本稿は、2桁の数の2乗の数を順列に並た際に現れる法則性を見つけようという試みです。
その法則性を用いて、何らかの形で2乗の数の計算法、即算法を考えたいと思います。
そのためには、先ずは実際に並べて観察することが第一歩と思われますので、下記に並べます。
ここでは、0から50までの2乗 と 51以降のもの を横並びにしてあります。
ここで具体的に注目いただきたいのが2乗の数の「下二桁の数」です。
0× 0= 0 50×50=2500
1× 1= 1 51×51=2601
2× 2= 4 52×52=2704
3× 3= 9 53×53=2809
4× 4= 16 54×54=2916
5× 5= 25 55×55=3025
6× 6= 36 56×56=3136
7× 7= 49 57×57=3249
8× 8= 64 58×58=3364
9× 9= 81 59×59=3481
10×10= 100 60×60=3600
11×11= 121 61×61=3721
12×12= 144 62×62=3844
13×13= 169 63×63=3969
14×14= 196 64×64=4096
15×15= 225 65×65=4225
16×16= 256 66×66=4356
17×17= 289 67×67=4489
18×18= 324 68×68=4624
19×19= 361 69×69=4761
20×20= 400 70×70=4900
21×21= 441 71×71=5041
22×22= 484 72×72=5184
23×23= 529 73×73=5329
24×24= 576 74×74=5476
25×25= 625 75×75=5625
26×26= 676 76×76=5776
27×27= 729 77×77=5929
28×28= 784 78×78=6084
29×29= 841 79×79=6241
30×30= 900 80×80=6400
31×31= 961 81×81=6561
32×32=1024 82×82=6724
33×33=1089 83×83=6889
34×34=1156 84×84=7056
35×35=1225 85×85=7225
36×36=1296 86×86=7396
37×37=1369 87×87=7569
38×38=1444 88×88=7744
39×39=1521 89×89=7921
40×40=1600 90×90=8100
41×41=1681 91×91=8281
42×42=1764 92×92=8464
43×43=1849 93×93=8649
44×44=1936 94×94=8836
45×45=2025 95×95=9025
46×46=2116 96×96=9216
47×47=2209 97×97=9409
48×48=2304 98×98=9604
49×49=2401 99×99=9801
50×50=2500 100×100=10000
お気づきの通り、この左右2列に並んだ2乗の数、下二桁の数が同じです。
横に並んだ同士、数は50異なるわけですが、
50異なる2つの数の2乗の下二桁は同じ
となるのです。
となると、少なくとも50までの数の2乗を覚えてしまえば、
51から99までの2乗は、半分は覚えた同じ、と言えます。(ちょっと苦しいですが)
つまり 例えば、31×31=961 と覚えたなら、
31 に 50 を足した 81×81 は 少なくとも 「XX61」 と判ります。
80×80 は 6400 だから 6461 か、6561 あたりだ、と推測。
80×81 は 6480 だから、6461 はなく、6561、という感じです。
この気付きだけでも暗記のためには価値がありますが、話はこれだけでは終わりません。
さらに、25×25=625 を中心として 上下に一つずつ移動しながら、二つの数の2乗の数の下二桁を比較してみて下さい。
これも同じ数になっています。
つまり、0から24までの2乗の数の下二桁の数に現れた数は、25を境として
26から50までの2乗の数の下二桁に逆順に現れる、ということなんです。
まるで、25の地点で鏡に写したかのごとくです。
これは、前回20台の数の2乗のグループの中での特徴として指摘しましたが、実はその外側にも広がっている話だったのです。
視覚的に確認しやすいように、25から後半を逆順に並べてみます。
↓
0 × 0 = 0 50 × 50 = 2500
1 × 1 = 1 49 × 49 = 2401
2 × 2 = 4 48 × 48 = 2304
3 × 3 = 9 47 × 47 = 2209
4 × 4 = 16 46 × 46 = 2116
5 × 5 = 25 45 × 45 = 2025
6 × 6 = 36 44 × 44 = 1936
7 × 7 = 49 43 × 43 = 1849
8 × 8 = 64 42 × 42 = 1764
9 × 9 = 81 41 × 41 = 1681
10 × 10 = 100 40 × 40 = 1600
11 × 11 = 121 39 × 39 = 1521
12 × 12 = 144 38 × 38 = 1444
13 × 13 = 169 37 × 37 = 1369
14 × 14 = 196 36 × 36 = 1296
15 × 15 = 225 35 × 35 = 1225
16 × 16 = 256 34 × 34 = 1156
17 × 17 = 289 33 × 33 = 1089
18 × 18 = 324 32 × 32 = 1024
19 × 19 = 361 31 × 31 = 961
20 × 20 = 400 30 × 30 = 900
21 × 21 = 441 29 × 29 = 841
22 × 22 = 484 28 × 28 = 784
23 × 23 = 529 27 × 27 = 729
24 × 24 = 576 26 × 26 = 676
25 × 25 = 625 同じ数が逆順で並ぶ↑
以上の様に、確かに25で反転し、順番が逆になり同じ数が並んでいます。
ではこの数字の並びの2つの特徴に関し、何故そのようなことが言えるのか、数式で一般化してみましょう。
まず一つ目、「50の差がある2つの2桁の整数の2乗は、下二桁が同じ」ということですが、
以下の通り考えます。
2つの数の、小さい方を a 、大きい方を a+50 とします。(aは49以下の自然数)
この二つの数の2乗の数の大きい方から小さい方を引きます。
(a+50)×(a+50)-a×a
=(a^2+100a+2500)-a^2)
=100a+2500
=100(a+25) となります。
つまり、100の倍数となりました。
2数の一方からもう一方を引き算したら百の倍数、すなわち下二桁が00になるということは、
元々の数の2つの数の下2桁は等しかった、ということになります。
次に、「25で反転し同じ下2桁の数が逆順で現れる」というのはどうでしょうか。
(ここでは、0から50までの数に限定して考えます)
これは言い換えると、「25から等距離にある2つの整数の2乗の数は、下二桁が同じ」
となります。
そこで、この25を挟んだ数の、小さい方を 25-a 、大きい方を 25+a とします。
(aは24以下の自然数)
先程と同様、この二つの数の2乗の数の大きい方から小さい方を引き算します。
(25+a)×(25+a)-(25-a)×(25-a)
=(625+50a+a^2)-(625-50a+a^2)
=100a
となり、これも100の倍数です。
つまり、この場合も、もともとの2つの数の下二桁の数は等しいということになります。
。。。意外な事実でしたね。
以上、2つの法則を再確認します。
「25から等距離にある2つの整数の2乗の数は、下二桁が同じ」
「50の差がある2つの2桁の整数の2乗の数は、下二桁が同じ」
この二つの法則を統合いたしますと、
0から25までの2乗の数の下二桁に現れた数は、25から50までに逆順に現れ、
さらに、50から75までに再度同じ順番で現れ、再び75から100まで逆順に現れる
と言えます。
つまり、2乗の数の下二桁の数のパターンは、0から25 までに全て現れてしまうのです。
26以降、違う数は出てきません。
ここで暗記の話に戻りますが、先ほど2乗の数は50まで覚えれば、51から99までは
半分覚えたも同じ、という言い方をしました。
ところが、26から50までの2乗の下二桁も、0から25まで場合の繰り返しだとしたならば、
暗記する2乗の数はさらに半分で済むわけです。
ただし、逆順に現れる数字の対応関係のつかみ方に慣れる必要もありますし、百の位、千の位は依然不明です。
そこで、もう一歩踏み込んで、何か上手な形で1から25までの2乗の数を使って、
それ以降(26以降)の2乗の数を導き出す方法がないものか、考えてみましょう。
ここで、論を進める前に、「2乗の数の下二桁が同じとなる数のグループ」について考察を深めておきます。
これもまた、具体的に数字を並べてみましょう。
整数を2乗した場合の下二桁の数 と 対応する0から100までの数
2乗の下二桁 対応する100までの数(その2乗)
00: 0( 0) 50(2500) 100(10000)
01: 1( 1) 49(2401) 51(2601) 99(9801)
04: 2( 4) 48(2304) 52(2704) 98(9604)
09: 3( 9) 47(2209) 53(2809) 97(9409)
16: 4( 16) 46(2116) 54(2916) 96(9216)
25: 5( 25) 45(2025) 55(3025) 95(9025)
36: 6( 36) 44(1936) 56(3136) 94(8836)
49: 7( 49) 43(1849) 57(3249) 93(8649)
64: 8( 64) 42(1764) 58(3364) 92(8464)
81: 9( 81) 41(1681) 59(3481) 91(8281)
00: 10(100) 40(1600) 60(3600) 90(8100)
21: 11(121) 39(1521) 61(3721) 89(7921)
44: 12(144) 38(1444) 62(3844) 88(7744)
69: 13(169) 37(1369) 63(3969) 87(7569)
96: 14(196) 36(1296) 64(4096) 86(7396)
25: 15(225) 35(1225) 65(4225) 85(7225)
56: 16(256) 34(1156) 66(4356) 84(7056)
89: 17(289) 33(1089) 67(4489) 83(6889)
24: 18(324) 32(1024) 68(4624) 82(6724)
61: 19(361) 31( 961) 69(4761) 81(6561)
00: 20(400) 30( 900) 70(4900) 80(6400)
41: 21(441) 29( 841) 71(5041) 79(6241)
84: 22(484) 28( 784) 72(5184) 78(6084)
29: 23(529) 27( 729) 73(5329) 77(5929)
76: 24(576) 26( 676) 74(5476) 76(5776)
25: 25(625) 75(5625)
(列1) (列2) (列3) (列4)
<<観察>>
(列1の数)+(列2の数)= 50
(列1の数)+ 50 = (列3の数) (列2の数)+ 50 = (列4の数)
(列1の数)+(列4の数)= 100
(ちょっと上記の関係を確認してから次に進んで下さい。)
上記に観察できます通り、2乗すると下二桁の数が同じとなる数のグループは基本的には4つの数で構成されます。
これは、0から25までの2乗の下二桁に現れた数が、以後3回、逆順、正順、逆順と現れる、
すなわちトータル4回現れますので、その様になります。
ただし、00と25については、該当する数字の数だけを言えば4つ以上になります。
これは5の倍数と10の倍数の特性によるものですが、上記の表では便宜的に分けて表示しています。
2乗計算の即算法では、この4つの数のうち、最もも小さい数、すなわち「0から25までの数」の2乗
を使いたかったわけです。
上記の表で見るならば、ある数字を考えた時に、その数が属しているグループの中で一番左側の数が判ればよい。
これを先ずは想起したい。
その計算法を考えます。
そこでまず、2乗をすると下二桁が同じ数になる2つの数、これにはどういう性質があったか。
ここから入ります。(2つ挙げましたね)
順序は前後しますが、先ず「25から等距離にある」ということが一つありました。
「25から等距離。。」といっても判りにくいですので、言い換えを一回しておきます。
2乗をすると下二桁が同じ数になる2数があり、それぞれ a,b(a>b)とします。
また、bは25以下であり、数aが与えられた場合、求めたい数とします。
その2数の25からの距離が等しかった場合、 25-a=b-25
よって a+b=50
つまり、2数の合計が50になる時、それぞれの2乗の数の下二桁は等しくなります。
よって、元の数をaに対し、2乗すると下二桁が同じとなる数 b は b=50-a の関係が成り立ちます。
また、bは25以下ですので、b=<25 より、
50-a =< 25
25 =< a
すなわち a は25以上、
また、bは0以上であるため、0=<b
これより 0 =< 50-a
a =< 50
すなわち a は 50 以下
よって、元の数が25以上50以下の時、
2乗すると下二桁が同じとなる数は (50-元の数) で求められます。
では次に、「50の差がある数」という性質から考えを展開します。
同じく、2乗をすると下二桁が同じ数になる2数があり、それぞれ a,b(a>b)とします。
この2数の場合は、「50の差」があることとします。
よって b=a-50
bは25以下より、b=<25、
よって a-50 =< 25
a =< 75
すなわち a は75以下
また、bは0以上であるため、0=<b
これより 0 =< a-50
50 =< a
すなわち a は 50 以上
よって、元の数が50以上75以上の時、
2乗すると下二桁が同じとなる25以下の数は (元の数-50) となります。
ここで、2乗すると下二桁が同じとなる25以下の数の導き方が2通り出てきました。
元の数a が 25以上50以下だったら 50-a
元の数a が 50以上75以下だったら a-50
何やら50より小さければ50から引き、50より大きければ50を引く、というこ
とですね。
ここで一旦、例を出して確認し、それから次に行きましょう
27の場合 50-27 = 23
68の場合 68-50 = 18
確かめます 27×27= 729、 23×23= 529、 下二桁は29で同じ
68×68=4624、 18×18= 324、 下二桁は24で同じ
では次に、上記の場合から外れた範囲、元の数が 75以上(100以下)となった場合、どのように計算するのでしょうか。
元の数aが75以上の場合、a-50 は aと2乗した場合下二桁同じになりますが、25 以下にはなりません。
ただし、さらに計算して、50から(a-50)を引いた数b これは25以下になると同時に、もとの数aとも2乗した場合に下二桁が同じ数になります。
すなわち b=50-(a-50)
=100-a
よって、元の数が75以上100以下の時、
2乗すると下二桁が同じとなる25以下の数は (100-元の数) です。
100から引く、ですね。。。
例をあげると、88の場合、100-88 で 12 となります。
これも確かめます: 88×88= 7744、 12×12= 144、 下二桁は44で同じ!
正しいですね。
これで「2乗すると下二桁が同じとなる25以下の数の求め方」が全て揃いました。
元の数a が
25以上 50以下だったら 50-a
50以上 75以下だったら a-50
75以上100以下だったら 100-a
そこで次回は いよいよこの求め方を用いた2乗の数の計算方法に入ります。
その法則性を用いて、何らかの形で2乗の数の計算法、即算法を考えたいと思います。
そのためには、先ずは実際に並べて観察することが第一歩と思われますので、下記に並べます。
ここでは、0から50までの2乗 と 51以降のもの を横並びにしてあります。
ここで具体的に注目いただきたいのが2乗の数の「下二桁の数」です。
0× 0= 0 50×50=2500
1× 1= 1 51×51=2601
2× 2= 4 52×52=2704
3× 3= 9 53×53=2809
4× 4= 16 54×54=2916
5× 5= 25 55×55=3025
6× 6= 36 56×56=3136
7× 7= 49 57×57=3249
8× 8= 64 58×58=3364
9× 9= 81 59×59=3481
10×10= 100 60×60=3600
11×11= 121 61×61=3721
12×12= 144 62×62=3844
13×13= 169 63×63=3969
14×14= 196 64×64=4096
15×15= 225 65×65=4225
16×16= 256 66×66=4356
17×17= 289 67×67=4489
18×18= 324 68×68=4624
19×19= 361 69×69=4761
20×20= 400 70×70=4900
21×21= 441 71×71=5041
22×22= 484 72×72=5184
23×23= 529 73×73=5329
24×24= 576 74×74=5476
25×25= 625 75×75=5625
26×26= 676 76×76=5776
27×27= 729 77×77=5929
28×28= 784 78×78=6084
29×29= 841 79×79=6241
30×30= 900 80×80=6400
31×31= 961 81×81=6561
32×32=1024 82×82=6724
33×33=1089 83×83=6889
34×34=1156 84×84=7056
35×35=1225 85×85=7225
36×36=1296 86×86=7396
37×37=1369 87×87=7569
38×38=1444 88×88=7744
39×39=1521 89×89=7921
40×40=1600 90×90=8100
41×41=1681 91×91=8281
42×42=1764 92×92=8464
43×43=1849 93×93=8649
44×44=1936 94×94=8836
45×45=2025 95×95=9025
46×46=2116 96×96=9216
47×47=2209 97×97=9409
48×48=2304 98×98=9604
49×49=2401 99×99=9801
50×50=2500 100×100=10000
お気づきの通り、この左右2列に並んだ2乗の数、下二桁の数が同じです。
横に並んだ同士、数は50異なるわけですが、
50異なる2つの数の2乗の下二桁は同じ
となるのです。
となると、少なくとも50までの数の2乗を覚えてしまえば、
51から99までの2乗は、半分は覚えた同じ、と言えます。(ちょっと苦しいですが)
つまり 例えば、31×31=961 と覚えたなら、
31 に 50 を足した 81×81 は 少なくとも 「XX61」 と判ります。
80×80 は 6400 だから 6461 か、6561 あたりだ、と推測。
80×81 は 6480 だから、6461 はなく、6561、という感じです。
この気付きだけでも暗記のためには価値がありますが、話はこれだけでは終わりません。
さらに、25×25=625 を中心として 上下に一つずつ移動しながら、二つの数の2乗の数の下二桁を比較してみて下さい。
これも同じ数になっています。
つまり、0から24までの2乗の数の下二桁の数に現れた数は、25を境として
26から50までの2乗の数の下二桁に逆順に現れる、ということなんです。
まるで、25の地点で鏡に写したかのごとくです。
これは、前回20台の数の2乗のグループの中での特徴として指摘しましたが、実はその外側にも広がっている話だったのです。
視覚的に確認しやすいように、25から後半を逆順に並べてみます。
↓
0 × 0 = 0 50 × 50 = 2500
1 × 1 = 1 49 × 49 = 2401
2 × 2 = 4 48 × 48 = 2304
3 × 3 = 9 47 × 47 = 2209
4 × 4 = 16 46 × 46 = 2116
5 × 5 = 25 45 × 45 = 2025
6 × 6 = 36 44 × 44 = 1936
7 × 7 = 49 43 × 43 = 1849
8 × 8 = 64 42 × 42 = 1764
9 × 9 = 81 41 × 41 = 1681
10 × 10 = 100 40 × 40 = 1600
11 × 11 = 121 39 × 39 = 1521
12 × 12 = 144 38 × 38 = 1444
13 × 13 = 169 37 × 37 = 1369
14 × 14 = 196 36 × 36 = 1296
15 × 15 = 225 35 × 35 = 1225
16 × 16 = 256 34 × 34 = 1156
17 × 17 = 289 33 × 33 = 1089
18 × 18 = 324 32 × 32 = 1024
19 × 19 = 361 31 × 31 = 961
20 × 20 = 400 30 × 30 = 900
21 × 21 = 441 29 × 29 = 841
22 × 22 = 484 28 × 28 = 784
23 × 23 = 529 27 × 27 = 729
24 × 24 = 576 26 × 26 = 676
25 × 25 = 625 同じ数が逆順で並ぶ↑
以上の様に、確かに25で反転し、順番が逆になり同じ数が並んでいます。
ではこの数字の並びの2つの特徴に関し、何故そのようなことが言えるのか、数式で一般化してみましょう。
まず一つ目、「50の差がある2つの2桁の整数の2乗は、下二桁が同じ」ということですが、
以下の通り考えます。
2つの数の、小さい方を a 、大きい方を a+50 とします。(aは49以下の自然数)
この二つの数の2乗の数の大きい方から小さい方を引きます。
(a+50)×(a+50)-a×a
=(a^2+100a+2500)-a^2)
=100a+2500
=100(a+25) となります。
つまり、100の倍数となりました。
2数の一方からもう一方を引き算したら百の倍数、すなわち下二桁が00になるということは、
元々の数の2つの数の下2桁は等しかった、ということになります。
次に、「25で反転し同じ下2桁の数が逆順で現れる」というのはどうでしょうか。
(ここでは、0から50までの数に限定して考えます)
これは言い換えると、「25から等距離にある2つの整数の2乗の数は、下二桁が同じ」
となります。
そこで、この25を挟んだ数の、小さい方を 25-a 、大きい方を 25+a とします。
(aは24以下の自然数)
先程と同様、この二つの数の2乗の数の大きい方から小さい方を引き算します。
(25+a)×(25+a)-(25-a)×(25-a)
=(625+50a+a^2)-(625-50a+a^2)
=100a
となり、これも100の倍数です。
つまり、この場合も、もともとの2つの数の下二桁の数は等しいということになります。
。。。意外な事実でしたね。
以上、2つの法則を再確認します。
「25から等距離にある2つの整数の2乗の数は、下二桁が同じ」
「50の差がある2つの2桁の整数の2乗の数は、下二桁が同じ」
この二つの法則を統合いたしますと、
0から25までの2乗の数の下二桁に現れた数は、25から50までに逆順に現れ、
さらに、50から75までに再度同じ順番で現れ、再び75から100まで逆順に現れる
と言えます。
つまり、2乗の数の下二桁の数のパターンは、0から25 までに全て現れてしまうのです。
26以降、違う数は出てきません。
ここで暗記の話に戻りますが、先ほど2乗の数は50まで覚えれば、51から99までは
半分覚えたも同じ、という言い方をしました。
ところが、26から50までの2乗の下二桁も、0から25まで場合の繰り返しだとしたならば、
暗記する2乗の数はさらに半分で済むわけです。
ただし、逆順に現れる数字の対応関係のつかみ方に慣れる必要もありますし、百の位、千の位は依然不明です。
そこで、もう一歩踏み込んで、何か上手な形で1から25までの2乗の数を使って、
それ以降(26以降)の2乗の数を導き出す方法がないものか、考えてみましょう。
ここで、論を進める前に、「2乗の数の下二桁が同じとなる数のグループ」について考察を深めておきます。
これもまた、具体的に数字を並べてみましょう。
整数を2乗した場合の下二桁の数 と 対応する0から100までの数
2乗の下二桁 対応する100までの数(その2乗)
00: 0( 0) 50(2500) 100(10000)
01: 1( 1) 49(2401) 51(2601) 99(9801)
04: 2( 4) 48(2304) 52(2704) 98(9604)
09: 3( 9) 47(2209) 53(2809) 97(9409)
16: 4( 16) 46(2116) 54(2916) 96(9216)
25: 5( 25) 45(2025) 55(3025) 95(9025)
36: 6( 36) 44(1936) 56(3136) 94(8836)
49: 7( 49) 43(1849) 57(3249) 93(8649)
64: 8( 64) 42(1764) 58(3364) 92(8464)
81: 9( 81) 41(1681) 59(3481) 91(8281)
00: 10(100) 40(1600) 60(3600) 90(8100)
21: 11(121) 39(1521) 61(3721) 89(7921)
44: 12(144) 38(1444) 62(3844) 88(7744)
69: 13(169) 37(1369) 63(3969) 87(7569)
96: 14(196) 36(1296) 64(4096) 86(7396)
25: 15(225) 35(1225) 65(4225) 85(7225)
56: 16(256) 34(1156) 66(4356) 84(7056)
89: 17(289) 33(1089) 67(4489) 83(6889)
24: 18(324) 32(1024) 68(4624) 82(6724)
61: 19(361) 31( 961) 69(4761) 81(6561)
00: 20(400) 30( 900) 70(4900) 80(6400)
41: 21(441) 29( 841) 71(5041) 79(6241)
84: 22(484) 28( 784) 72(5184) 78(6084)
29: 23(529) 27( 729) 73(5329) 77(5929)
76: 24(576) 26( 676) 74(5476) 76(5776)
25: 25(625) 75(5625)
(列1) (列2) (列3) (列4)
<<観察>>
(列1の数)+(列2の数)= 50
(列1の数)+ 50 = (列3の数) (列2の数)+ 50 = (列4の数)
(列1の数)+(列4の数)= 100
(ちょっと上記の関係を確認してから次に進んで下さい。)
上記に観察できます通り、2乗すると下二桁の数が同じとなる数のグループは基本的には4つの数で構成されます。
これは、0から25までの2乗の下二桁に現れた数が、以後3回、逆順、正順、逆順と現れる、
すなわちトータル4回現れますので、その様になります。
ただし、00と25については、該当する数字の数だけを言えば4つ以上になります。
これは5の倍数と10の倍数の特性によるものですが、上記の表では便宜的に分けて表示しています。
2乗計算の即算法では、この4つの数のうち、最もも小さい数、すなわち「0から25までの数」の2乗
を使いたかったわけです。
上記の表で見るならば、ある数字を考えた時に、その数が属しているグループの中で一番左側の数が判ればよい。
これを先ずは想起したい。
その計算法を考えます。
そこでまず、2乗をすると下二桁が同じ数になる2つの数、これにはどういう性質があったか。
ここから入ります。(2つ挙げましたね)
順序は前後しますが、先ず「25から等距離にある」ということが一つありました。
「25から等距離。。」といっても判りにくいですので、言い換えを一回しておきます。
2乗をすると下二桁が同じ数になる2数があり、それぞれ a,b(a>b)とします。
また、bは25以下であり、数aが与えられた場合、求めたい数とします。
その2数の25からの距離が等しかった場合、 25-a=b-25
よって a+b=50
つまり、2数の合計が50になる時、それぞれの2乗の数の下二桁は等しくなります。
よって、元の数をaに対し、2乗すると下二桁が同じとなる数 b は b=50-a の関係が成り立ちます。
また、bは25以下ですので、b=<25 より、
50-a =< 25
25 =< a
すなわち a は25以上、
また、bは0以上であるため、0=<b
これより 0 =< 50-a
a =< 50
すなわち a は 50 以下
よって、元の数が25以上50以下の時、
2乗すると下二桁が同じとなる数は (50-元の数) で求められます。
では次に、「50の差がある数」という性質から考えを展開します。
同じく、2乗をすると下二桁が同じ数になる2数があり、それぞれ a,b(a>b)とします。
この2数の場合は、「50の差」があることとします。
よって b=a-50
bは25以下より、b=<25、
よって a-50 =< 25
a =< 75
すなわち a は75以下
また、bは0以上であるため、0=<b
これより 0 =< a-50
50 =< a
すなわち a は 50 以上
よって、元の数が50以上75以上の時、
2乗すると下二桁が同じとなる25以下の数は (元の数-50) となります。
ここで、2乗すると下二桁が同じとなる25以下の数の導き方が2通り出てきました。
元の数a が 25以上50以下だったら 50-a
元の数a が 50以上75以下だったら a-50
何やら50より小さければ50から引き、50より大きければ50を引く、というこ
とですね。
ここで一旦、例を出して確認し、それから次に行きましょう
27の場合 50-27 = 23
68の場合 68-50 = 18
確かめます 27×27= 729、 23×23= 529、 下二桁は29で同じ
68×68=4624、 18×18= 324、 下二桁は24で同じ
では次に、上記の場合から外れた範囲、元の数が 75以上(100以下)となった場合、どのように計算するのでしょうか。
元の数aが75以上の場合、a-50 は aと2乗した場合下二桁同じになりますが、25 以下にはなりません。
ただし、さらに計算して、50から(a-50)を引いた数b これは25以下になると同時に、もとの数aとも2乗した場合に下二桁が同じ数になります。
すなわち b=50-(a-50)
=100-a
よって、元の数が75以上100以下の時、
2乗すると下二桁が同じとなる25以下の数は (100-元の数) です。
100から引く、ですね。。。
例をあげると、88の場合、100-88 で 12 となります。
これも確かめます: 88×88= 7744、 12×12= 144、 下二桁は44で同じ!
正しいですね。
これで「2乗すると下二桁が同じとなる25以下の数の求め方」が全て揃いました。
元の数a が
25以上 50以下だったら 50-a
50以上 75以下だったら a-50
75以上100以下だったら 100-a
そこで次回は いよいよこの求め方を用いた2乗の数の計算方法に入ります。