武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

今年の全日本北斗旗選手権大会について

2021年05月23日 | 大会記録
今大会の試合の模様や支部の選手達の戦いは、また次の機会に回しますが、今回は本大会の開催趣旨に関して、私の思うことを語ってみたいと思います。

東京都をはじめとする、感染拡大が収まらないいくつかの地域で緊急事態宣言が発令され、その他の地域でも蔓延防止重点措置が施されている地域があり、ここ神奈川の我が支部の地域もそうした措置の該当地域に当たります。

そんな中、青森県にて大道塾の全国大会である「北斗旗全日本選手権大会」が開催されました。

2年ぶりとなる今回の全国大会の開催は、今年の4月にご逝去された東塾長の強い想いでもあったそうですが、結果的に、無事に大会が開催され、良い戦いが多く見られたと思います。

今大会は緊急事態宣言の影響により、会場が仙台から青森に変更になり、日程も一週間ほど変更になり、大会の出場者数が当初の申込人数から大幅に減ってしまうなど運営者側にとってはいろいろと大変な状況であったであろうことがうかがえますが、それでも選手や関係者が全国から多く集まり、大きな事故もなく無事に大会を終えることができたことは大変に喜ばしいことだと思います。この時期に大会を開催していただいた主催者側には心から感謝いたします。



しかし本大会の趣旨が、東塾長の追悼大会という意味合いがあるということを大会運営委員長から聞いている私としては、少し寂しく感ることも多くあり、その点はとても残念でなりません。


選手自身が「自分だけ」、、保護者が「自分の子供だけ」、、支部の関係者や指導者が「自分の支部だけ」、、また「自分の支部の選手だけ」、、という思いで大会に臨んでいる人たちのなんと多いこと。。。


自分が大会で活躍できるように頑張ること、自分の子を応援する事、自分の支部の仲間を応援することは、ごくごく当たり前のことではありますが、審判員として大会の会場で、大会を見守っていた私には何かとても大きな違和感を感じてしまうことが多くありました。

今大会は、団体のトップがお亡くなりになった後の最初の大会であり、団体として皆が団結すべきとても重要な大会という位置づけであると考えると、どうにも物足りず、気持ちがくすぶる思いがします。


支部の責任者の方々は、お互いに久しぶりの出会いを懐かしむ気持ちで交流を深めておられる方が多くおられます。


選手同士も、仲の良い実力のある常連の選手たちは互いに試合の前後に会話を交わし、交流を深めている様子がみられ、とても微笑ましく思えます。

また各支部の子供たちや保護者の方々も、地元から、また遠方から会場に来られた方々が支部同士でかたまり、仲良く大会に来たことを楽しんでいる様子ですが、、、、


今大会には遠くは中部や関西地区、また九州地方から参加している方々もおり、本州最北端の青森という土地に初めて足を踏み入れる方々も多かったはず。

かくいう私自身も仙台より北の地方に出向くのは生まれて初めてです。


さてさて、

そんな遠方から本州の北の果ての青森県に、大道塾の全国大会に出場するために足を運んでみて、各支部同士で交流を育めたかどうかといえば、ずいぶんと疑わしい限りです。

支部同士は対抗心むき出しで、自分の支部の選手が負けると不満をぶちまけ、審判員を声高に批判するかと思えば、自分の仲間が勝つと対戦した選手ばかりか、その保護者の言動にまで悪口を言って、自分の支部の仲間だけで小さくかたまり、周りを敵と見るばかりの厳しい視線と保護者や関係者の方々の思いやりのない言葉を聞くにつけ、「追悼」という言葉の意味は何だろうかと考え込んでしまいます。

全国大会は過去に仙台や東京、名古屋でも開催されていますが、もしかすると、どの地区の方も、遠方に出向いた時に同じ思いを抱いているのかもしれないと考えると、大道塾の大会のありかた、もしくはこういう大会という戦いの場でしか支部間の交流を育む機会のない団体の在り方自体、問われるものがあるように感じています。


また、本大会に出場して懸命に戦っている選手たちを見る中で、試合に出る前にもう少し学ぶべきことがあるのではないかと思われる選手が多くたとこも、私にとってはとても残念に思われることの一つです。


「道着の着こなしは、武道家のたしなみである」

と考える私にとって、道着をまともに着こなせていない選手が多数いることはとても悲しむべきことです。

試合前からズボンの紐や帯がだらんとしていたり、試合中にズボンの紐が緩み、試合途中で試合を中断され紐を結んでいる姿は、とても全国大会に出場する選手としては、悲しくみっともない姿です。


また。大会に出場する前に、せめて「礼法」は身に着けてもらいたい。


大道塾の試合の礼法には、試合のコート外で、気を付けの姿勢で行う黙礼と、コートの中で、不動立ちの姿勢で手で十字を切り「押忍」の言葉を発する十字の礼法がありますが、試合の作法であるはずのこうした礼法を全く理解できていない、もしくはまったく知らない選手が数多く大会に出場にしており、そうした選手たちの試合の前後の姿が、大会の品位を物凄く下げてしまっています。


また、礼法の動作としての作法だけではなく、心の部分で礼法の意義を考えてもらいたい。

心のない礼法は、見る人によっては、その礼に「心」の無きことが、その礼にはかたちをまねただけの、形ばかりのまったく意味のない礼法であることがはっきりと映し出されるものです。


また一方で、他の武道団体での経験があるからと、大道塾でのキャリアが全くない、そしてこの競技ルールで戦うための最低限の技術すらない選手を、大道塾の全国大会という場には出場させないでもらいたい。

突き蹴りの一つもまともにできず、防御の仕方も間合いのとり方も、フットワークの使い方も全くできない選手が、力試しか何かのつもりか、とても危険で危ない負けかたをしていましたが、何か事故があった場合、いったいどう責任を取るつもりでしょうか?

出場を希望した選手の自己責任で済む問題だとは思えません。


こうした選手が出場することは、大道塾の全国大会の品位を貶されている気持ちになります。



私事で恐縮ではありますが、我々は過去に、命がけで大道塾という団体の強さを示してきました。

大道塾という団体で、懸命に稽古を積み、全国大会という舞台に立つために、自分の人生をかけて懸命に稽古を積んできました。



試合に勝つために最大限の努力をすることは、選手としては当たり前の心がけですが、どれだけ激しく戦ったとしてもしっかりと戦いの前後の礼法を守り、戦った相手に感謝する気持ちを持ち、若い頃には戦った相手には試合後に必ず挨拶に伺い、これからも頑張っていこうと、お互いの戦いを健闘を称えあったものです。


最近は選手同士が試合後に、互いに挨拶をするということはなくなったのでしょうか?

少なくとも、東京神奈川大会や関東地区大会では、我が支部のジュニアの選手たちには「相手選手のところに行って挨拶をしてくるように」と指導をしていますが、今大会ではちょっとそうしたことすら言いずらい雰囲気がありました。


強ければ、ただそれだけで人から評価されるものでしょうか?

やはり戦いを通して人としての心が養えないのであれば、大会の意義が問われ、武道を名乗る意味が、武道を学ぶ意義がなくなってしまうというのではないかという危機感すら感じます



何はともあれ、少なくとも横須賀湘南支部では、この辺りはしっかりと引き締めて武道の伝統を守り、価値のある挑戦を続けてまいります。



横須賀支部、湘南支部においては、


対戦相手を敬うことが出来ず、さげすむような態度をとる人は大会には出場させません。

負けた相手に気を掛けることなく、勝ってはしゃぎ回るような人は大会に出場させません。

基本な技術が身についていない人、ルールを守れない人、試合を途中で投げ出すよな人も大会には出場させません。


今現在、選手クラスに在籍する選手だけではなく、支部に在籍するすべての稽古生は私の目で見て合格ラインですが、気持ちが緩めばすぐに姿勢が崩れ、環境が変わったり、関わる方々の影響を受けることで人の姿勢はすぐに崩れるもの。

一支部の責任者として、これからもしっかりと気を引き締め、今は亡き東塾長に認められる立派な支部道場を確立し、立派な選手を育てていきたいと考えています。



東塾長、

これからも我々を、

お見守りください。




PS.

尚、後日、この文章に関して他支部からの批判があったそうで、新体制の上役からのご指摘があり、文章の正確性を期するために、一部加筆修正を加えています。


「各地方から参加した選手の方々が、東北地方に出向いて、果たして現地の方々に歓迎されていたのかどうか・・」

という文章をこの記事で書いておりましたが、これは、

東北地方のある支部のグループの言動があまりに激しく、他の東北地区のある支部の選手と対戦し、判定で負けた際に、その時の審判員に対して、

「あの審判は全員だめだ」などと保護者同士で審判批判をしたり、「判定が主催地の贔屓だ!」などと声高に騒いでいる様子に、その席の近くにいた私の支部の関係者が辟易し、、大会後のさんざんに聞かされた私としては、実に不愉快な気持ちにさせられたことを書いたものです。

同じ東北地区同士で、双方なのか一方的なのかはわかりませんが、さんざんに悪口を言っている様子に、東北地方の初めて訪問する地域に、楽しみをもって来た気持ちを害された気持ちがあったためです。

また我々の支部のジュニアの選手が負けた試合の後、その選手の保護者の方が何気なく発した一言に、相手選手側から批判的でバカにするような発言があった、、という話も聞き、どうにも残念な気持ちになったものです。。


しかしこんな経緯を事細かく書くことは、まったく私の本意ではありませんが、、、


主催者批判と取られてしまっては、実に残念であるため、あえてこの文章を追加掲載させていただきました。



これまで東塾長のご存命中の長い期間にわたり、いち支部長の個人の日記のつもりで自由にこのブログ記事を書いていましたが、団体側から指摘を受けたのは今回が初めてのことです。

今の時代、正直な気持ちを書くだけでは収まらない事情もあるとの事で、、、


今後注意いたします。






コメント (1)    この記事についてブログを書く
« 2021年の春、今春の卒業... | トップ | 全国大会に出場した支部のジ... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (武川)
2021-06-05 21:43:41
スポーツでもスポーツマンシップは存在する。魂、心の所作を忘れた時、大道塾の衰退が始まる。武道はもはや廃れていくのみなのか。

コメントを投稿

大会記録」カテゴリの最新記事