地球研FS研究シンポジウムに部分参加いたしました。プログラムは下記のとおり
盛りだくさんでした。このプロジェクトはNEOMAPが所属する文明環境史領域プロ
グラムの一つで、歴史系のプロジェクトが増えることは心強いことです。
ということで、
心強かった点1:粘土板文書の研究発表で、精度の高い編年は細かな環境変動を知
るために役立つ、というコメントです。これは、粘土板文書には農業関係の記述が
あることのみならず、粘土版に含まれる珪藻などから当時の微環境を知ることがで
きるということです。伝統的考古屋としては、土器編年の精緻化も歴史事象のきめ
細かな復元を通じて景観や環境の変遷に役立つ面があるのだ、ということを思い返
しました。単に、今度の地球環境学事典で「土器編年」というややなじまない?項
目に面食らった直後ということだけかもしれませんが。
心強かった点2:多彩な各領域研究をまとめるモデルの1つとしてAgent-based
social modelについて言及されていたことです。最近はやや停滞気味な自分の
Agencyモデリングにすこしばかり、光が射した気がしました。さまざまな情報を統
合し、判断し、行動する主体としてのAgent/Agencyを歴史事象や景観の解釈に組み
込めたら面白いと思っているのですが、、、(おおき)
プログラム
メソポタミア文明における王朝の興亡と環境
―前三千年紀後半の環境と塩害の検証―
2008年10月27日(月)総合地球環境学研究所セミナー室3・4(使用言語:英語)
セッション1 メソポタミアの環境と塩害 (司会 M. ヴィデル)
13:30-13:35 ご挨拶(渡邉紹裕)
13:35-13:45 イントロダクション(渡辺千香子)
13:45-14:00 農業(M. ヴィデル)
14:00-14:15 社会政治・文化的領域(G. ゼルツ)
14:15-14:30 古環境(T. J. ウィルキンソン)
14:30-14:45 メソポタミア北部の環境プロキシ:テル・ブラク
(A. M. マクマホン)
14:45-15:00 粘土板研究(J. テイラー)
15:00-15:15 生物指標(辻彰洋)
15:15-15:30 コンピュータ・モデリング:人間と自然のプロセスの統合
(M. アルタウィール)
セッション2 粘土板文書の研究 (司会 J. テイラー)
第一部 粘土板の製作方法についての観察と仮説
15:50-16:00 イントロダクション(渡辺千香子)
16:00-16:10 粘土板文書の「創造」と「破壊」(J. テイラー)
16:10-16:20 メッセージの媒体:初期王朝時代のシュメール語粘土板における
物理的特色(G. ゼルツ)
16:20-16:30 粘土板の行間を読む:科学的・地質学的特性の顕現
(M. ビヒラー)
16:30-16:40 質疑応答
第二部 製作方法と材料の科学的分析方法
16:40-16:50 粘土焼成物の化学組成に混和材が及ぼす作用(J. シュテルバ)
16:50-17:00 顕微鏡を用いた粘土板の観察(辻彰洋)
17:00-17:10 携帯型XRFおよび携帯型帯磁率計による粘土板の非破壊分析
(内田悦生)
17:10-17:20 質疑応答
17:20-17:40 まとめ(M. シヴィル)
盛りだくさんでした。このプロジェクトはNEOMAPが所属する文明環境史領域プロ
グラムの一つで、歴史系のプロジェクトが増えることは心強いことです。
ということで、
心強かった点1:粘土板文書の研究発表で、精度の高い編年は細かな環境変動を知
るために役立つ、というコメントです。これは、粘土板文書には農業関係の記述が
あることのみならず、粘土版に含まれる珪藻などから当時の微環境を知ることがで
きるということです。伝統的考古屋としては、土器編年の精緻化も歴史事象のきめ
細かな復元を通じて景観や環境の変遷に役立つ面があるのだ、ということを思い返
しました。単に、今度の地球環境学事典で「土器編年」というややなじまない?項
目に面食らった直後ということだけかもしれませんが。
心強かった点2:多彩な各領域研究をまとめるモデルの1つとしてAgent-based
social modelについて言及されていたことです。最近はやや停滞気味な自分の
Agencyモデリングにすこしばかり、光が射した気がしました。さまざまな情報を統
合し、判断し、行動する主体としてのAgent/Agencyを歴史事象や景観の解釈に組み
込めたら面白いと思っているのですが、、、(おおき)
プログラム
メソポタミア文明における王朝の興亡と環境
―前三千年紀後半の環境と塩害の検証―
2008年10月27日(月)総合地球環境学研究所セミナー室3・4(使用言語:英語)
セッション1 メソポタミアの環境と塩害 (司会 M. ヴィデル)
13:30-13:35 ご挨拶(渡邉紹裕)
13:35-13:45 イントロダクション(渡辺千香子)
13:45-14:00 農業(M. ヴィデル)
14:00-14:15 社会政治・文化的領域(G. ゼルツ)
14:15-14:30 古環境(T. J. ウィルキンソン)
14:30-14:45 メソポタミア北部の環境プロキシ:テル・ブラク
(A. M. マクマホン)
14:45-15:00 粘土板研究(J. テイラー)
15:00-15:15 生物指標(辻彰洋)
15:15-15:30 コンピュータ・モデリング:人間と自然のプロセスの統合
(M. アルタウィール)
セッション2 粘土板文書の研究 (司会 J. テイラー)
第一部 粘土板の製作方法についての観察と仮説
15:50-16:00 イントロダクション(渡辺千香子)
16:00-16:10 粘土板文書の「創造」と「破壊」(J. テイラー)
16:10-16:20 メッセージの媒体:初期王朝時代のシュメール語粘土板における
物理的特色(G. ゼルツ)
16:20-16:30 粘土板の行間を読む:科学的・地質学的特性の顕現
(M. ビヒラー)
16:30-16:40 質疑応答
第二部 製作方法と材料の科学的分析方法
16:40-16:50 粘土焼成物の化学組成に混和材が及ぼす作用(J. シュテルバ)
16:50-17:00 顕微鏡を用いた粘土板の観察(辻彰洋)
17:00-17:10 携帯型XRFおよび携帯型帯磁率計による粘土板の非破壊分析
(内田悦生)
17:10-17:20 質疑応答
17:20-17:40 まとめ(M. シヴィル)