福島県双葉郡楢葉町立楢葉中学校「絆プロジェクト」ホームページ

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いわき市陸上秋季選手権大会その2

2011-10-19 21:58:53 | 楢葉中・絆project
いわき市陸上秋季選手権大会にて『補助役員』の腕章をつけながら頑張っていた高校生。

楢葉中卒業生の加藤直人君(平工業高校2年)

現在彼は800mにおいて、福島県でも上位のレベルで勝負できる力を持っています。
しかし、現在は怪我の治療中。

そのような状態でありながらも大会運営に尽力する素晴らしい姿は
中学生の頃の一生懸命な彼の様子と、何も変わっていなく安心します。

その直人君より中学生のみなさんにいただいたメッセージを紹介します。


みなさんこんにちは。

楢葉中学校を卒業して、平工業高等学校に入りました
加藤直人です。

中学校時代はバスケと特設陸上をやっていました。

高校では、陸上の800メートルの記録を伸ばしたいと思い、陸上を続けることにしました。

高校1年生の時は思うように記録が伸びず苦しみましたが、2年生になって少しずつタイムが伸びてきました。

しかし、3月11日にあった震災により突然楢葉町を離れるとこになってしまい
陸上の練習も全くできなくなりました。

長距離は毎日の継続で成長するものなので、練習ができないのは最悪な状況でした。

震災から1カ月経っていわきにもどり高校に通いました。
しかしいざ陸上の練習に取り組んだら平工陸上部のみんなと差がついていて、悔しい想いをしました。

悔しい想いをしてから私は猛練習しました。

「負けたくない」
この気持ちがとても大きかったです。

夏になり、山形の蔵王で合宿を行い、自分を極限まで追い込みました。
本当に負けたくない気持ちが強かったので、死に物狂いで走って練習をしてきました。

しかし、そう簡単にはうまく行きませんでした。

怪我をしてしまったのです。

「腸脛靭帯炎」
そう医師に診断されました。

走るたびに足に激痛が走るのです。

新人戦は出るか出ないか迷いましたが、痛みに耐えれば走れるので800メートルに出場しました。

結果はいわき地区3位になり、目標の通過点である県大会へ進むことができました。

足はもちろん痛い状態です。

2週間後に県大会がありましたが、怪我が治らなかったため、怪我をしたまま走りました。

予選、2分1秒52でいきなりベストタイムがでて、県大会の800メートルの予選全組あわせて2位でした。

自分でもびっくりしました。
県大会で上位の戦いができるなんて思いませんでした。

しかし、準決勝で悲劇が起きました。
準決勝のタイムは2分1秒12、全体3位でしたが足が悲鳴をあげました。

決勝に駒を進めたものの、歩くのもやっとな状態になってしまったのです。

決勝を走るか、棄権するか、苦渋の選択でした。

結局、10月に駅伝もあるのですごく悔しかったけど、棄権しました。

棄権した時、悔しくてしかたがありませんでした。

「何で怪我をしてしまったんだろう。」

そんなことばかり頭をよぎりました。

しかし、よく考えてみれば震災があってから辛い練習もしっかりこなしてきました。

「努力は嘘をつかない」

その通りだと私は思いました。
怪我をしても、今までやってきた練習は嘘をついていない。
そう思いました。

怪我で棄権しましたが、この大会で学んだことはとても大きかったと思います。

もちろん、周りの人への感謝も忘れてはいません。
支えてくれた家族、先生、友達そして楢葉町の方々。
すべての人に感謝しています。
震災があって、まだ楢葉町に帰れませんが私は信じています。
楢葉町に帰り、またみんなと生活できることを。

辛い時も苦しい時も、一人じゃありません。
みんながいます。

諦めないでみんなで力を合わせて前へ向かってがんばりましょう!


m.watanabe