旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

川を下って都会の中へ

2010-07-31 23:30:06 | 編集長の本棚
あれはいまから5年くらい前になるだろうか。
ある日、僕は一冊の本と出会った。
それは日本のカヌーの第一人者といわれる野田知佑さんの本だった。
今ではにとって大好きな作家の一人だ。

ある人物が野田さんに『弟子にしてください!』と頼んだそうだ。
野田さんは『弟子はいらん!奴隷にならしてやる!』という返事。
これだけ読むと何だか不愉快になるけど、野田さんのキャラクターでは許される。

僕がアラスカに行ったとき観光案内所で野田さんや野田さんの奴隷たちのサポートをしているという人物に会ったことがある。
『そういえば、今度また野田さんの奴隷のカヌー隊がくるんだった。えーと名前は・・・
転覆隊!』
アラスカの水温が低くて、川幅の広い河で転覆をすれば死を覚悟する必要がある。
そのアラスカを旅する隊に『転覆隊』と名づけるのは、さすが野田さんだと思った。

河や自然を愛する野田さんの本はCW・ニコルさんのように毒を吐きまくる。
そんな毒を吐く中に野田さんの純粋な思いや、自然のとらえ方の素晴らしさがにじみ出ている。
カナダからアラスカに繋がるユーコン川を愛犬のガクと共にカヌーで下る話など何度呼んでも飽きが来ない。

いつか河くだりをしてみたいと思っていた僕は、ある夏の日思いついたのだ。
『カヌーがなくても、浮き輪があるじゃないか!!!』

釣り人に謝りながら大井川を浮き輪で下る1泊2日の河下りは想像以上に楽しかった。
ロマンず☆≡フリーペーパーには半分ふざけて『水質調査』として記事を書いたが、
半分は大真面目!

河を下ることは、大地の上を歩くこと、山を登ることとなんら変わらない。
それは、地球を抱きしめること!

今年も夏が来たのでロマンず☆≡で河下りをすることにした。
6月12日の打ち上げをしていなかったので河下りのあとにバーベキューをするのだ。

最近、河下りの前にテンションを上げようと思って、久しぶりに野田さんの本を読んだ。
もう僕には大井川とユーコン川の区別がつかないほどテンションは上がっている。

そんな野田さんの本はよくブックオフの100円コーナーにあって、
出かけたついでに島田のブックオフに調べに行くと3冊あった。
100円の本(購入)
350円の本(悩んだが購入)
もう1冊は750円(そっと棚に戻す)
もし、島田のブックオフに野田さんが来たらきっとこんなことを言うだろうな。

古本屋のくせに何度きても同じ本しか置いてないじゃないか!
ゲッツ板谷はもぉ充分だ!!』

何が自然であって、何が自然ではないのか。
美とはなんなのか。
あなたが住む町の古本屋へ行って野田さんの本から感じてみるのを僕はおススメする。

※今回の川くだりは一般の参加者は募集していません。

心が乾いたとき

2010-07-26 22:45:56 | 素晴らしき日々
『喉が渇いたときはペットボトルでお茶を飲み、心が乾いたときは急須(きゅうす)で
お茶を飲む。』
と、川根の「お茶ぼっこ」という喫茶店のラジオからながれていた言葉だ。
ペットボトルでお茶を飲む人が増えていてお茶農家は困っているようだ。

それはともかく、最近、文章や作業が思うように進まずイライラする時間が増えた。
イライラすると自分の中にポッカリ穴が開いたような気がする。

そんな時、僕は焚き火をする。
昨日、満月なのに用事で海へ行けなかったので、一日遅れた今日海へ行くことにした。

一人、砂浜を裸足で歩く。
足の裏で感じる砂がやけに新鮮な気がした。

波の音に包まれながら火を眺めているとゆっくりとした時間が流れる。
いや、時間なんて人工的なものなんかじゃなくてリズムに帰る感覚。

堤防に寄りかかって月を眺めていると、昼間、太陽に暖められたコンクリートの持つ熱が
気持ちいい。
今日は雲が多かったけれど時々、雲間から顔を出す月と目が合うと胸が温まる。

今日の月のどこが欠けているのか不思議になって帰ってから調べてみると今日が満月だった。
何だか、少し気持ちが楽になって開いていた穴が少し塞がった。

森に生きる人

2010-07-23 13:04:49 | 編集長の本棚
『森に生きる人』

~アフリカ熱帯雨林とピグミー~
寺嶋秀明 著 小峰書店

コンゴ民主共和国のイトゥリという森に暮らす狩猟採集民のピグミーのキャンプを
生態人類学者が訪ねるという本だ。

ピグミーというのは「小人」という意味でヨーロッパ人が勝手に付けた名前だ。

森で暮らす狩猟採集民の1日や漁や狩りについて著者がのんびりと紹介していく。
狩猟採集民とは毎日が平和で毎日が実に面白そうだ。
日本列島人もこんな暮らしをしていたのだろうかと想像すると実にうらやましい。

奪われた大地

2010-07-23 12:37:44 | 編集長の本棚
『アメリカ・インディアン』創元社 フィリップ・ジャカン著 富田虎男監修

1492年、クリスファー・コロンブスが新大陸を発見してから現在に至るまでの
大まかな歴史をまとめた本。
歴史には支配する側とされる側の二つの歴史があると思うが、どちらも扱っていて
バランスがいいと感じた。

後半にある「族長たちの言葉」はブラックエルクやクレイジーホースなどの
言葉がいくつか紹介されているが読む価値が十分にあると思う。


現代の狩猟採集

2010-07-21 00:28:33 | 素晴らしき日々
畑に埋めた生ゴミが猪によって掘りおこされた。
その横にあった収穫前のキュウリはカラスに食べられた。
キュウリには手をつけず、生ゴミの臭いを嗅ぎつけ土を掘り起こした努力家の猪。
前日にちゃんと下見にきて下調べをしたカラス。

昨日の夕方、ガードレールの上のカラスにやさしく話しかけたのが悪かったのかも知れないな。
とにかく、現代の狩猟採集もなかなか楽じゃなさそうだ。

夏の服装には気をつけよう!

2010-07-20 12:12:51 | 
アメリカを横断するLongestWalk2に参加したときだった。
食生活の乱れなのか足は極端に細く、上半身はぶくぶく太っているドラえもんのような
体系をした人がアメリカには多くいる。
腹の肉はへそが見えない垂れ下がっている。 
アメリカを徒歩で横断するものに参加しながら、足が自分の体重を支えられなくて膝を壊す
参加者が続出した。

そんな参加者のなかにある女性がいた。
スウェットロッジという儀式をリードするアメリカ先住民血を引く彼女も
そういったアメリカの典型的な体系の一人だった。

ある日、彼女はアメリカ人の若い女の子たちを集め、露出度が高い服装について注意した。
『私はいままで肩すら見せて表を歩いたことがないっていうのに、あなたたちの服装はいったいなんだい!』

「短パンやハーフパンツは白人が着るものだ。」という言葉がある。
確かに僕は上半身は裸でも短パンを履いているアメリカ先住民の男性にはそれまで
会ったことがなかったし、短いスカートを履いている女性にもあったことがなかった。

そんな若者たちに注意をする彼女もT-シャツにロングスカートという服装。
彼女の言葉を真剣に聞いていた若い女の子が注意する彼女の腹部を指差して言った。

『じゃあ、あなたのT-シャツの裾から出ているお腹は良いんですね?』


夏がきました。
服装には注意しましょう。

引越しをした。

2010-07-15 00:45:06 | 素晴らしき日々
3日ほど前に実家から、家賃は払っているのに誰も住んでいないロマンず☆≡アジトへ引越しをした。
人からいただいた家具や食器。
中古で買った洗濯機。
昨日からネットもつながるようになってようやく少し落ち着いた。

朝起きて、畑を一周して、片づけをしたり本を読んだり、人に会ったり。
車に乗って出掛けなければ一日お金を使うこともない。

やっと、自分の場所を持てたと思いつつも、引越しをする前日まで地元を出てどこか遠くへ行って住みたい気持ちがあった。
地元も全部捨ててまた0からやっていこうって。

僕がいるべき場所はここなのか。
僕がすべきことはこれなのか。

旅に出て日本から遠く離れると、帰る場所があることにほっとする。
日本に帰ってくるとまた日本を離れたくなる。

ここにはアラスカで感じた美も、カリフォルニアで見たありのままの地球もない。
僕の内側はありのままの自然を求めている。
また、砂漠で山に沈む夕日を眺めたい。
また、あの場所に立ちたい。

まさかのLongest Walk3!?

2010-07-09 23:16:13 | 
いまから32年前にアメリカを徒歩で横断するLongestWalkが行なわれ
僕は2年前、それから30年ぶりに行なわれたLongestWalk2に参加した。
最後、『生きていたら30年後のLongestWalk3で会おうぜ!』と言ってみんなと別れた。

噂には聞いていたが来年の2月からLongestwalk3がどうやら本当にあるらしい。
どうしよう・・・。



LongestWalk3
California- Feb 14 - Feb 24
Arizona - Feb 24 - Mar 16
New Mexico - Mar 16 - Apr 6
Texas(panhandle) - April 6 - Apr 8
Oklahoma - Apr 8 - Apr28
Arkansas - Apr 28 - May 1
Louisiana - May 1 - May 17
Mississippi - May 17 - May 20
Alabama - May 20 - May 22
Florida - May 22 - June 12
Georgia - June 12 - June 19
South Carolina - June 19 - June 25
North Carolina - June 25 - July 2
Virginia - July 2 - July 8

すべての武器を楽器に

2010-07-09 20:38:47 | 音楽
そこは渋谷ハチ公前、駅前を歩く人の海。
その前に準備されたステージ。
その小さなステージは選挙演説の為に準備されたが演説者はそこにはいない。
そこは誰もが歌を歌える場所として開放されている。

友人が渋谷駅の前を通った時にそのステージを見つけた。
ミュージシャンである彼は誰が聴いているわけでもない大都会の真ん中でボブ・マーレーの曲を一曲歌った。

そのステージを開放しているのは喜納昌吉!!!



行くべきところへ!?

2010-07-05 12:31:10 | 最南端
ある日、僕は名古屋でテラジンさん(元ケツメイシ)が運転する車の助手席にいた。
後部座席にはオトさんという人が乗っている。
スピーカーから流れるどこか聴きおぼえがある曲。

『これって誰の曲ですか?』

後部座席から『これ、おれだよ』

そのとき初めてサヨコオトナラというバンドをちゃんと憶え、後ろに乗っているのはサヨコオトナラのオトさんだと知った。

そのサヨコオトナラのサヨコさんが最南端の読者だと昨日デザイナーのマキから教えてもらった。
行くべきところにいくというか、ちゃっかりしている僕らの最南端。

最南端3/4号が完成してから、忙しくてお店に置きにいく時間がなかなかない。
今日は、郵便で遠い友人20ヵ所に送る。
毎回、印刷代+6000円の送料がかかるのは痛い!

今、10月に名古屋で行なわれるCop10に向けて7GenerationsWalkの冊子を作っている。
24ページになるこの冊子の記事の依頼、編集、写真のやりとりなどでまた忙しくなってしまった。

編集と文章は僕で、デザイナーはマキ、イラストレーターはTakumiという最南端メインメンバー総動員!
これは7GenerationsWalkというより最南端じゃないのか!?

内容は濃くなるはずだし10月までには完成させるのでお楽しみに!
最南端最終号はまだずいぶん先になりそうだ。