銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

ちひろの絵・その3

2006年09月28日 23時28分56秒 | いわさきちひろ、その人と作品
窓ガラスに絵をかく少女
1968年
絵本 “ あめのひのおるすばん ”



水色の雨をなぞっていたら、
 
        青がうまれて

薄紅色の雨をなぞっていたら、

        紫がうまれたよ

そうしてここにたくさんの滴が流れ着いて、

わたしはひとつの、大きな雨になった



あの日のてるてる坊主、どこに行ったかな

わたしを思い出して、今、ここにいるのかな



さっきから左手がきゅっとなって

わたしの心が海に流れるみたい

そう

母さんの帰りを待っている

昔のわたしのように



雨がね

また小川にうまれかわるのは

窓にこの手紙を

とどけるからなの