blueglassの向こう側

厚木市議会議員「奈良なおし」の思うことをそのままに

勝者のなかった2016参院選

2016-07-11 12:47:21 | 政治
結果は報道等の通り、与党側が過半数(改憲勢力では3分の2)を制したわけですが、まず2大政党から見てみると、自民党は改選議席の50議席を56議席へ増やしたものの、3年前の65議席から考えると9議席減であり、民進党は改選議席の46議席を32議席へ減らしたものの、3年前の17議席から考えると15議席増という表現が成立し、どっちも勝ったんだか、負けたんだか良く分からない構図がしてなりません。

特に公明党は改選議席の9議席から14議席に増やし、3年前の11議席から考えると3議席増になり、与党間の選挙協力や今後予測される改憲議論などを考えると相当発言力を増した感があります(私は公明党を改憲勢力と表現するのには些か抵抗があるのですが…)。一方、改憲反対勢力の共産党は改選議席の3議席から倍増の6議席としたものの、3年前の8議席から考えると2議席減。しかし、民進党への選挙協力がなければ民進党の議席も20議席半ばと予想されていたこともあるので、今後、野党のヘゲモニーを握ったことに間違いはありません(このことで民進党内にある反共勢力が集団離党するかもしれません)。


※画像は毎日新聞サイトから引用

私がこの参院選を見て感じていたことは、与党は経済政策、野党は憲法改正阻止で挑んだわけですけども、「憲法改正」というのは重要であり、大きなテーマですが、喫緊の国民生活に対してすぐ作用する問題ではない側面はあります。野党が勝ち切れなかった部分と言うのは、喫緊の国民生活に関する訴えが何より少なかったように感じます。
とりわけ「アベノミクス失敗」の訴えは、確かに景気はそこまで上向いていないにしても、それでも旧民主党政権時代は、今よりももっと円高、株安であり、雇用の数字も悪かったことを国民は覚えており、そこを棚に上げて…という感情はあったかと思います。また、これは与野党共に言えることですが、選挙権が18歳から付与されるようになった選挙だからこそ給付型奨学金等、若い世代に向けたアピールはもっと必要だったかと思います。

神奈川では4議席を三原氏、三浦氏、真山氏、中西氏と議席を決めたのですが、新聞記者さんなどから伺った情報では序盤、三原氏-三浦氏が手堅くまとめ、3位以下が金子氏-浅賀氏-中西氏で横一線。真山氏は当選圏外という数字でした。
それが終盤になって3位以下を4人が横一線で争う構図になり、真山氏、中西氏が最終で突き抜けました。この猛追劇はお見事です。

次回、3年後に行われる参院選は亥年現象の年となります。亥年は参院選と統一地方選が同じ年に行われ、自民党が苦戦するジンクスがあります。改憲じたいは自民党の争点にはなっていなかったはずですが、党綱領として憲法改正を行うことを目指す政党でもありますし、昨夜あたりの自民党首脳のコメントでも憲法調査会を動かすようなものもありましたので「考えてない」という表現はウソになるのだと思います。ただ、自民党憲法草案をそのまま通そうとするようであれば、次回衆院選や3年後の参院選で痛い目を見るように思います。

少なくとも国民には改憲アレルギーがありますし、まずは「憲法について国民世論が議論を重られる仕組み」をつくる必要があると思います。他方、政権交代のたびに変更される憲法でも困りものなのでどこかしらに硬さを持たせる必要もあるはずで、96条で定める3分の2から7分の4(57%)とか、引き下げのみの改憲議論が良いのではないかと思ってます。