少女たちに魅せられて

主にプリキュアとラブライブの感想や考察を挙げていきます

虹学アニメ8話感想追記

2020-11-25 19:50:31 | 虹学感想

前回触れたりなさんとしずくさんの
共通点と相違点について
もう少し書きたくなったので続けます

 

できないことはできることでカバーする
前回の感想ではその典型が
りなちゃんボードなのだとしました
しかしそれではしずくさんが
自分をさらけ出せないのを
演技でごまかしていたことと
あまり違いがないようにも思われます


この問題を避けるためにはまず
「できない」を2つの意味で
解釈する必要があると思います
一つは「不可能」の意味
もう一つは「する勇気がない」の意味です


具体化するまでもないですが例えるなら
バンジージャンプがとべない人がいるとして
それは身長制限などでとべないのか
とぶ勇気がないのかということです


りなさんの顔に想いをのせられない
というのは前者に当たります
逆にしずくさんの自分をさらけ出せないのは
後者と言っていいでしょう


さらにりなさんのそもそもの目的についても
踏まえる必要があるでしょう
彼女の目標は「人と繋がること」
表情を作ることがもくてきではないのです
つまり彼女は

表情作れない→人と繋がれない

という問題に対してボードを作り

ボードをつける→人と繋がれる

とすることで目的を達成したのです


この構図をしずくさんに置き換えると
どうなるでしょうか
彼女についてはもともと

嫌われたくない→自分を出せない

という関係になっていました
自分を出すためには前の部分を
変える必要があります
嫌われたくないをカバーしたものは何なのか
それに当たる場面が8話にはありました
かすみさんの大好きの告白です


前回も書きましたが
何があっても愛してくれる
それは前へと進む勇気をくれます
ましてや今回は嫌われたくないが
根本原因だったのですからなおさらです
つまりそのかすみさんの想いこそ
しずくさんが自分を出す勇気をくれたもの
まさに彼女にとってのボード

「しずくちゃんボード、かっすみん♪」

なのです(※個人の見解です)


これらを踏まえると
できないことはできることでカバーする
についての理解も変わりそうです
つまりこれは何かをする勇気が出ないなら
その原因になっていることを
できることでカバーすればいい
できないことはできることでカバーして
前へ進む勇気を得ようということなんです


思えばしずくさんが自分を隠すようになった
きっかけは演劇好きに由来していました
自分の気持ちを演技で隠すのをやめた今
ただ自分を隠さないというだけでなく
本来の演劇好きを全面に出して
同好会を盛り上げてくれる
そんなしずくさんに期待しています


プリキュア考察〜永遠の 概念(HUGっと秋映画の予告もかねて)

2020-11-24 08:21:33 | プリキュア考察

プリキュアにとっての「永遠」

時に未来を脅かす驚異となりうるが

この「永遠」をテーマにした歌が

プリキュアにはある

それが「プリキュア〜永遠の友達〜」である

今回はこの歌の歌詞を元に考えを深めていきたい

 

 

これはもともとプリキュアオールスターズ

ニューステージのテーマソングに使われた

以前NSシリーズについて感想を書いたが

その中で鍵となったのは「友達」の定義である

簡単にいうとプリキュアにおける

友達とは物理的な距離では無く

心理的な距離の近さであった

 

 

ではこの歌における友達とは誰か

歌詞から推測するに

 

♪時を超えて力合わせつながる絆

 

♪光を手渡すまた次の世代へ

 

などから1つには次の世代の人たち

と言えそうである

 

 

もう一つ注目したいのがサビである

 

♪転んでも立ち上がり紡がれる伝説

 

プリキュアの特徴は諦めないこと

前を見続けることである

そしてそれは伝説になった

事実プリキュアは初代の時から

「伝説の戦士」ではあったが

今年の15周年映画での扱いなどを見ると

設定としてではなく事実として

本当に「伝説の戦士」になっている

 

 

そして私たちにとってのプリキュアの

存在はいつの時代でも変わらない

前を向き続ける存在である

それがまさに

 

♪100年先も変わらない勇気が宿ってる

 

なのである

 

 

まとめるとそれぞれのプリキュアは

1年で終わってしまうものである

(初期のプリキュアは別だが)

しかしプリキュアという存在自体は

今までもそしてこれからも消えない

概念といってもいいかもしれない

いつでも前を向き続ける少女たち

そんなプリキュアという概念は

永遠をも可能にするのである

 

 

だがHUGっとプリキュアでは

過去の記憶を保存するものとして

キュアスタ(インスタみたいなものです)

や写真を多用している

形あるものを利用しているのだ

そしてそのことについての敵との

やりとりがおもしろい

 

「思い出こそが永遠、写真は楽しい時間を

 一瞬一瞬切り取ったもの」

 

「写真を見るたびにみんなとの

 楽しい夏休みを思い出すことでしょう

 どんなにときが過ぎても思い出は

 心の中にあるのです、永遠に」

 

そしてそれに対して敵は

 

「でもそれってお前さんらがいてこそでしょ?

 お前さんらがいなくなれば

 思い出もなんも消えちゃうでしょ?」(30話)

 

まさにそのとおりである

プリキュアたちはこれに対して

明確な返答をできていない

確かに思い出は思い出す人が

いなくなれば消えてしまう

たとえ写真が残っていても

 

 

だが何度も言うように

今年の映画のテーマは「思い出」

しかも秋映画では初のオールスターである

なんとも趣深い予告であろうか

15年前の伝説の戦士と共に戦いながら

5年前のテーマ「永遠」ともう一度向き合う

そして今のプリキュアの「思い出」

というテーマを深めていくのである

 

 

私が今年の映画をどうしても観たいと

思う理由はここにある

本編における壮大な予告

その答えが今回の映画で

明らかになるのかもしれない

私はそれを心から期待している


虹学アニメ8話感想

2020-11-23 20:10:39 | 虹学感想

推し(かすみさん)に見せ場とセリフが

与えられすぎて逆に不安になります

 

 

そんな8話の感想です

ありのままの自分を出せないしずくさんは

部長さんの期待に答えられず

任された主役の座をおろされてしまいます

ありのままの私なんて出せない

彼女はもがき苦しみます

 

 

作中でもりなさんが言っていますが

しずくさんが演劇を好きになった理由を

本当の自分を隠せるからとしていることは

かなりりなさんに近いです

二人とも自分が傷つきたくないことで

コンプレックスが生まれています

(ちなみに相手を傷つけるかもということで自分を出すのを躊躇したのがせつなさんとかすみさんです)

 

 

ご存知の通りりなさんはボードを使い

自分の殻を破りました

ではしずくさんはりなさんの後追いなのか

というとそうではありません

以前愛さんがりなさんにかけた言葉

 

「できないことは、できることでカバーすれば

 いいってね」(6話)

 

この言葉にヒントをもらい

りなさんはボードを作ったわけですが

今回のしずくさんには当てはまりません

彼女はできないことを演技で隠すのではなく

できるようになろうとしました

悩みは似ていても乗り越える手段は

全く異なるのです

 

 

そして今回しずくさんにありのままをさらけ出す

勇気を与えたのはかすみさんの言葉でした

 

「もしかしたら、しず子のとこ好きじゃないって

 言う人もいるかもしれないけど

 私は、桜坂しずくのこと大好きだから」

 

何があっても愛してくれる

それは前へと進む勇気をくれます

(ただし、前回はるかさんが姉ことを思いすぎたが故に自分の夢を閉ざしかけたことも特筆すべきでしょう)

そんなわけで彼女に力をもらったしずくさんは

無事主役を取り戻し

ありのままの自分の象徴である

黒しずくとの融合を遂げたのでした

 

 

少し話がそれますが

ありのままの自分を演技を使って

抑え込んだといえばかりんさんも同じです

彼女も自分の「キャラ」を演じることで

スクールアイドルを避けていました

その点ではしずくさんに類似しています

(5話の感想でもしずくさんの歌を引きました)

しかしその「キャラ」がどう生まれたかを

考えると、せつなさんとの共通点も見い出せます

 

「期待されるのは嫌いじゃなかったけど

 一つくらい、自分の大好きなことも

 やってみたかった」(3話)

 

かりんさんも初めは

こうだったのではないのでしょうか

大人っぽい自分をみんなが期待してる

だからそれに応えたいと

つまりかりんさんはしずくさんとせつなさんの

二人の特性を抱えていると言えます

さらにせつなさんも前述のように

かすみさんのような面も保持しているため

二人の特性を持っていると言えるでしょう

 

 

こんな感じで前回も書きましたが改めて

虹学は似たような悩みを抱えながらも

それぞれ違った成長の軌跡を

描いていることがわかります

しかもある人の成長要因が

他の人にとっては悩みになることもあるのです

理想のスクールアイドルという正解は無いという

虹学に提示されている問題がここに現れています

そもそもそれを目指しているわけでもない

彼女たちはラブライブにさえ

出る必要がないのですから

 

 

自分のなりたいスクールアイドルを見つけ

そこに向かって進んでいく

そんな彼女たちはその先に何を見るのでしょうか


Hugっとプリキュア考察 〜今後の展開予想(23話時点)

2020-11-22 13:16:07 | Hugっとプリキュア考察

過去と未来の対立はHUGっとで提示された

重要なテーマの一つである

今回はそんなプリキュアと敵の

ぶつかり合いの先に何があるのか

それを予想していきたい

 

 

明日を信じて未来を守るのか

時間を止めて苦しみのない世界を作るのか

前作のプリキュアアラモードでは

好きと嫌いの論争の果てに

敵が出した結論はどちらもいらない

感情のない世界を作るであった

それと同様に考えると

HUGっとにおいて両者の主張をかき消すのは

「時間という概念がない世界」

ではないだろうか

これはどういう世界か

私が考えたのは我々が生まれる前

私たちの存在自体がない世界である 

 

 

そもそも敵の時間を止めるという思想は

新たな苦しみは生まないが

今ある苦しみ全てを消し去るわけではない

今もそして過去も、さらに前の過去から

見れば未来である

だからプリキュアの未来思考の考えを

否定することは同時に敵が止めた今の時間をも

否定することになってしまう

 

 

逆に敵の思考を全て否定するとなると

プリキュアの思想にもほつれが生じる

なぜなら過ぎ去った時間に価値がなければ

いつか過去になってしまう未来の価値も

揺らいでしまうからだ

 

 

つまりこの両者の主張は根本的には

同じ問題を抱えている

だからこの2つの考えと対局な位置にある

「時間という概念がない世界」が

(そもそも生まれていない世界なのだが)

最終的に敵が提示する思想であると思うのだ

 

 

そしてこの考えは必ずしも誤りだとは言えない

例えば仏教では生き物は全て

輪廻の苦しみの中にあるが

いつかは解脱し究極の安らぎを

得るべき存在であると考える

解脱というのはこの時間軸から

解放されることも含まれる

つまり「時間という概念がない世界」

にかなり近いものであるのだ

 

 

このように私は最終クールにおける敵の行動は

時間という概念のない世界

我々がそもそも存在しない世界を

創造することであると想像する

あくまで予想ではあるが

まずは秋映画までにプリキュアたちが

そのテーマである「思い出」について

どれだけ深めていくのか楽しみにしたい


プリキュア考察外伝 〜未来の存在意義その2

2020-11-21 15:02:51 | 虹学感想

プリキュア考察外伝 〜未来の存在意義その1はこちら

 

Hugっと的思考

 

Hugっともまた過去と未来がテーマである

例えばHugっとOPのフレーズ

 

「叶えたいより叶える私なんだ」

 

先ほどのNSの話とかぶるが

叶えたい未来よりもそれに届いた

自分がほしいということだろう

それを踏まえると23話での

野乃さんプレジデント・クライとの

やり取りも理解できる

 

ク「ぼくにも夢があるんだ」

 「理想の王国、そこでは皆が穏やかに

  ほほ笑みを絶やさない

  花が咲き乱れる美しい国」

 

花「その夢、めっちゃいけてる

  私もそんな未来を作りたいな」

 

ラスボス(現時点では不確定だが)とプリキュア

(正体は知らなかったが)の意見が一致している

これは意外なことではなかろうか

ただふたりが想像していた世界は

異なっていたのだろう

なぜならクライがそれの第一歩として

時間を止めたとき、野乃さんは激怒したからだ

 

 

おそらく彼女が考えていたのは

理想の王国をそれぞれの努力で

作り上げることだったのだろう

皆が他人のことを考えて

それぞれ希望を持って生きる中で

形成されるような

 

 

 

エリシオ世界と宇佐美いちか

 

その意味ではエリシオが作った

「感情のない世界」はクライの

目指す世界に似てるとも言える

であるならば宇佐美いちかの出した結論こそが

未来を守る意味の1つになるかもしれない

プリアラでは初めは大嫌いと大好きが

交わるかどうかが争点だった

だがそれらが交わることが証明された時

エリシオの作った世界が感情のない世界だった

彼は大好きを否定したのではない

大好きがあれば必然的に生じる大嫌い

それによる争いを否定したのだ

そんな世界に対して宇佐美さんはどう考えたのか

 

「理想だなんて…思えないよ!

 大好きがあったからみんなと出会えた

 それぞれ違う大好きがあるからこそ

 未来に向かって歩いて行ける」

 

「自分だけの大好きが無くなったら

 それはもう、私たちじゃない!」

 

なぜ違う大好きが必要なのか

未来に向かって進むためである

プリアラでは自分の好きなものが

そのまま夢になっているのである

(いちかひまりシエルはスイーツ

 あおいなら歌

 ゆかりなら…ときめき?

 あきらなら…子ども?病気の人?)

このことはOPにもある

 

♪ときめくわけはカラフルにみんな

 違うけれどおそろい大好きは

 1番のマストアイテム

 

この「おそろい」が何にかかるのかという

解釈には頭を悩まされるが

ときめき≒大好きと考えると

大好きはみんな違うけれど

大好きがマストアイテムということは

おそろいということでよいだろう

そして最も重要な大好きによる争いの問題

以前も触れたので改めて引用はしないが

(詳しくはこちらの記事参照)

宇佐美さんは大好きはいっぱいあるから

どこかで繋がれると考えた

人の感情は1つではないのである

それはプレジデント・クライが

時間を止めたことについても言える

 

 

よく考えてみると敵の悪いところは

視野の狭さである

クライもエリシオも未来における

負の部分にしか目を向けていない

つらいことにしか目が行かないから

そこから逃げることは幸せをも

失うことだということに

気がつかないのである

逆に言うと悩み苦しみながら

それでも未来に希望を見出すプリキュアは

物事の全体が見えていると言えよう

 

 

 

まとめ

 

なぜ未来を守るのか

なりたい自分になるためである

未来のつらいところだけみて

過去にとどまる敵の思考は

視野が狭いと言わざるを得ない

これはとても怖いことである

敵は決して極悪非道な人間ではない

ただ「見えていない」だけなのである

これは私たちもシャドーサイドに

落ち得るということを意味する

だからいろんな視点から

物事を見なければならない

つらいことから逃げて

大切なものを失わないために