社長ノート

社長が見たこと、聞いたこと、考えたこと、読んだこと、

春秋 日本経済新聞

2016-11-06 15:55:31 | 日記
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 来年1月に退任をひかえたオバマ米大統領の支持率が好調だそうだ。最近の世論調査では55%に達し、2009年の政権発足直後をのぞけば最高の水準に並んでいる、と伝えられている。世界的にみて米国の景気はわりあい好調なので、当たり前といえるかもしれない。
 ただ、本当の理由は別のところにある。そんな声も多い。後継候補たちの不人気こそ現職のオバマさんに追い風となっている、という皮肉な見方だ。実際、オバマさんは同じ民主党のクリントン候補を応援しているのだが、効果はいまひとつ。共和党のトランプ候補と不人気の度合いを競い合うような選挙戦になっている。
 思い浮かぶのは、5月に投票のあったフィリピンの大統領選挙だ。アキノ前大統領は退任するまで高い支持率をほこったけれど、自らの後継に指名したロハス前内相への支持を広げることにはつなげられなかった。選挙戦を制したのは、ご存じドゥテルテ大統領。はからずも「フィリピンのトランプ」と呼ばれる政治家だ。
 8日の米大統領選の投票が迫るにつれ、世界の金融市場は波乱の様相をみせている。日経平均は2日と4日の2営業日で500円以上も下落した。最大の原因は「トランプさんが勝つのではないか」という警戒感が浮上したことだ。あと2日。自分が投票するわけでもないのに、こんなにドキドキする選挙は、記憶にない。