武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

心に響く "もの" と、物事が響く "心"

2023年07月11日 | 武道の心
最近、ユーチューブ・ミュージックというインターネットのサービスをよく利用しています。

ご存じの方も多いと思いますが、ユーチューブミュージックというのは、動画投稿サイトで有名なユーチューブ(Youtube)が提供する音楽配信サービスです。

その他にも、ラジオやCDなどを車の中でも聞いていますが、いいタイミングで自分の心情に合った、その時の気持にぴったりの曲が流れたりすると、しばし聞き込んでしまい、自宅についても曲が終わるまで車から離れられず、聞き終えてから車のエンジンを切る、なんてこともしばしば。


元々はそれほど音楽を聴きこんだということはありませんが、それでも若い頃には、洋楽のヘビーメタルなどの激しい音楽を聴いてみたかと思えば、「大阪で生まれた女」などの日本のフォークソングを聞いてみたり、スティービーワンダーやライオネルリッチー、カルチャークラブやシンディローパー、クイーンやヴァンへイレンなど、1980年代にはいろいろな洋楽を聞いていたという覚えがあります。

またある時期には、古めのジャズやオールディーズ、ピアノの曲や南米系のカントリーミュージックなどを聞いていた時期もありました。


50才を過ぎてから何気なく手にしたウクレレを見よう見まねで奏でるようになり、その後、娘の習い事に付き合う形で、最近はバイオリンを娘と一緒に習い始めたこともあり、最近はよくクラシック音楽なども聞くようになりました。

ヴァイオリン系のクラシックを聴く一方で、いろんなジャンルの曲をこだわりなく聞いていますが、最近は色々な曲に交じってレゲエ音楽なども聴いています。

日本のレゲエの曲は本場のジャマイカとは異なり、歌詞の内容やそのビジュアル的な部分では、あまり健全ではない印象を与える内容もありますが、その曲から感じる一種のソウル(魂)的な部分が、心に響いてくるところがとても心地よく感じています。

音楽だけに限らず、本を読んでいて心に深く感じ入る部分があったり、映画やドラマ、もしくはドキュメンタリー番組などを見ていても、心にジーンと感じ入るものがあり、その心に響くもののジャンルが広がってくると、自分の人としての幅が、また人生の幅広がったようにも感じることあができ、とても大きな満足感が心に残るものです。



さて、道場関連の話になりますが、稽古の中でも、”心に響くもの” という部分をとても大切にしています。


これは私自身が稽古や試合を通して、これまでに感じてきた精神的な感性が大きく影響していますが、日々の厳しい稽古を続けていく中で感じてきたこと、戦いの中で、精神的にぎりぎりのところで踏ん張って戦っていた時に感じていた心の感覚の部分を大切にしています。

稽古の中で、その感性の大切な部分をなるべくわかりやすく、稽古生に負担のない範囲で感覚的に感じていただけることを大切にしながら稽古を行っているつもりです。


今現在では、幼年部のクラスでも、少年部のクラスでも、中学生や高校生、大人のそれぞれの年代の方々に合わせた稽古ができているのは、私自身が長い期間に渡り、数多くの様々な年代の方々と稽古を通して触れ合ってきた中で、色々と試行錯誤を繰り返すことができた、ということが大きく影響しています。

しかし、稽古を続けていて感じることは、どの年代の方でも、稽古の中での雰囲気や稽古指導で話す言葉が、その心に響く方と響かない方がおられるものです。


武道の稽古では、特に私の指導する道場では、その感性の部分を大切にしているため、心に響いていない方は見ればすぐにわかるものです。

見学に来られた方であったとしても、響いている方と響いていない方というものはある程度は感じられるものですが、人の表情には難しい部分もあり、稽古生でなければ、判断が難しい部分があるのも事実です。

元々の自分の考え方やモノの見方を変えることができない方、何事にも批判的な見方をする方、自分に甘い方や、考え方の甘い方など。

こうした方は、武道に限らず何事にも新しい事柄を学ぶことは、とても難しくなるかもしれません。



稽古の内容が心に響いた方にとっては、この道場はとても良い空間になることでしょう。

道場の稽古を見学されて、感覚的に響くものがあったとすれば、それはもう十分に、その道場で稽古をする ”素質がある” ものだと私は考えていますので、自信をもって、心で感じた感覚を大切にしていただきたいと思います。


逆に、日々の稽古の雰囲気や指導者の話が心に響かなかった方には、日々の稽古が少しずつきつく感じることになり、次第に稽古を継続することが難しくなってくると思います。


支部内のある稽古生が、他の道場に出稽古に行った際、「何だかオーラがない・・」ということで、「とても続けられない・・」という話をされていました。

また、支部内の道場で長年稽古をした後、道場を後にして自分の国に帰国した方が、自分の国で道場を持ち、指導者として活動をされていますが、その方が、「森先生スピリット」ということを語ってくれていたと聞きます。


普段の稽古の後には、連絡事項の連絡と合わせて時に色々な話をしていますが、話が心に響いていない方は、その目が曇ったようになっているか、その視線と気持ちがどこか遠いところに向いていて、そうした方は大切な部分が身につかずに、なかなか上達に時間がかかるということが多々あります。

幼少年部や中学部の子達であれば、そうした話を聞く姿勢から厳しく指導していきますが、大人の稽古生になると、なかなか精神的な部分には気を使ってしまい、厳しく指摘することはできませんが、少しずつ理解いただけるように心がけています。


日々の稽古の中に、心に響くものがあれば、技能がより向上し、気持が充実し、この道場という場が自分を磨くための、よりよき場になりえます。

そうした場は、道場以外にもたくさんあると思いますが、武道家は ’武の道’ で、いわゆる道場で響きあう影響を、お互いに与えあえるとよいと思います。


また、影響を受けるだけではなく、自分自身が周りに影響を与える響きを持つことが大切。



何歳になったとしても、自分の心に強く響くものを、何か一つ、持てるように心がけましょう。

できれば、一つだけではなく、いくつかのジャンルで、それぞれに自分の心に響く何かを持つことは、自分の人生の幅を広げ、生きていく上での正しい認識や、正しい判断力につながっているものと感じています。


また、多くのいろいろな物事が響くような、自分の心の感性というものを、普段から高めておくこと。

そして、幅広く色々なことに興味を持ち、多くの学びを通して、多くの色々な方々の話や様々な出来事、また写真や映像、音楽などの文化的なものでも、心に響く多くのものが持てるように。

そうした心がけが、意欲的で前向きにな気持が、自分自身の人生をより良いものにするとともに、より良い世の中を作るための一助にもなるものと考えます。



何らかの曲を聴いては、

  「ああ、いい曲が聞けて気持がいい!」


今日読んだ本などで、

  「いい言葉に出会えた!」


いい映画や番組を見ては、

  「いい内容だったな~!」、


などと、前向きで心に響く思いの積み重ねが、より良い人生には大切であり、

そんな小さな、ほんのちょっとした出来事が、自分の人生の大きな財産になっていると感じる。



そして、

  「ああ、今日も厳しかったけど、体も痛いけど、いい稽古ができたぞ!」

そんな想いができているうちが、武道家としての花であり、

また、そうした前向きな気持ちで、どのような稽古でも終えることができる力が養えている、とすれば、

ある意味で、武道家としては一人前なのではないか、と感じています。



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