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NEOMAP Web Forum

総合地球環境学研究所プロジェクト4-4「東アジアの新石器化と現代化:景観の形成史」のwebフォーラム

第6回景観セミナーの延期

2008-12-16 21:32:47 | 景観セミナー
メンバ各位
After Japanese announcement the English follows.

急なご連絡で恐縮ですが、
12月19日の第6回景観セミナーを諸般の事情の為、延期させていただくことになりました。
発表予定のお二方とメンバ各位には、ご迷惑をおかけすることになり、深くお詫び申し上げます。
皆さまのご理解とご協力をいただければ幸いです。

本年の景観セミナーは、おかげさまで有意義なものとなりました。
心から感謝申し上げます。
なお、2009年の景観セミナーは1月30日に予定しております。
あわせて宜しくお願いいたします。


Dear all,

We are afraid we decided to postpone the 6th seminar for certain reasons.
We apologize for the inconvenience.

The next Landscape Seminar will be held Friday, 30th January.
Thank you very much for your cooperation.

(makiba)

琉球WGシンポジウムに参加して

2008-12-15 20:00:18 | 琉球WG
12月13日に沖縄県埋蔵文化財センターで開催された『琉球縄文時代の謎』に参加してまいりました。
琉球地域に人類が適応したのはいつからか?という問題について、高宮広土さんと伊藤慎二さんが発表を行いました。
 高宮さんは、縄文時代中期末から後期に人々が沖縄諸島に適応したという解釈を提示されました。高宮さんの適応とは人々がいるだけではなくその社会が再生産に成功している状態をさします。その観点からすれば、後期以降は遺跡数が大幅に増加する後期以降が該当する、それを可能にしたのが海洋資源と堅果類の利用システムの確立にあるという理解です。また、世界的に先史時代に植民された島々の地理的特徴をみると大型で大陸に近いという特徴があるが、その点では沖縄本島はどちらかといえば小型で大陸からも遠いという特徴を指摘されました。そのうえ、縄文早期・前期にあたる時期には陸上動物(イノシシ)という不安定な食料資源への依存度が高いと思われ、生業面からも断絶した可能性は低くないと述べられました。
 それに対し、伊藤さんは、土器の形態や文様が前代の特徴を何かしら受け継いでおり連続性があること、居住システムの変化にも段階を経て変化していることなどから、これらの連続的あるいは段階的変化は居住の歴史に断絶があったとは考えにくく、継続的な居住の開始期にあたる縄文時代早期末頃から適応したと理解する方が良いとしました。また、太平洋上にある人類の居住が断絶した島の考古資料を観察すると、交易の断絶により必要な生活物資が調達できなくなり、質の悪い現地産の資材で道具を作る場合がしばしばあることが分かるが、沖縄本島の考古資料には看取できないことも紹介されました。
 最後の飯田卓さんのコメントは興味深いものでした。縄文早期・前期は第1段階の適応(人口の比較的少ない社会として適応)、後期以降は生業の変化あるいは栽培の導入により人口増を伴う第2段階の適応というように異なるレベルの適応と理解することもできるのではないかとのことでした。
 私の雑感を1つ。これはスケールの問題でもあると思いました。高宮さんのように長い時間スケールでみると縄文後期とそれ以前の格差がより明瞭になる。伊藤さんのようにより細かな変遷を追いかけると各時期の特徴が相対的に強調されるのではないか?それが2つの異なる評価を生み出す一因でもあるように感じました。実は最近景観のほか考古資料の解釈を行う時に時間と空間のスケールを意識して使い分けることが必要なのではないかと考えており、またそうした視点はGISなどで定量的分析行うさいにも案外重要な視点になるのではないかと考えつつあります。
 半日でしたが、ほかの先生2名からも発表があり、大変勉強になったシンポジウムでした。開催にご尽力下さった皆様に厚く御礼申し上げます。
(おおき)

2008年度 NEOMAP景観カンファレンス開催のご案内

2008-12-12 10:23:07 | NEOMAP本部
NEOMAPメンバー各位

2008年(平成20年)度 NEOMAP全体会議 開催について(ご案内)

NEOMAP プロジェクトリーダー
内山純蔵(総合地球環境学研究所)

謹啓
時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、下記の予定で、2008年度の全体会議を開催することになりました。
全体会議は、第2回リーダー会議、メンバー打合会、景観カンファレンス
で構成されます。カンファレンスではメンバー間の研究交流の促進を目的
として、10名前後のメンバーにそれぞれの研究についてご発表をお願い
いたします。
まずは、下記日程での開催のお知らせをいたし、詳細については改めて
ご連絡申し上げます。よろしくお願いいたします。
敬具



期 日:2009年3月12日(木)-14日(土)
12日(木) 
14:30-17:30 景観カンファレンス(講演室)
18:00懇親会(地球研ハウス なごみルーム 会費4000円程度)
13日(金) 9:00-16:00研究発表(講演室)。総合討論あり。

場 所:総合環境学研究所 講演室
(makiba)

第6回景観セミナーのご案内

2008-12-11 20:19:43 | 景観セミナー
第6回景観セミナーを下記のとおり開催いたします。
今年最後のセミナーです。
ふるって、ご参集下さいますようお願い申し上げます。
 
            記

■日時:2008年12月19日(金) 14:00-18:00
       (終了後に懇親会を予定しています。)
■場所:大谷婦人会館(2F 吉水)
       (京都市・東本願寺の北隣です。)
http://homepage2.nifty.com/otani-hall/fujin/akusesu.htm
■内容:
○研究発表
村上由美子(総合地球環境学研究所)
「河姆渡文化期の木製品と景観」

細谷 葵(総合地球環境学研究所)
「“過程”の聖化-奄美大島の稲作作業と祭り」
      (発表各30分、その後質疑応答・討論を予定しています。)

○12月11日開催の所内プロジェクト発表会でのNEOMAP報告の紹介
内山純蔵(総合地球環境学研究所)

...............................................................
Dear all,

The 6th Landscape Seminar will be held Friday, 19th December.

Date: Friday, 19th December
Time: from 14:00
Place: Otani Fujin Kaikan, KYOTO

Presentation:
MURAKAMI, Yumiko (RIHN)
"Wooden tools and the Landscape in Hemudu Culture"

HOYOYA, Aoi (RIHN)
"Sacred routine- Routine works and festivals of rice agriculture in Amami Oshima"

UCHIYAMA, Junzo (RIHN)
"The report of neomap research activities 2008 "

Language: Japanese
(makiba)

中国江西省・湖南省の旅 PartⅡ

2008-11-12 16:57:26 | 中国浙江WG
10月最終週、Workshop on the Origins of Rice Agriculture-- The 3rd International Rice Festival of Wan-Nianへの参加報告の続きです。

鍾乳洞で疲れ果てた体を按摩でようやく癒して部屋に帰ったら、いきなりスタッフの人が訪ねてきました。翌々日のはずだった私の発表が、翌日に変わったと宣言するのです。あと1時間くらいで「翌日」になろうという時間の話です。一時たりとも油断のできない中国。パワポのデータも今すぐ渡せと迫られましたが、ラストミニッツ・Leoと異名をとる私が、準備できているはずもなし。朝食の時間まで猶予をもらい、翌朝は準備のために4時起きという過酷な状況で迎えた、ワークショップの第一日でした・・・

プログラムは次の通り;

10月28日

1. "Transitions from foragers to farmers in West and East Asia: What we know?" (Ofer Bar-Yoserf)
2. "Some questions about the current research on the origin of rice agriculture" (張 居中)
3. "Origin of rice cultivation as adaptation to wetland environment"(中村 慎一)
★ ディスカッション

4. "The features of carbonised rice from archaeological site in Hunan"(顧 海浜)
5. "Phytolith analyses on the study of rice paddy's initial stage and development"(宇田津 徹朗)
6. "Archaeological and DNA evidences to uncover the origin of Indica and Japonica rice"(盧 宝榮)
7. "Japonica rice was carried to, not from, Southeast Asia- Genetic Approach to the origin of rice cultivation"(細谷 葵、中村 郁郎、佐藤 洋一郎)
★ ディスカッション

10月29日

1. "Alternative views on the Sorori rice"(安 承模)
2. "The biginning of rice cultivation in Japan"(小畑 弘己)
3. "Archaeological advances in the study of the origins of rice agriculture"(Dorian Fuller、秦 嶺)
★ ディスカッション

初日前半は農耕起源についての理論的な討議、というコンセプトでしたが、そこでは「コメの植物としての栽培化と、人間の栽培活動は各々独立のものとして考えなくてはならない」「考古学としては人間の活動の方を重視すべきだ」等、あまり目新しいとは言えない議論の線で終始しました。植物側の栽培化過程と、人間の栽培活動は単純にリンクしないということはすでに明白なので、これらをどう関連づけて稲作文化の成立を考えるべきかが、現時点ではむしろ問題なのですが・・・

続いてデータ分析の発表数本がありましたが、初期稲作遺跡から出土するコメ遺存体に、野生型と栽培型がどれだけの割合で含まれているか、また遺跡によるそのちがい、というトピックへの興味が全体に共有されていたようです。「湿地に種を撒いていた状態と、人工的な水田での稲作を、どこで区別したらいいのか」等の質問あり。

初日の最後は、いよいよDNA関連の発表2本。奇しくもどちらも、トピックは「ジャポニカとインディカの起源」です。しかも結論は正反対。最初に発表した盧 宝榮さんは、野生イネの段階では遺伝的にジャポニカとインディカの区分はないので、栽培化された時点でその区分が生まれた、すなわち起源一元説。細谷・中村・佐藤は、野生イネ段階ですでにジャポニカとインディカの区分はある、そして各々にジャポニカ=中国、インディカ=東南アジアで栽培化したという、二元説。私はDNAの専門家ではないし、こうもはっきり対立的な発表になってすごい突っ込みとか入れられたらどうしようと、盧さんの発表の間じゅう生きた心地がしませんでした。かといって逃げる方法もないので、肝をすえて発表しました。

しかし結果は、良い感じに。参加者の大部分はDNA専門家ではないわけですが、同じDNA分析で正反対の議論を見せられたというのが却って面白かったようで、直後のディスカッションはかなり盛り上がりました。当然の話ではありますが、DNA分析のような新しい技術を使ったとしても、やはり研究の視点、解釈のあり方によって結論は変わるのだということが実感されたようです。主催者の趙 志軍さんが「他の発表もあったのだから、そろそろDNAからトピックを変えよう」と呼びかけているのに、依然としてDNA関連の質問、コメントが出続けるというありさま。考古学の研究会でDNAでここまで盛り上がったのは、あまり見たことがありません。とりあえず、発表は成功?

研究会2日目は、また少し「農耕起源」そのものを考える方向の発表が3本。農耕の起源を、「Cultivation」「Domestication」「Agriculture」の3段階に分けて考え、それぞれの段階を考古学的に見分ける方法を提示しようというDorian & 秦嶺の発表(代理人発表)に対し、「具体的に、Cultivationが何%になったらDomesticationなのだ」「社会がAgricultureの状態かどうか、どこで見分けるのだ」といったコメント多数。

私も、理論的には「Cultivation(人間が植物に手を加え始めた状態)」と「Agriculture(社会の経済基盤が植物栽培になった状態)」は区別すべきだと今まで考えていましたが、実際に考古資料のどこでどう見分けるのかと言われると、困るなぁということを実感してしまいました。稲作農耕が二次的に伝播した土地である日本でしたら、見分けは比較的簡単です。しかし、起源地である中国では? どこまでCultivationで、どこからAgriculture? Cultivationの始まりはいつ?
理論ではいくらでも説明できます。しかし問題は考古資料なのです。

理論派と自称する人間らしくもないことを言いますが、これからはもう、たとえば「人と植物が近いかかわりをもち始めた時点をcultivationと呼ぼう」などと理屈を言っていてもあまり意味がないのではないか、実際の考古資料で何がわかるのかをベースにして議論を進めた方が建設的なのではないか、と考えます。

その考古資料の一環として、今回盛り上がったから言うわけではありませんが、植物サイドの栽培化過程を知るDNA分析は、今後ますます重要になってくる気がします。しかし、遺伝学と考古学がじゅうぶんに意見を交換しながら行う本当の意味でのコラボ研究は、まだほとんど行われていません。上でも言及しましたが、「栽培化」と「栽培活動」の関連づけを考えていかなくてはならない、というのが稲作起源研究の新しいステージだとすれば、このコラボの実現は重要なカギになるのかもしれないと思います。そのためにも、科研費、取れたらいいですねぇ、makibaさん?

最終的に、色々と考えさせてもらえる研究会でした。

次回は、感動の完結編!  (Leo)