前々回、不思議な感じがする掛け算として例題を挙げました。
この例題ですが、そもそもどのようにして問題を選んだかというと、
100台同士の掛け算のなかで、
1. 下二桁同士の掛け算の積 が そのまま積の下4桁 になる。
2. かつ、下一桁同士の積 も そのまま下二桁の数 になる。
というものでした。
例えば、例に挙げた 122 × 178 なら、
下二桁同士の掛け算 22×78 の積 は 1716
ですが、これはそのまま
122 × 178 の積の下四桁 になります。
すなわち 21716
これは、掛ける数、掛けられる数の 下二桁の合計 が 100
の場合にその様になります。
22+78= 100 。。。です。
つまり、基準値100、差分との合計は 200、これに 基準値 100 を掛けると
20000 となります。よってこれに 差分の積 を加える際、
そのまま下四桁にあてることが出来る、ということです。(。。。)
122 × 178 = (100+22+78)×100 + 22×78
= 200 ×100 + 22×78
= 20000 + 1716
また、「かつ、下一桁同士の積 も そのまま下二桁の数 になる」 というのは、
下一桁同士の積 2 × 8 = 16 ⇒ 21716 の下二桁
ということです。
これも、こうなっていると下二桁同士の掛け算をするときに簡単だろうと考えたわけです。
それで、どういう二桁掛け算がそうなるのか、というと「クロス掛け算」でいうところの
クロスが10の倍数の場合です。
すなわち、計算式の 内側の数同士の積 + 外側の数同士の積 これが10の倍数に
なっていた場合、下一桁同士の積が その計算の積の下二桁になります。
22×78 = (2×7+2×8)×10 + 20×70 + 2×8
= 30 × 10 + 1400 + 16
↑10の倍数
= 300 + 1400 + 16
= 1716
ということで、この2つの条件を満たしていれば、100との差分を使って計算する方法の
練習問題としては、計算もしやすく、とっかかりとしては良いだろうと考えたわけです。
そして実際その条件に当てはまる式を絞り込んだところ、
122 × 178 = 21716
124 × 176 = 21824
126 × 174 = 21924
128 × 172 = 22016
この4つが綺麗に並んだんです。うーむ。。。
下二桁を足すと合計が 100 になるというのは 101×199 から 150×150 まで、
前後を逆にする場合をカウントしないとすると、50 通りあります。
そのうち、クロスが10の倍数になるというのは、この2つ飛びの4通りと、110×190
などのそもそも10の倍数の計算、これ以外にありませんでした。
110 × 190 = 20900
120 × 180 = 21600
122 × 178 = 21716
124 × 176 = 21824
126 × 174 = 21924
128 × 172 = 22016
130 × 170 = 22100
140 × 160 = 22400
150 × 150 = 22500
この条件を満たす式が、120台の掛け算に集中しており、かつ二つ飛び、
というのが何かやたら不思議に思えました。
そもそも、クロスの計算の仕方など、それぞれバラバラに見えます。
22×78 → 2×7 + 8×2 = 14 + 16 = 30
24×76 → 4×7 + 6×2 = 28 + 12 = 40
26×74 → 6×7 + 4×2 = 42 + 8 = 50
28×72 → 8×7 + 2×2 = 56 + 4 = 60
しかし、すべて綺麗に10の倍数になります。
どこで、どうやって調整されるのだろう? という感じです。
この様な条件を満たす式が、120台のみ、しかも偶数の場合だけなのは、何故なのか?
考えるのは止めようと思いましたが、やっぱり、考えてしまいました。
上記の条件を満たす下二桁同士の掛け算、すなわち2桁の数同士の掛け算を考えます。
上記の条件とは
掛けられる数と掛ける掛ける数の合計が100 であることと、
両者の内側の数同士の積と外側の数同士の積の和 が10 の倍数であること
です。
そこで、掛けられる数と掛ける数を入れ替えれば同じ計算とみなすので、
掛けられる数 を 50 以下の整数とし、10a+b とします。
ここで、 a は 0 から 4 までの整数 または 5 とし、
b は a が 4 以下の場合、0 から 9 までの整数、
a が 5 の場合、0 とします。
掛ける数と掛けられる数は合計すると 100 であることから、
掛けられる数は 10(9-a)+10-b と表わすことが出来る。
よって、 (10a+b)×(10(9-a)+10-b) という計算において、
下二桁同士の積 b×(10-b)がそのまま全体の積の下二桁になるためには、
b×(9-a)+ a×(10-b) が 10の倍数となれば良い。
この数をCと置き、展開すると
C = b×(9-a)+ a×(10-b)
= 9b - ab + 10a - ab
= 10a + 9b - 2ab
= 10a + b(9-2a)
ここで、10a は 10の倍数 であることより
b×(9-2a) が 0 または、10の倍数であれば、C は 10の倍数
ここで場合分けを行う
(1)b×(9-2a) が 0 であるとき
9-2a は 0 たりえないので、b=0
よって b=0 の時 C は10の倍数 ・・・(1)
(2)b×(9-2a) が 0 でないとき
10の倍数 は 9 以下の整数によって、
5×(偶数) または (偶数)×5 と表わせるから、
b=5 かつ 9-2a が 偶数、
または、
bが偶数 かつ 9-2a = 5 であること
が C が10の倍数であることの条件。
ここで、9-2a は奇数であることから、前者の条件は成立せず、
b が 5 の場合、Cは10の倍数とはならない。
また、後者の条件より、b は 偶数たりえる一方、
9-2a=5 より
2a=4
a=2
よって、b が偶数 かつ a=2 のとき C は10の倍数・・・(2)
(1)、(2)を 総合し、この条件を満たす掛けられる数 10a+b とは
bが0の場合、a は 0 から 4 までの整数 または b=0 の場合 5 より
10a+b → 0、10、20、30、40、50
bが偶数の場合、a は 2 に限定され、
10a+b → 22、24、26、28
よって、求められる計算式は
10 × 90 = 900
20 × 80 = 1600
22 × 78 = 1716
24 × 76 = 1824
26 × 74 = 1924
28 × 72 = 2016
30 × 70 = 2100
40 × 60 = 2400
50 × 50 = 2500
以上、9通り。
こういう風に計算すると、きちんと 20台の数の偶数 という形は出てくるんですね。
自分でも、「ふぅーん。。。」と思った次第でした。
ただ、最初に感じた「不思議感」はあまり解消されませんね。
良く分からないけれども、そういうものか、と受け入れる以外ないですね。
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この例題ですが、そもそもどのようにして問題を選んだかというと、
100台同士の掛け算のなかで、
1. 下二桁同士の掛け算の積 が そのまま積の下4桁 になる。
2. かつ、下一桁同士の積 も そのまま下二桁の数 になる。
というものでした。
例えば、例に挙げた 122 × 178 なら、
下二桁同士の掛け算 22×78 の積 は 1716
ですが、これはそのまま
122 × 178 の積の下四桁 になります。
すなわち 21716
これは、掛ける数、掛けられる数の 下二桁の合計 が 100
の場合にその様になります。
22+78= 100 。。。です。
つまり、基準値100、差分との合計は 200、これに 基準値 100 を掛けると
20000 となります。よってこれに 差分の積 を加える際、
そのまま下四桁にあてることが出来る、ということです。(。。。)
122 × 178 = (100+22+78)×100 + 22×78
= 200 ×100 + 22×78
= 20000 + 1716
また、「かつ、下一桁同士の積 も そのまま下二桁の数 になる」 というのは、
下一桁同士の積 2 × 8 = 16 ⇒ 21716 の下二桁
ということです。
これも、こうなっていると下二桁同士の掛け算をするときに簡単だろうと考えたわけです。
それで、どういう二桁掛け算がそうなるのか、というと「クロス掛け算」でいうところの
クロスが10の倍数の場合です。
すなわち、計算式の 内側の数同士の積 + 外側の数同士の積 これが10の倍数に
なっていた場合、下一桁同士の積が その計算の積の下二桁になります。
22×78 = (2×7+2×8)×10 + 20×70 + 2×8
= 30 × 10 + 1400 + 16
↑10の倍数
= 300 + 1400 + 16
= 1716
ということで、この2つの条件を満たしていれば、100との差分を使って計算する方法の
練習問題としては、計算もしやすく、とっかかりとしては良いだろうと考えたわけです。
そして実際その条件に当てはまる式を絞り込んだところ、
122 × 178 = 21716
124 × 176 = 21824
126 × 174 = 21924
128 × 172 = 22016
この4つが綺麗に並んだんです。うーむ。。。
下二桁を足すと合計が 100 になるというのは 101×199 から 150×150 まで、
前後を逆にする場合をカウントしないとすると、50 通りあります。
そのうち、クロスが10の倍数になるというのは、この2つ飛びの4通りと、110×190
などのそもそも10の倍数の計算、これ以外にありませんでした。
110 × 190 = 20900
120 × 180 = 21600
122 × 178 = 21716
124 × 176 = 21824
126 × 174 = 21924
128 × 172 = 22016
130 × 170 = 22100
140 × 160 = 22400
150 × 150 = 22500
この条件を満たす式が、120台の掛け算に集中しており、かつ二つ飛び、
というのが何かやたら不思議に思えました。
そもそも、クロスの計算の仕方など、それぞれバラバラに見えます。
22×78 → 2×7 + 8×2 = 14 + 16 = 30
24×76 → 4×7 + 6×2 = 28 + 12 = 40
26×74 → 6×7 + 4×2 = 42 + 8 = 50
28×72 → 8×7 + 2×2 = 56 + 4 = 60
しかし、すべて綺麗に10の倍数になります。
どこで、どうやって調整されるのだろう? という感じです。
この様な条件を満たす式が、120台のみ、しかも偶数の場合だけなのは、何故なのか?
考えるのは止めようと思いましたが、やっぱり、考えてしまいました。
上記の条件を満たす下二桁同士の掛け算、すなわち2桁の数同士の掛け算を考えます。
上記の条件とは
掛けられる数と掛ける掛ける数の合計が100 であることと、
両者の内側の数同士の積と外側の数同士の積の和 が10 の倍数であること
です。
そこで、掛けられる数と掛ける数を入れ替えれば同じ計算とみなすので、
掛けられる数 を 50 以下の整数とし、10a+b とします。
ここで、 a は 0 から 4 までの整数 または 5 とし、
b は a が 4 以下の場合、0 から 9 までの整数、
a が 5 の場合、0 とします。
掛ける数と掛けられる数は合計すると 100 であることから、
掛けられる数は 10(9-a)+10-b と表わすことが出来る。
よって、 (10a+b)×(10(9-a)+10-b) という計算において、
下二桁同士の積 b×(10-b)がそのまま全体の積の下二桁になるためには、
b×(9-a)+ a×(10-b) が 10の倍数となれば良い。
この数をCと置き、展開すると
C = b×(9-a)+ a×(10-b)
= 9b - ab + 10a - ab
= 10a + 9b - 2ab
= 10a + b(9-2a)
ここで、10a は 10の倍数 であることより
b×(9-2a) が 0 または、10の倍数であれば、C は 10の倍数
ここで場合分けを行う
(1)b×(9-2a) が 0 であるとき
9-2a は 0 たりえないので、b=0
よって b=0 の時 C は10の倍数 ・・・(1)
(2)b×(9-2a) が 0 でないとき
10の倍数 は 9 以下の整数によって、
5×(偶数) または (偶数)×5 と表わせるから、
b=5 かつ 9-2a が 偶数、
または、
bが偶数 かつ 9-2a = 5 であること
が C が10の倍数であることの条件。
ここで、9-2a は奇数であることから、前者の条件は成立せず、
b が 5 の場合、Cは10の倍数とはならない。
また、後者の条件より、b は 偶数たりえる一方、
9-2a=5 より
2a=4
a=2
よって、b が偶数 かつ a=2 のとき C は10の倍数・・・(2)
(1)、(2)を 総合し、この条件を満たす掛けられる数 10a+b とは
bが0の場合、a は 0 から 4 までの整数 または b=0 の場合 5 より
10a+b → 0、10、20、30、40、50
bが偶数の場合、a は 2 に限定され、
10a+b → 22、24、26、28
よって、求められる計算式は
10 × 90 = 900
20 × 80 = 1600
22 × 78 = 1716
24 × 76 = 1824
26 × 74 = 1924
28 × 72 = 2016
30 × 70 = 2100
40 × 60 = 2400
50 × 50 = 2500
以上、9通り。
こういう風に計算すると、きちんと 20台の数の偶数 という形は出てくるんですね。
自分でも、「ふぅーん。。。」と思った次第でした。
ただ、最初に感じた「不思議感」はあまり解消されませんね。
良く分からないけれども、そういうものか、と受け入れる以外ないですね。
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