2018.7.5 一部改定しました。
工芸、手芸でよく使われていた反応染料、Procion M は反応性が高く、アルカリを添加すると室温でも反応していきます。工芸、手芸には向いていたのですが、工業的には使用量が伸びず生産中止になりました。VS 染料は、商品名 Remazol, Sumifix、無地染めや2相法で使われています。2相法とは、反応染料で引き染め、筆描き、シルクプリント等をし、乾燥後「アルカリ固着剤」を付与し室温で60-90分放置して固着させる方法です。
工業捺染で主流の MCT 染料は、工芸、手芸の分野ではあまり使われていないようです。MCT 染料は、1相法で固着させます。1相法は、反応染料とアルカリを混ぜて使います。固着には、蒸しが一般的です。
MCT 染料は、藍熊染料(株)より、Kayacion 染料が入手できます。下記染料が推奨できます。
Kayacion Yellow P5G
Kayacion Yellow PN3R(三原色)
Kayacion Red P4BN(三原色)
Kayacion Turq. P3GF
Kayacion Blue P3R
Kayacion Blue PNFB(三原色)
Kayacion Navy PN2R
三原色とは、ブラウン、オリーブ、グレー等中間色をだす時に配合する染料です。
ブラックは、VS 染料を使った方が深いブラックになります。MCT 染料と重色しても大丈夫です。
MCT 染料染液のレシピは下記のようです。
MCT 染料
重曹 2.5%
尿素 10-15%
ポリミンL 1%
アルギン
ポリミンL は還元防止剤で、反応染料の変退色を防ぎます。
反応染料の増粘には、アルギンを使います。
固着の蒸しは、MCT 染料で染めた生地を新聞紙で染色面同士が触れないように包み、蒸し器で蒸します。
予熱した蒸し器に入れ、
蒸します。蒸し時間は、蒸し器の条件によって変わってきます。
小巾の生地2mぐらいまでなら、蒸し器の上に底のない薫製器を置いて蒸しています。
蒸気が漏れないように、塩化ビニリデンラップ(サランラップ、クレラップ)を巻いています。
中はこのようです。薫製器の高さが不足で下に木枠を噛ましています。
固着したら、室温の水でよく洗い、ボイルした湯で洗います。