 元気そう、動ける、よく鳴く
ヒナに近寄らず、はなれてください
しかし、このカテゴリーに当てはまるものばかりではありません。
見つけた人が判断するしかなく、
命を助けるには、瞬時の判断が必要です。
人間自身も自然の一部です。自分の内から聞こえてくる声に
したがって行動すればいいのだと思います。
野鳥は、捕ったり、飼育したりすることは法律で禁じられています。
しかし、現実には密猟が行われ、法の目をくぐりぬけて、
ペットショップで売られています。
輸入許可書があればいい、という抜け穴があるのです。
そういったことと、一般の人たちが、落ちているヒナを
何とかしたい、助けたい、と思うことは、
まったく次元が違うこと。
だいいち、ヒナを拾う経験なんて、だれにもあるものではありません。
そんなことがあったら、生涯のなかの貴重な体験。
野鳥を知るいい機会だと思って、やさしく接したいですね!
釜石鉄道で帰ってきた友人が、土沢駅の向かい側の道路の端に
ツバメがいるのを見つけたのです。
羽根をばたばたとさせ、どこかが傷ついているのか、
体型がゆがみ、明らかに不調なツバメです。
飛ぶことも、歩くこともできません。
すぐにひっくり返るのです。
巣立ったばかりなのか、口をみるとまだ黄色くて幼鳥です。
「まわりで巣を探したんだけど、見つからないんです」
その言葉どおり、あたりの家や建物を探しても、
巣は見当たりません。
このままだと、ネコかカラスに確実にやられてしまうだろうな、
という状況でした。
そこで、ほおっておけず、タオルを敷いた箱に入れて持ち帰り、
温めて、ミルウォームをあげてみよう、ということになりました。
ミルウォームは、ゴミムシダマシという甲虫の幼虫で、
生き餌を食べる鳥や小動物の、飼育時の食べものとして使われます。
そして、翌朝。
えさをまったく食べないと聞いて、あずかることにしました。
何度か巣立ち後に落ちていたツバメを育て、
放鳥した経験があったからです。
(親のツバメは、落ちたひなを助けにきません)
この子は、こんな姿で↓ 頭を後ろにしたまま、
その姿勢を変えません。

↑ 尾はもっと立てていて、だからすぐにひっくり返ります。
これは、少し落ち着いて尾を伸ばすようになって撮ったものです。
口もけっして開けようとしません。

↑ 尾羽で体を支えようとするので、なんというか、
とてもふしぎな姿勢なんです。
水をつけたピンセットで口に触れると、舌でなめて飲んでいるようでした。
蜂蜜を溶かした水も、少し飲みました。
そこで、ピンセットで口を開けて
ミルウォームを入れると、舌で引き込むようにして食べました。
どうなるのかなと不安なまま1週間を過ぎたころ、
初めて、自分から口を開けてえさを欲しい、といったのです。

↑ それでも、この姿勢ですから、体のつくりが変形しているのだろうか、
とも思いました。
そんなこんなで、毎日いっしょにいるうちに、
しだいに、こちらの手のなかにいると落ち着いて、
体を伸ばすようになってきました。
む? む? 頭が前にきた?
そうなんです。3週間目ころから、頭をちゃんと前にして、
ふつうのツバメになったんです!

↑ 口を開けて食べる、飛べる、だんだんツバメらしくなってきましたが、
奇妙な姿勢がつづいたためか、風切羽根の先が折れています。
生え変わる時期を待つしかありません。
もしかすると、ああいうかっこうになったのは、
巣の中で大きな兄姉たちといっしょにいて、身動きできず、
頭を後ろにして親からえさをもらっていたのかもしれません。
一種の、悪いくせだったのかな?
ともあれ、ツバメの子が元気になって、友人ともども喜んでいます。
最近は、「ヒナを拾わないで!!」キャンペーンのポスターを
見ることがあるので、拾ってよかったんだろうか、
と、友人は不安そうでした。
野鳥のヒナを拾うと、法律違反?
けっしてそんなことはありません。
助けるために保護する(拾う)のは、
問題ではありません。
このキャンペーンをしている保護団体が出しているハンドブックには、
下記のように書かれていました。
1. じっとしていて動かない
2. けがをしている場合
これらは、各都道府県の鳥獣保護担当部署に相談ください。
3. カラスやネコにおそわれそう
近くのしげみの中においておきましょう
4. 元気そう、動ける、よく鳴く
ヒナに近寄らず、はなれてください
しかし、このカテゴリーに当てはまるものばかりではありません。
見つけた人が判断するしかなく、
命を助けるには、瞬時の判断が必要です。
人間自身も自然の一部です。自分の内から聞こえてくる声に
したがって行動すればいいのだと思います。
野鳥は、捕ったり、飼育したりすることは法律で禁じられています。
しかし、現実には密猟が行われ、法の目をくぐりぬけて、
ペットショップで売られています。
輸入許可書があればいい、という抜け穴があるのです。
そういったことと、一般の人たちが、落ちているヒナを
何とかしたい、助けたい、と思うことは、
まったく次元が違うこと。
だいいち、ヒナを拾う経験なんて、だれにもあるものではありません。
そんなことがあったら、生涯のなかの貴重な体験。
野鳥を知るいい機会だと思って、やさしく接したいですね!