ブーゲンビリアのきちきち日記

神奈川の米軍基地のある街から毎日更新。猫と花と沖縄が好き。基地と原発はいらない。

「日本の地震予知」大震法延命は誤り 前兆検知は科学的に不可能

2018年01月30日 21時31分59秒 | たんぽぽ舎
以下たんぽぽ舎より転載

┏┓ 
┗■2.「日本の地震予知」大震法延命は誤り 前兆検知は科学的に不可能
 | 政府が白旗を揚げた。地震予知ができないことを
 |  明らかにせざるを得なくなった
 └──── 島村英紀(武蔵野学院大特任教授・地球物理学者)
           
○昨年秋、政府が白旗を揚げた。地震予知ができないことを明らかにせざ
るを得なくなったのだ。地震予知研究は国家計画として始まった1965年か
ら続いているが、この間一度も地震予知に成功していなかった。地震予知
は可能だという前提で進んできた日本の防災体制が大転換したのである。
 だがこの転換でも問題が残った。1978年につくられた大規模地震対策特
別措置法(大震法)は廃止されなかったのだ。

 政府は「地震予知はできない。大震法を運用するのは難しい」とする一
方で、「前震や地殻変動などの異常現象に基づいて住民に避難を促す情報
を出す新たな対策」の委員会を立ち上げた。そして、大震法で作られた東
海地震判定会の委員がそのまま居座った「評価検討会」が作られて活動を
始めている。

○この延命策は、もちろん役所や研究者の利権を守るためだ。大震法のお
かげで多くの役職が増え、研究費も増えた。また、阪神淡路大震災や東日
本大震災の後には飛躍的に予算が増えた。これらの既得権益を失いたくな
いというのが、政府や科学者の共通の願望なのである。

 つまり大震法の枠組みはそのまま延命させられたことになる。

 それでは何か前兆のようなものがあって、いったん避難を促したあと、
すぐに大地震が来なかったらどうするのか。

 経済的にも人心にも打撃が大きい避難を何日も続けるわけにはいくまい。
 その警告を取り消せる科学的な根拠や方程式は何もない。
 こうして気象庁や地震学者が、迷いながらでも、渋々でも、警告の解除
を行うだろう。

 しかしその後で大地震が襲ってきたら…。そこでは悲劇が起きるに違い
ない。

○評価検討会が根拠としているのは南海トラフの震源域の東側でマグニチ
ュード(M)8級の地震が発生した場合、連動して西側でもM8級が3日
以内に発生する可能性は96回のうち10回あったとしていることだ。

 だが、続発しなかった例は9割もある。そもそも96回のうち10回とは、
1900年以後に起きた地震を世界中で数えているものだ。しかも、南海トラ
フ地震のような海溝型地震だけではなく、それとは起きる場所もメカニズ
ムもまったく異なる内陸直下型地震も含めている。それゆえ、南海トラフ
地震にあてはまるかどうかは未知数なのだ。

○南海トラフ沿いでは、過去たびたびM8クラスの地震が発生してきた。
 しかし、次の大地震が安政地震(1854年)のように32時間後に起きるの
か、東南海地震(1944年)と南海地震(1946年)のように数年の余裕があ
るのか、または宝永地震(1707年)のようにずっと起きないのかは分からない。

 つまり、この延命策は科学的にはまやかしなのである。世界的に見ても
巨大地震につながる前震や地殻変動が大地震の前に見つかったことはない。

○まやかしを続けることは、人々に間違った印象を広めてしまうことにな
る。既得権益のために、科学の現状を無視すべきではないだろう。
  (1月5日東奥日報より・共同通信配信で他の新聞にも掲載)
     (島村英紀さんのHP http://shima3.fc2web.com/ )



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