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NEOMAP Web Forum

総合地球環境学研究所プロジェクト4-4「東アジアの新石器化と現代化:景観の形成史」のwebフォーラム

地球研FSシンポジウムが開催されました

2008-10-27 21:35:38 | NEOMAP本部
地球研FS研究シンポジウムに部分参加いたしました。プログラムは下記のとおり
盛りだくさんでした。このプロジェクトはNEOMAPが所属する文明環境史領域プロ
グラムの一つで、歴史系のプロジェクトが増えることは心強いことです。
ということで、

心強かった点1:粘土板文書の研究発表で、精度の高い編年は細かな環境変動を知
るために役立つ、というコメントです。これは、粘土板文書には農業関係の記述が
あることのみならず、粘土版に含まれる珪藻などから当時の微環境を知ることがで
きるということです。伝統的考古屋としては、土器編年の精緻化も歴史事象のきめ
細かな復元を通じて景観や環境の変遷に役立つ面があるのだ、ということを思い返
しました。単に、今度の地球環境学事典で「土器編年」というややなじまない?項
目に面食らった直後ということだけかもしれませんが。

心強かった点2:多彩な各領域研究をまとめるモデルの1つとしてAgent-based
social modelについて言及されていたことです。最近はやや停滞気味な自分の
Agencyモデリングにすこしばかり、光が射した気がしました。さまざまな情報を統
合し、判断し、行動する主体としてのAgent/Agencyを歴史事象や景観の解釈に組み
込めたら面白いと思っているのですが、、、(おおき)

プログラム
メソポタミア文明における王朝の興亡と環境
―前三千年紀後半の環境と塩害の検証―
2008年10月27日(月)総合地球環境学研究所セミナー室3・4(使用言語:英語)

セッション1 メソポタミアの環境と塩害 (司会 M. ヴィデル)
13:30-13:35 ご挨拶(渡邉紹裕)
13:35-13:45 イントロダクション(渡辺千香子)
13:45-14:00 農業(M. ヴィデル)
14:00-14:15 社会政治・文化的領域(G. ゼルツ)
14:15-14:30 古環境(T. J. ウィルキンソン)
14:30-14:45 メソポタミア北部の環境プロキシ:テル・ブラク
(A. M. マクマホン)
14:45-15:00 粘土板研究(J. テイラー)
15:00-15:15 生物指標(辻彰洋)
15:15-15:30 コンピュータ・モデリング:人間と自然のプロセスの統合
(M. アルタウィール)

セッション2 粘土板文書の研究 (司会 J. テイラー)
第一部 粘土板の製作方法についての観察と仮説
15:50-16:00 イントロダクション(渡辺千香子)
16:00-16:10 粘土板文書の「創造」と「破壊」(J. テイラー)
16:10-16:20 メッセージの媒体:初期王朝時代のシュメール語粘土板における
物理的特色(G. ゼルツ)
16:20-16:30 粘土板の行間を読む:科学的・地質学的特性の顕現
(M. ビヒラー)
16:30-16:40 質疑応答

第二部  製作方法と材料の科学的分析方法
16:40-16:50 粘土焼成物の化学組成に混和材が及ぼす作用(J. シュテルバ)
16:50-17:00 顕微鏡を用いた粘土板の観察(辻彰洋)
17:00-17:10 携帯型XRFおよび携帯型帯磁率計による粘土板の非破壊分析
(内田悦生)
17:10-17:20 質疑応答
17:20-17:40 まとめ(M. シヴィル)

文明環境史領域プログラム講演会のお知らせ

2008-10-27 16:56:59 | NEOMAP本部
各位

総合地球環境学研究所 文明環境史領域プログラムでは、
ピーター・ジョーダン氏(英国 アバディーン大学准教授)を
お招きし、講演会を下記の通り開催いたします。
北ユーラシア考古学の現状、および環境との関係史について
お話をいただきます。
ご多忙のおりとは存じますが、皆さまのご参集をお待ちしております。



■テーマ 
“新石器時代”から“新石器化”へ
-北ユーラシアにおける人類と環境の関係史の再構築-

■講 師 ピーター・ジョーダン(Peter JORDAN)氏
        (英国 アバディーン大学准教授)

■日 時 2008年11月10日(月)   
(14:30~16:30講演 14:30~15:30 デスカッション 15:30~16:30)

■場 所 総合地球環境学研究所・セミナー室3・4

■デスカッション(15:30-16:30)    
  コーディネーター:内山純蔵(RIHN)
  デスカッサント:クリストファー・ギラム氏(サウスカロライナ大学)

■言 語 英語
■主 催 文明環境史領域プログラム(主幹:佐藤洋一郎)
■アクセス http://www.chikyu.ac.jp/rihn/access/index.html
JR京都駅より:地下鉄烏丸線「国際会館」下車。国際会館駅前バス乗り場「2」から、
京都バス40系統(京都産業大学行き)に乗車(所要6分)し、「地球研前」下車。
京阪沿線より:出町柳で叡山電鉄鞍馬線に乗り換え、「二軒茶屋」下車。徒歩10分。

講師紹介 ピーター・ジョーダン氏 英国 アバディーン大学考古学部准教授
1969年生。シェフィールド大学で博士号を取得。同大学講師を経て、現職。
専門は、北ユーラシア考古学。博士論文題目は、『シベリア狩猟採集民の
民族考古学』(Ethnoarchaeology of Siberian Hunter Gatherers)。
最近では、フェノスカンディア地方(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、
コラ半島の総称)など北ヨーロッパ内海東部における文化的景観に関する研究を
主に行っている。


(お問い合わせ)
総合地球環境学研究所(担当 槙林)
Tel:075- 707- 2482(直)
(makiba)