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インド洋の涙スリランカ、オッサン心の旅(ポロンナルワ~アヌラーダプラ…熱帯の尾瀬)

2016年03月31日 | インド洋の涙スリランカ、オッサン心の旅
(写真は湿原のような景色の中を走るバスから撮りました。)



解脱(酒脱)すると、朝は早く起きるものだ。
まだ、暗いうちから目が覚めた。

外には田圃ばかりで障害物がないから、遠くの道を走る車の音、鳥の声が聞こえる。


こういう時にこそ座禅でも組んで、瞑想すればよいのだが、ガラにもないことはできない。

朝から腹が減ってしまい、辛し入りのビスケットをかじった。
朝から、こんなに空腹感を感じるのは久しぶりである。

徐々に明るくなってきて、沸かした紅茶をテラスで飲んだ。



嗚呼!、Time goes by slowly!

いつもは朝の5分、10分なんて慌ただしくて、追い立てられるようで、アッという間なんだけどなぁ…。
これも、瞑想ってやつなんだろうか?



まあ、俺には似合わない所業であるが、ポロンナルワだからこそ自然にそうなってしまったのだった。



まだ、早かったけど外に出てみた。
といっても、宿のまわりだ。



朝食はなんだったか、忘れてしまった。
農家でありながら、意外にトーストにペインオムレツ、フルーツ、コーヒーだったような?
(もう、徐々に記憶が薄れてきている。
早く書いてしまわなければと思う。)

早々に出発支度をして、チェックアウトした。


宿のご主人と俺

今日は紀元前から栄えた都アヌラーダプラへ行くのである。
まずは、パス停へいく。
色々なバスがやってきて、どの番号のバスに乗ったらいいかわからないので、その辺の人たちに聞いた。


ポロンナルワの人は親切で、そのバスが遠方から来ると
「あれだ、あれだ。」
と指さしてくれる。
俺には、遠くて、まだ番号が良く見えない。

それ以外のまわりの人も、
「そうだ、そうだ。」
と指さしてくれるのだった。



バスは余裕で座れた。
前の出入り口の最前列席である。
快適な音楽を聴きながら、路線バスの旅は絶好調だった。







バスは坂道を登ったり降ったりしながら、突然に平らな場所にでると、広い広い湿原になった。




ポロンナルワ~アヌラーダプラ間の路線バスの旅は、
巨大な湿原の中の一本道を走る路線バスの旅
である。

もしかすると湿原ではなく、人口の池なのかもしれないが、とにかく、周り中が巨大な湿原のようにみえる。
これは熱帯の尾瀬である。



実は、この景色が本当に素晴らしくて、記録に残したかった。

一番カメラで動画を長く撮ったのだが、全く撮れていなかった。



(こうして、帰国してから考えて調べてみた。
すると、カメラの動画をとった直後は、SWをすぐ切ってはいけないことが解った。
撮った動画を保存する時間が必要だったようだ。
カメラが覚えるためにはチョット時間がかかったのだ。
だが、女房から借りたカメラだというのに、説明書もろくに見ず、動画を撮ってはすぐSWを切っていたのだった。)


景色は、右を見ても、左を見ても白い蓮の咲く美しい湿地が、どこまでもずっと続く。



それに空は青空だったから、その青が湿原に映えた。
バスのドアは常時開けっぱなしだから、湿原の爽やかな風が入ってきて全く暑くなかった。

独特のスリランカの音楽を聴きながら、バスはドンドン加速し、他車を追い抜いていく。




時々、とまるところにはバスのマークの立て看板がたててあり、大抵、露店がでていた。
お菓子、果物、サンダルなどだ。
楽しい路線バスの旅には、お菓子が必需品なのだ。


袋物のポテトチップスやポップコーンの陳列の仕方が変わっていた。




この湿原の中には巨大魚もいそうだ。


植木鉢を作っている工場

バスはアヌラーダプラ・マーケットのバス停に着いた。
例によって、車掌が「ここだよ」と教えてくれた。


(Google Map 画像より)

アヌラーダプラには大きなバスターミナルが2つある。
俺が予約した宿は、別のバスターミナルのすぐそばだ。

だから、宿に行くには2kmちょっとで、徒歩30分はかかる。
歩いてもいいのだが、今日は宿に着いたら、すぐミヒンターレというスリランカ仏教の聖地に行く予定だったから、体力は温存しておきたかった。
それに、宿を探すのも面倒である。

そこで、初めてタクシーにのった。
車はトヨタのプリウスだった。
宿までRs.200である。
良心的な値段だ。

ただ、今日一日、タクシーに載って観光しないかと勧められた。
彼らも生活がかかっているから仕方がないのだが、シツコイのは困った。



目的地に着いた。
タクシーの運転手は、ココの建物と建物の間の幅2mほどの路地の奥にあるというのだが、
本当かよ?嘘だろう?
と思うような路地である。



20mほど奥に突然広い空き地があり、目の前に建築途中の4階建てのビルがあるのだが、まさか、この建築途中の建物だとは思わなかった。

だが、ホテルの名前が書かれた張り紙が工事現場のような剥き出しコンクリート造りの階段に貼ってあったのだ。

矢印が階段の上に向いていた。

一応、階段があって登ってみたが、2階も工事中のような感じであった。
剥き出しの鉄骨があったりする。
しかも、誰もいない。



3階にあがってみるとカーテンで仕切られた作業場のようなものがある。
だが、誰もいない。

もっと階段を上がっていけるところまで行ってみることにした。
きっと誰かいるだろうから、聞いてみようと思った。

4階はテラスがあって、テーブルがおいてあり、部屋のドアらしきものが並んで、明らかに宿泊施設なのである。
誰かいないか、声を出して呼んでみた。

すると、3階から上がってきた背の高い大きな人が宿の主人であった。



(写真はGoogle Map より借りました。表通りからみると結構大きい。)

まさに、建築途中のビルではあるが、宿を始めていたのであった。
1階は、すでにお店が入っている。
2階~3階は建築中で、4階はホテルとしてほぼできているのだ。

というか、スリランカの家は、いつも建築中という建物が実に多い。
おそらく、お金を貯めながら徐々に作り上げていくのだろう。
お金のある時に、家をつぎ足し、つぎ足し、作り上げていく方式なのだと思う。

俺の部屋は綺麗だったし、4階だから眺めも抜群である。
ただ、建物が建築中というビックリポンで、ある意味アートでシュールなホテルなのである。

俺はこの宿を
ホテル「工事現場」
と呼ぶことにした。

御主人と、俺の下手くそ英語を駆使して、いろいろ話しているうちに、
「この人はいい人だな」
と直感した。

(つづく)



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