それでも永山則夫が好きだ(スピンオフ)

「ねっとわあく死刑廃止」や、無期懲役囚で「とらえなおし」で知られる飯田博久さんや、小松川事件の李珍宇のことを書いたり色々

(その2)1996年頃から死刑廃止活動家同士でモメた、『代替刑・終身刑導入』議論。裏事情

2017-11-02 14:09:23 | 死刑の代替刑・終身刑導入問題

(その1)も参考にされてください。

 

死刑制度の代替案・終身刑導入議論が、死刑廃止活動家の間で勃発したのは、1996年だったと思う。

それでモメた様子は、『ねっとわあく死刑廃止』にもちらほら出てくる。

『ねっとわあく死刑廃止35号1996.2.20.』フォーラム90から、死刑制度の代替案が提案される

 

上のリンク先にも書かれてますが…

結局、海外では、「終身刑も残忍だ」ということで、廃止されてるみたいです。

また、日本の拘置所での環境と、海外の拘置所での待遇、環境はまるで違うそうで、日本の拘置所独房は、部屋が狭く、他の獄中者と将棋も囲碁も、会話すらさせない、集団アクティビティもない、そんな、精神病になってしまうような、他人と全然接触させない状態で、終身刑を導入することになってしまう。

また、日本は、終身刑導入議論すら、国民に広まってないし、本当に人権問題では、様々な点で、遅れてる国なんですよね。

(2017年11月2日、朝日新聞では、日本のジェンダーギャップが114位と、さらに後退したことが報道された。…まあ、ジェンダー問題やLGBTS問題については、日本のリベラル層も感覚が遅れているというか、"リベラル派なのに、性については昭和時代の人のような保守思想を持っていたり、リベラルなのに環境型セクハラの知識がゼロだったり、もしくはセクシストのように男性差別問題についてしか触れない"という変なリベラルが日本に多い。リベラル含めて、日本は問題がある国だと思う。)

 

話戻しますが…

1996年1月25日頃、死刑廃止活動家が、都内某所に集まり、夜11時まで、

死刑の代替刑である終身刑について、討論が行われたそうです。

とりあえず、当時、安田好弘弁護士(フォーラム一派)は、熱心な終身刑導入派でした。今も、彼は終身刑導入派です。

参考に→〈終身刑問題〉をめぐって

その討論(会議)に、当時、加わっていた人物(終身刑導入反対派)から聞いたことを、以下に載せます。

 

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1995年12月に木村修二氏が死刑執行されたことで安田弁護士は、大変ショックを受けた。

そして恐らく、この頃死刑廃止運動に「終身刑導入」を公明党が働きかけていたためと思われますが(私が警告していたように、当時自民、公明、保守党三党が、「司法改革」の一環として、死刑と無期刑の間に終身刑を入れ、死刑と無期刑の落差を解消しようとしていた)「終身刑導入」を言うようになった。

そして1996年の1月頃、会議は7時ころから始まったと思いますが、安田弁護士が「国会で『終身刑導入による死刑廃止』法案(多分、このときは『死刑は廃止』ということだったのだと思うが、結局数年後、最終的に議員連盟から出てきたのは『死刑存置のままの終身刑導入』であり、このときも実際どうだったのかは疑問が残る)を出そうとしている。今夜決めないと時間がない」というかたちで決議に持ち込もうとしました。

このとき、フォーラム会議に約50人出席していて賛成30、反対20くらいでしたが、賛成派は目が据わっていて、「ここで法案を出さないと死刑執行を止められない」と思い詰めている様子だった。

1993年の執行再開以降、毎年複数名が執行され、追い詰められていた心理状況にあったわけですが、私は終身刑導入を言えば法案が通る保証もない中、安易に運動方針を変更したら運動内部、特に各地との信頼関係を損ないかえって危険だと考え、一貫して反対意見を述べました。

しかし、終身刑賛成派は激しく言い募り、ついに救援センターの方々をはじめ、終身刑導入反対派は黙り込んでしまって、私一人が深夜11時ころまで一人で30人と相対して「各地の意見も聞かずに決めるな。絶対に駄目だ」と主張し、とうとう安田弁護士が諦めた。

会議の参加者は東京のメンバーだけ、弁護士も他にはいませんでした。

 私が東京のメンバーの多くと対立したことで、秋に東京主催で開かれる予定の全国合宿が不可能になるのではないかと、救援センターの方は懸念しましたが、私は全く心配しなかった。人数も減らなかった。

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以上です。

 

1996年に、死刑廃止活動家の一部、安田弁護士から、終身刑導入案が出てたけど、

2017年の今、『終身刑導入して、死刑廃止しよう、という動きが出ている』

という報道は、私は、この国に生きていて、聞いたことがありません…

私が聞いたのは、"日弁連、死刑廃止宣言"のみです。

 

神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件の報道で今、湧いていますが…

相変わらず、ネットでは、差別主義者や保守派、死刑制度問題にあまり詳しくない人達が、

「極刑!極刑!」「人権派弁護士なんていらない!」の大合唱です。

こういう差別主義者たちが人権問題や冤罪問題を叫ぶのは、電車内性暴力(痴漢)問題のときだけです。性犯罪を無くすことを訴えず、「男の人権を守れ!」「女の発言権を奪え!」…要するに、「被害者の多数が女性と子供である性暴力は男らしい行為であり、女性が性的に搾取されることや、男が性欲コントロールできないのは当然だ」と、人を洗脳するような、おかしな書き込みがネットで大量投稿され、保守系メディアもそれを応援する形になっています。(※性暴力被害者の9割が、警察や専門機関に相談できていません。電車の痴漢も含めてです。)あと、性犯罪対策の女性専用車両を、「女性優遇!男性差別!」と訴えたり…こういうネット書き込みをしているのは、保守派のみではなく、一部リベラル男性にもいる。…日本は、リベラル含めて、おかしい国です。

 

この後、死刑廃止活動家同士で、終身刑導入派と、反対派で、割れてしまい、

終身刑導入反対派を村八分にして、死刑廃止合宿を行ってしまったりして、

死刑廃止活動家の間で、連帯感や、まとまりがなくなっていったそうです。

 

 

 

 

 



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