ナナタニッキ

ナナタニのニッキだからナナタニッキです。

とんでもない

2023年07月14日 | ニッキ ○| ̄|_ =3 ブッ
📖とんでもない📖

作:鈴木 のりたけ
出版社:アリス館

「ぼくはどこにでもいるふつうの子
ぼくにしかできないこと
ぼくにしかないすごいところ
そんなのひとつも見つからない」



「ぼくはどこにでもいるふつうの子」という男の子のつぶやきから、お話は始まります。
よろいのようなりっぱな皮があって、サイはかっこいいなぁと言うと
「とんでもない」とサイが答えて…
ウサギやキリンなど、次々に悩みをうちあけていきます。
みんなそれぞれに悩みがあること、を迫力とユーモアで描きます。



人間の男の子はサイを羨ましく思い
サイはウサギを羨ましく思い
ウサギはクジラを羨ましく思い…

それぞれの悩みや羨ましい気持ちを
言っていると、一周回って男の子に
戻るのが面白いです。



いいなぁと羨ましがられることも、本人にしてみれば意外に『とんでもない』ことだということ。
そういったことがテーマの絵本です。



よくありますよね。
私もみんなのSNSを見て「羨ましい!」と思うことはよくあります。
そういう羨ましい人たちを眺めながら
「いつも外食しているあの人は、10年後生活習慣病になるだろうなぁ。」
「あの人はよく旅行に行くけど、現実逃避したいのか!?日常生活がうまくいってないのか!?」
なんてことを考えています。

私が誰かを羨ましい!と思うように
どこかで私のことを羨ましい☆と思う人がいるのかなぁ。
と考えてしまった作品でした。



裏表紙には絵本に登場した動物たちの日常の一コマが描かれています。
本を読み終えてから改めてそれを眺めてみてほしいです。
みんなの行為の意味がわかって、とっても愛おしい気持ちになれます。