ねぎノート+

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窓際のトットちゃん 感想

2015-08-24 18:12:43 | 本と雑誌
先日、黒柳徹子さんの出演されているテレビ番組を見ていて、
そういえば、黒柳さんのベストセラー本「窓際のトットちゃん」を読んだことがなかったと思い、調べたら、最近、読みやすくなった新組版の文庫本が出たそうなので、購入して読んでみました。

読んでみて、目からウロコが落ちる気がしました。
トットちゃんが小学一年生で退学し、新しく転入した先の学校の教育方針のあまりの斬新さに驚きました。
教室(校舎)が電車でできているとか、環境もふつうの学校と違うし、校長先生がとても素晴らしい人だと思いました。

私は、トットちゃんとは正反対で、人前でしゃべることができない子でした。自ら人の輪に入ることもせず、どちらかというと、ひとりで空想にふけっていることが多く、おとなしい子と言われていたようです。私もトットちゃんとは違うけど、窓際生活していました。他の子と協調性がないという意味では、問題児だったと思います。

それでも、いつしか一緒に遊んでくれる子が現れ、少しずつ話ができるようになり、なんとか、学校生活をやってきました。
それでも、やはり、ふつうの子と言動が違ったり、考え方が違ったり、動作が遅かったりして、イジメの対象になったり、仲間の中でも何となく疎外感がありました。
私は、自分が他の人とどこが違うのかわからないけど、普通とは違うとは感じたまま育ち、高校まで行って卒業しました。

社会人になって、仕事や人間関係でうまくいかず、心身症を患って、仕事をリタイアし、再起不能かと思った頃、心療内科のデイケアに入れてもらうことになりました。
そこには、私と同じような病気になって、なかなか社会復帰できない人たちが集まっていました。若い人もいたし、私の親くらいの年齢の人もいました。
まずは、生活のリズムを整えるために、週2回から初め、慣れてきたら、毎日通うようになりました。
学校というか、サークルみたいな感じでしょうか。
しんどい日は休んでもいいし、場所はクリニック内にあるので、途中で調子が悪くなったら、スタッフに処置してもらったり、早退することもできました。
プログラムでは、頭や体を使う簡単なレクリェーションや、調理、話し合い、年中行事に合わせたプログラムもあり、例えば、7月は七夕の笹飾りなどを作って、夏は納涼会やそれに関する準備。冬はクリスマスツリーを飾ってクリスマス会。春と秋には、日帰りの小旅行(遠足のような感じ)もありました。
このプログラムは、強制参加ではなく、デイケアに通っていても参加したくない人は、その時間、好きな本を読んだり、パソコンでインターネットを見たり、プログラムに参加している人たちを見学していてもよかったようです。

私は、最初はこのデイケアにも馴染めなかったのですが、スタッフやデイケアのメンバーたちと交流しているうちに、少しずつ対人関係などを学んでこられたような気がします。

今は、そのデイケアの流れから、縁があって、パートタイマーですが、大手企業に就職できました。
未だに対人関係が苦手ではありますが、会社や上司が私の病気やハンディキャップのことを考慮して仕事をフォローしてくれているので、いまのところ、なんとかやっていけてます。
(最近、夏バテ他いろいろあって仕事休みがちですが…)

話が自分のことになってしまいましたが、トットちゃんの本を読んでみて、もし、私がこんな学校に行っていたら、もっと自分に自信を持って、まともな(もしかしたら、それ以上?)の社会人になれていたかも…と思いました。
今の時代、トットちゃんが通っていた学校のような教育現場は実現しにくいと思いますが、この本がベストセラーということは、この本に出てくる学校に共感してくれる人もたくさんいると思うので、いつか、実現するといいと思います。

長くなりましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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