(その1)から続きます。
三
「宜告」の主人公である死刑囚・楠本他家雄に作者はこう語らせている。
「おれは人間であることを許されてはいない。法律規則という人間の作った文章が、おれから人間の属性を一つ一つ剥ぎとっていった。刑法、刑事訴訟法、監獄法、数多くの訓令、通牒、通達、判例が、目に見えぬメスとなっておれから人間の属性を削ぎ落していった。
しかし……しかし、それ . . . 本文を読む
永山則夫元支援者の武田和夫さんが、永山から追放された後、発行された『沈黙の声』という会報を冊子にまとめたものです。『沈黙の声』15号の記事を、以下に載せます。
『沈黙の声』第15号(85年12月15日発行)
「加賀乙彦『宣告』について」(1)
一
小説とは、思想をなまの形で伝えるものではないし、多くの場合それを期待されてもいない。しか . . . 本文を読む
(その1)から続く
(二) 11・30当日の経過は以下の通りであった。
当日我々の参加者は5名。会場で永六輔に直接回答を求め、もし暴力的に排除され追及が不可能になれば外からマイク車で抗議するつもりであった。先着2名が5時少しすぎより会場前でビラをまいた後、1名に車置きをまかせて4名が6時少し前に会場に入った。
6時開演時で参加者約50名。永六輔が出て来て「主催者は時間を遅らせてはと言って . . . 本文を読む
永山則夫元支援者の武田和夫さんが、永山から追放された後、発行された『沈黙の声』という会報を冊子にまとめたものです。『沈黙の声』14号の記事を、以下に載せます。
文章が長いので、2つに分けましたが、この後に続く(その2)の方が壮絶な内容になっているので、読まれるのを薦めます。武田和夫著【死者はまた闘う】にも書かれてますが、永六輔さんが呼ばれた「死刑廃止ショー」での惨劇(?)が詳しく書かれてま . . . 本文を読む
永山則夫元支援者の武田和夫さんが、永山から追放された後、発行された『沈黙の声』という会報を冊子にまとめたものです。『沈黙の声』13号の記事を、以下に載せます。
『沈黙の声』第13号(85年8月15日発行)
「死刑と反省―更正しない凶悪犯への判決をめぐって」
6月17日、青森地裁(裁判長守屋克彦)は.昨年9月、旅館の女主八と通行人の二人を刺殺したとして強盗殺瓦と殺人 . . . 本文を読む