昨晩長男から電話があった。
電話機の向こうにはチビの写真と花とお骨が置いてある。あ、線香立てもお水も供えてある。
受話器を取ると「ペットロスしてな~い?」だって。
優しい奴だ。さすが私の息子だ。
「あ~もうね、どっぷりよ。悲しいよ。寂しいよ。切ないよ。ここにお骨置いてあるけどやっぱ生きてないから悲しくて毎日線香あげてるよ」
「なんだよ~しょうがないな~やっぱりそうなのか~。でもミミは有無を言わさずさっさと埋めちまったよね~」
「だ~ってあのころはこうやって焼いてくれる場所なんて無かったもん。ほっとくと腐るし、それだけは無念だわ」
「新しい猫飼うの?」
「まだその気ないけど、縁があればね、どこからか迷い込んで来たらとかさ、道端で啼いてたりとかさ、門の所でじーっとうちを覗いてたりとかさ」
「あんまり野良猫って最近いないし、保護猫も条件が厳しいんだよね」
「あ~うちは無理無理、飼い主の年齢で却下されるわ」
「おととい、うちのマンションの近所で猫が啼いてたんでちっち(孫3歳)と探したんだけど見つからなかった」
「あ~そうなんだ。見つかったら送ってよ」
「送るって(笑)連れてくよ」
「うん、ご縁があればね」
「ねこやん(長男はチビをこう呼ぶ)は珍しいくらいよく触らせてくれたからな~昔はよく噛まれたけど」
「もう21だもん。枯れてたのよ。達観してたのよ。」
なんだかんだ言っても長男もさびしいんだなと思ったのでした。