旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

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土地を売ってくれ

2012-07-11 23:35:38 | 素晴らしき日々
19歳ごろの僕は現在イラストレーターをやっているタクミに
これから、どのように生きて行くのかの展望を語ったことがあった。
それは、自動販売機を数台購入し、売れそうな場所に設置し、ぬくぬく生きて
行くという、我ながら素晴らしいアイデアだった。
現在、自動販売機は5兆円市場だというから、僕のアイデアもあながち間違い
ではなかったようだ。

そんな僕も現在は植木屋の見習いのようになってしまい、最近は60歳のおっさんと
同じ日当だということに、むかつきながら仕事をしている。

この世界で生きていくにはお金が必要だが、僕の一日から食事、睡眠を取り除いて
しまえば、残りはほぼ仕事である。
まったく僕もお金に夢中である。

アメリカの開拓時代、白人に「土地を売ってくれ」と言われた時、アメリカ先住民が
何を言っているのかわからなかったという話がある。
「聖なるもの(大地)に値段を付けてはならない」という彼らの常識からくるもので
あるし、大地はお金で売り買いするものでもなければ、本来値段など付いていないもので
あるわけだから当然であるが、世界でもっとも高い値段で土地を売り買いする我々には、
ずいぶんと遠くの話である。

去年の冬のアメリカ・インディアンムーブメントのデニス・バンクス氏の来日の際、
体調をくずして喜納昌吉さんの面会ですらキャンセルしたデニスにインタビューを
していた。
そのインタビューを僕が書こうとしている本に載せようと考えていたからだ。
デニスにそのことを伝えたあと、本は無料で配ろうと思っていることを伝えると
デニスは「どうして売らないんだ」と言い、インタビュー前にいきなり変な空気に
なってしまったことがあった。

当然、僕の書くものは聖なるものでもなんでもないのだけれど、僕はそれには値段を付けて
売るつもりは全くない。
これはアメリカ先住民の教えでもなんでもないのだけれど、あらゆるものに値段が
ついて祈りですら買うことができる世界で、「自分が値段を付けたくないもの」を
決めておく必要があるのだと僕は思う。
それに自分の書いた本の値段を決められるほど僕は器用な人間ではない。
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