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東京電力福島第一発電所事故(フクイチ)は15ヶ月経った今も継続中だ。フクイチを風化させてはいけない。
フクイチがもたらしたもの…、その意味を反芻し続けることが必要だ。
以下、たんぽぽ舎メールマガジン(10/6)から転載。
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┗■1.原発難民 第2のフクシマを起こしたら手遅れ
│ フクイチ収束に40年かかり、作業従事者はあと4年で被曝上限
│ そのうえ原発が次々と稼働したら、誰がその仕事をするのか!
└──── (原発難民・水戸在住 木田)
私たち福島県民は、みなさんのように抗議も要請もすることなく、ある日突然、わずかばかりの身の回り品を持っただけで、住み慣れた土地を追われることになりました。
一年半が経ち、世間の関心は薄れ、信じられないことですが、フクイチは収束したと思ってる人はいるし、街頭インタビューでは、若者の「かわいそうとは思うけど、そんな話はもう聞きたくない」という声に、言葉をなくします。
三ヶ月に一度の一時立ち入りで目にするのは、人の背丈ほどの「セイタカアワダチソウ」に占領された田畑に、ガラスは破られ、商品を略奪されたコンビニ、歩く人の居ない道には、痩せて皮のたるんだ牛の群れ。
我が家に入れば、カビだらけの廊下に冷蔵庫の中の物のすえた臭い。ソファーに座って、かつては家族で過ごした日々を思い、そんな暮らしがもう戻らない実を思い知らされます。
カレンダーは去年の三月のままで、震災当日の欄には、息子の字で、「課長の送別会」と書かれてありました。余震で崩れた家具や荷物を片付け、「また来るからね」と我が家に声を掛けて、滞在時の被爆線量を測るスクリーニングに向かいます。
住む場所を追われた私たちは、わずかな損害賠償と、期限つきの給料補償のために、「原発難民は金が貰えていいな」と言われ、仮設住宅や借り上げ住宅に引きこもりになった人たちは、昼間から酒を飲んでるとか、パチンコ屋は原発難民の車ばかりと言われます。
原発で働いていた人たちは、東電や国の後始末のために、収束作業や除染に駆り出され、鼻血や血尿を出しながら、「俺たちがやらなければ誰がやるんだ」と、被爆し続けています。若い女性も、低線量の汚染物(防護服やマスクなど)の処理作業をしています。そこへ我が子を送り出す母親たちは、「まるで第二次世界対戦末期の、特攻隊を送り出した母親の気持ちだ」とこぼしているそうです。
交付金を貰い、原発を引き受けるということは、そこに住む人が責任まで取らなければいけないのでしょうか。
被災地への同情は、やがて薄れ、報道も真実は告げず、県は汚染された土地に戻そうとする国の言いなりで、さらに、爆発を免れた被災地にある、第二原発を動かそうとする東電の動きを知りながら抗議もしません。
直接の被害はなかったと、放射線管理区域に当たる高線量の区域であっても、避難もさせず、暮らすことを強いられている住民たちが、子どもを守りたいと声をあげても、風評被害を気にして反発する人がいます。汚染状況によって考え方も異なり、補償があるないで県民がひとつになれず分断されています。私たちには、福井県で原発に何かが起こったときの姿が見えます。苦悩が想像できます。荒れ果てていく様子が見えます。
県や国は絶対に責任は取りません。どうか、第二の福島にはならないでください。どうすれば福井のみなさんに原発に関心を持ってもらえるか、なぜ原発はまちがいなのか、むずかしい理屈よりも、今の福島を話せば考えていただけるかと思い、長文メールさせていただきました。
フクイチ収束には40年かかります。毎日被爆しながら作業に従事している人たちは、あと4年で被爆線量がいっぱいになると言われています。全国の原発が次々と稼働したら、誰がその仕事をするのでしょうか。
(練金術師) トップへもどる