実は3・11の震災後、私はしばらくスクラップブッキングをする手が完全に止まってしまいました。
繰り返しながれるニュースにくぎづけになり、パソコンで情報を集め、ただただ不安な気持ちで画像を見つめていました。
その中で、泥だらけのアルバムにまつわるたくさんのエピソードも目にしました。
涙がこぼれました。
こんなときにスクラップブッキングなんてしていていいのか。
いやスクラッパーとして何かできないのか、でも何ができるのか、ずっと自問自答していました。
私にできること。
募金も節電もしていっぱい考えたけど、でもそれはやっぱりスクラップブッキングでした。
被災地の皆さんはもちろんですが、その映像を見て、同じように心を傷めているみなさん。同じ子どものいるママ達。
片柳頼子先生が書いておられたのですが、9・11同時多発テロのあと、アメリカではスクラップブッキングの需要が急激に増えたのだそうです。
今回、家族の絆をあらためて感じた方も多かったのではないでしょうか。
スクラップブッキングを通じて、ひとときでも大切な写真や色とりどりのペーパーを見て作品をつくったり贈ったりすることで、みなさんが笑顔になれば、癒しになれば・・そんな思いで、私も作品作りを再開しました。
各地でスクラッパーがチャリティークロパをされたり、募金を集めておられるのを拝見し、来月9月13日火曜に周南でも、小さいですが教室主催のクロパを開いてみよう。そして被災地に募金をしようと決意していました。
前置きが長くなりましたが、
そんな中、中澤千寿子先生の講習を受ける直前に、ナッツデュオ店長のなつえさんが「中澤先生がスクラップブッキングを被災地に送る活動をされている」と、ちらっと話しておられたのが気になって、中澤先生にどのような活動をされているのかおうかがいしました。
その時に中澤先生から聞いたお話がこちらです・・・
私の言葉で書くより、先生の言葉で紹介させていただけたらと思い、先生のブログから、勝手ながら一部コピーさせていただきました。
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震災後毎日テレビの向こうでは被災地のみなさまが瓦礫の下から見つけ出した1枚の写真を「これだけが財産」と握り締めていらしたり、泥にまみれてしまったアルバムを見ながら「生きる全ての証を失くしてしまったけれどこれは・・生きる糧」と言っていらっしゃる姿を見て、「ああ、何とかみなさまの元に大切な思い出の写真を戻してあげられるすべはないのか・・・」と私はくやしい思いでいっぱいでした。
テレビでヤマザキカメラさんの活動を拝見して、なんてすばらしいんでしょう・・・・みなさまの元にきれいなお写真が戻るのだわ・・・と思い、その取り組みを拝見してから今までの胸の苦しさに希望の光がさしました。
それでぜひ少しでもお役にたたせていただこうと思い、6インチサイズにペーパーをカットし、ステッカーなどを貼り写真台紙を一生懸命作りました。
6インチだとL判の写真がちょうど1枚貼れて写真の反り返りも伸ばすことが出来ますね。
被災されたみなさまがこの台紙に貼られたお写真を眺め、元気な笑顔を取り戻してくださる日が一日も早く訪れますようにと願いをこめて作りました。
夢中で手を動かして、気がつくと100枚以上できていました。
「昨日テレビを拝見させていただいた者ですが、もしお役に立てれば、お写真の台紙を作りましたのでぜひお送りさせていただきたいのですが」と気持ちをお伝えしましたらとても喜んでくださいました。
そして2日後の今日、付きました!とのお電話をいただき無事に着いてホッとしているところです。
100枚の6インチは「幼稚園の卒業式の写真を貼って子供たちにあげたいと思っています。ほんとうにありがとうございました。」とうれしそうなお声を聞かせていただき、お役に立つことが出来たうれしさをかみしめました。
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今も先生は、6インチの台紙などを被災地に送り続ける活動をお弟子さんや生徒さん方とされています。
参考作品などくわしくはぜひ、中澤先生のブログを拝見していただけたらと思います。
Chee's Pea Tagプロジェクト6インチ
私は先生の話をお聞きしながら、涙がとまりませんでした。
スクラップブッキングって、やっぱりなんて素敵なクラフトなんだろうって思いました。
作る前も作っている時も楽しくて、できあがったらそれ以上にうれしくて、それを贈った人も、受け取った人も笑顔になってうれしい。
作ることが私たちの癒し、台紙を受け取った被災地の方がひとときでも笑顔になっていただければ・・。
9月のクロパ。
賛同いただけた方が、被災地に送る6インチの台紙をその場で作れるように、初めての方でもつくれるようなキットとコーナーを作ろう。
そう、決めました。
私の教室はスクラップブッキングの教室ではめずらしく、6インチから始めます。
なぜなら6インチなら写真1枚で自分でどんどん作れるからです。
ちょっとオーバーだけど、なにか運命をかんじました。
ちなみに中澤先生からのアドバイスで、できたら写真を貼る際にのりをつけずに済むように、写真をはさみこめるようなデザインで作るとよい、と教えていただきました。
誰にでもその人にしかできないことがある・・。
それをいち早く気づき、そこまで気を配られて、即実行に移された先生は本当に素晴らしいと思いました。
私も少しずつですがキットをつくり、とりまとめて、冬には中澤先生を通じて6インチの台紙を被災地の皆さんのもとへお送りできたらなと思っています。
とはいえ、
もともと処理能力の低い私は日々の生活と教室に追われていて、クロパの準備もまだ手さぐりでなにもできていません(涙)。
色々考えてしまって、人に何かをお願いすることがとっても苦手なのですが・・・、
生徒さんで、当日おひとりで負担に感じずにお手伝い下さる方がもしおられたら、声をかけてくださったらとってもうれしいです。
クロパについては準備が進み次第、またご報告したいと思います。
今回の講習は、私にとってはこれから私の歩く道が少し見えたような・・・ただテクニックやアイデアを身につけるだけではない、大変有意義な講習会でした。
本当にただただ感謝あるのみです。
この講習会で得られたものを、これから生徒のみなさんにすべて還元していきたいと思います。
待っていてくださいね。