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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

拾い読み★箱根駅伝≪往路・朝刊2≫

2017年01月03日 08時45分42秒 | スポーツあれこれ
【谷口浩美】
逆転の可能性ある早大、重要となる区間は6区


 第93回東京箱根間往復大学駅伝競走・往路(2日、東京・大手町-神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場=107・5キロ)往路優勝を飾った青学大3区の秋山の我慢強さが光った。2位でスタートし、前半はトップの神奈川大との差を詰められなかったが、辛抱強く追いつき、一気に引き離せたのは実力通りだ。

 往路2位の早大は青学大を33秒差で追う。1区間ずつ確実にレースを運べば、復路に下田や田村ら有力なカードを残している青学大が万が一、つまずいたときに逆転する可能性はある。

 従来、タイム差の広がることが多かった5区の距離が短縮されたこともあり、シードを狙えるチームが小差でひしめいている。山下りの6区は、差を広げるチャンスのある区間。復路の中で、より重要になるだろう。 (日体大OB。1991年世界選手権男子マラソン金メダル。92年バルセロナ、96年アトランタ五輪代表)


青学大、“湘南の神”で往路V3!秋山が区間賞の快走で逆転
 青学大が5時間33分45秒で、3年連続3度目の往路優勝を飾った。2位でたすきを受けた3区の秋山雄飛(4年)が、2年連続の区間賞となる快走でトップに躍り出て、逆転勝利に貢献。湘南海岸沿いをコースに含む区間で“湘南の神”が誕生した。3日の復路(5区間、109・6キロ)で、史上6校目の3年連続総合優勝と、同4校目の大学3大駅伝(出雲、全日本、箱根)3冠に挑む。


 山の神が去った青学大に、湘南の神が現れた。13キロすぎ。先頭の神奈川大・越川堅太(1年)を捉えた秋山に、運営管理車の原晋(すすむ)監督(49)から指示が飛んだ。「腕を縦に振れ!!」。即座に反応した秋山は、陸上の短距離走のように腕を縦に大きく振るフォームでギアをあげ、一気に抜き去った。

 「簡単ではないと思ったけれど、抜けばヒーローだと思っていた」

 穏やかな陽光に照り映える湘南海岸を横目に逆転劇を演じた秋山が、3年連続の往路制覇の立役者になった。

 2区でエースの一色恭志(4年)がトップを奪えず、差を広げられる想定外の展開。神奈川大と38秒差の2位でスタートしたが、秋山は「飛ばしすぎたらばててしまう」と冷静だった。13キロすぎに先頭の神奈川大・越川を抜き去り、ラスト1キロを迎えた秋山に、原監督から、最後のムチが入った。

 「区間賞を狙える! 湘南の神になれるぞ!」

 再び、指揮官の声に反応した秋山はラストスパート。1時間3分3秒で2年連続の勲章をつかんだ。2位の早大に1分22秒差をつけて、4区にたすきをつないだ。「自分は凡走だったけれど、プラスで返してくれた」と一色。エースに頼り切らない選手層の厚さを同じ4年生が証明した。

 テレビ放送でゲスト解説を務めた、昨年の優勝メンバーで“3代目・山の神”こと神野大地(現コニカミノルタ)からお墨付きをもらった。

 神野 「湘南の神になったね」

 秋山 「山の神に言っていただいてうれしいです!!」

 憧れの先輩からのねぎらいの言葉に“湘南の神”から白い歯がこぼれた。

 不振を極めた1年だった。前回の箱根路には優勝メンバーとして名を刻んだが、昨年7月に気管支ぜん息を発症。いずれも優勝した同10月の出雲駅伝、同11月の全日本大学駅伝はメンバー漏れ。箱根駅伝のメンバー選考に関わる同12月上旬の千葉・富津市での合宿でも動きは戻らず、原監督が「500%使えるメドが立たなかった」と打ち明けたほどの状態だった。

 それでも指揮官は見捨てなかった。「(昨年3区区間賞の)成功体験を重視したかった」。29日の区間エントリーで3区に抜擢(ばってき)し、レース前から「湘南の神になろう」と励ましていた。

 史上6校目の大会3連覇と同4校目の大学3大駅伝3冠に王手をかけた。原監督は大会前、自身9度目の箱根路での指揮とV3&3冠をかけて「サンキュー大作戦」とスローガンを掲げた。「大会前は(優勝確率が)39%だったけど、往路優勝して93%」と自信をのぞかせた。33秒のリードで臨む復路では補欠として登録している昨年8区で区間賞の下田裕太(3年)と、昨年4区で区間賞の田村和希(同)を投入する予定だ。

 「速い、強いランナーが控えている。どんと構えて3連覇、3冠を目指す」と原監督は宣言した。“常勝青山”が黄金時代を築く。 (鈴木智紘)


1区で4位と健闘した梶谷瑠哉(2年)
「スタートしてから落ち着いて走ることができた」

区間賞の期待がかかるも2区で区間3位に終わった一色恭志(4年)
「予想以上に(神奈川大の)鈴木君が速かった。完全に僕の力負け」

5区で区間8位に沈んだ貞永隆佑(3年)
「頂上あたりできつくなって、体が動かなかった」

秋山 雄飛(あきやま・ゆうひ)という男
 ★生まれ 1994(平成6)年5月2日生まれ、22歳。兵庫県出身
 ★名前の由来 勇ましく盛んに活躍するようにと名付けられた
 ★経歴 小3で陸上を始める。兵庫・須磨学園高3年時に出場した全国都道府県対抗駅伝の4区で区間賞。2013年、青学大に入学。箱根駅伝では3年時から2年連続で3区区間賞
 ★尊敬する人物 青学大の先輩で“3代目・山の神”こと神野大地(現コニカミノルタ)
 ★進路 青学大卒業後は、実業団の中国電力で競技を続ける
 ★サイズ 1メートル78、60キロ
 ★好きな芸能人 女優の堀北真希

3区
 戸塚中継所から平塚中継所までの21・4キロ。正面に富士山、左側には相模湾を望む海岸線のコース。風の影響を受けやすいのが特徴。これまでの区間最高記録は2012年に山梨学院大のオンディバ・コスマス(当時4年)が出した1時間1分38秒。

青学大陸上競技部
 1918(大正7)年創部。43年の箱根駅伝に初出場。11位の最下位に終わった。2009年に史上最長のブランクとなる33年ぶりの本戦出場を果たし、翌年8位でシード権を獲得。近年急激に力をつけ、12年出雲駅伝で優勝。拠点は青学大相模原グラウンド。長距離部員は44人。たすきの色はフレッシュグリーンに白のライン。主なOBは神野大地(コニカミノルタ)ら。原晋(すすむ)長距離監督。

【箱根駅伝観戦記】
燕・石川、仲間の思い背負い…仕事果たした青学大・一色君

青学大OBで、球界屈指の箱根駅伝ファンのヤクルト・石川雅規投手(36)が2日、サンケイスポーツに「観戦記」を寄稿した。現役投手最多の通算152勝(137敗)の“小さな大投手”が見た箱根駅伝の魅力とは-。往路は「青学大の強さはチーム力」などとつづった。

 私は物心がついた頃から箱根駅伝を見てきました。「正月が来たな」と強く感じるし、チームがたすきをつなぐ駅伝に感動します。

 今年の往路は母校の青学大が選手層の厚さ、チーム力を発揮しました。野球も駅伝も、一人ではできません。箱根駅伝の魅力はチーム競技であること。2区で青学大の一色君に、控えの田村健人君(4年)が必死に並走して給水用のボトルを渡し、励ましていたシーンが印象的でした。本調子でなかった一色君ですが、仲間の思いも背負い、自分の仕事を果たしてくれました。

 「1月2日に走る重み」を感じます。この日のために1年間、準備する。私も年齢を重ね、マウンドに上がるまでの準備の大切さを感じるようになりました。最近は「並々ならぬ努力をしてきたんだな」という目線に変わりました。

 青学大が初めて総合優勝した2015年。私は東京・大手町のゴール地点にいました。自然と「頑張れ!!」と声が出ました。そして、各大学のランナーが母校のたすきを胸に駆け抜ける姿を見て、涙がこぼれました。青学大には勝って当たり前のプレッシャーがあると思います。今大会を最後に陸上から離れる4年生もいるでしょう。いま持っている力を出し尽くしてもらいたいです。 (ヤクルトスワローズ投手)

石川 雅規(いしかわ・まさのり)
 1980(昭和55)年1月22日生まれ、36歳。秋田県出身。秋田商高から青学大を経て、2002年ドラフト自由枠でヤクルト入団。1年目から先発ローテーションに定着し、新人王に輝いた。08年には最優秀防御率(2.68)のタイトルを獲得。15年はチームトップの13勝(9敗)を挙げ、リーグ優勝に貢献した。通算成績は404試合に登板し、152勝137敗、防御率3.76。1メートル67、73キロ。左投げ左打ち。既婚。今季年俸1億8000万円。背番号19。


早大、逆転Vへ33秒差2位!相楽監督「十分に射程圏内」
 6年ぶりの総合優勝を狙う早大が、青学大に33秒差の2位につけた。相楽豊監督(36)は、逆転を期す復路のキーマンに井戸浩貴(4年)を指名した。神奈川大の主将、鈴木健吾(3年)はエースが集う“花の2区”では同大初となる区間賞を獲得。12年ぶりのシード権確保へ、上々の位置で往路を終えた。

 5区終盤にさしかかった下り区間。2位の早大・安井雄一(3年)が、1位の青学大・貞永隆佑(3年)を猛烈に追い上げた。一時は1分50秒あまりつけられた差をグングン縮めると、33秒差まで詰めてゴールした。

 「最後の直線で青学大の姿が見えて、『追いつけたなあ』と…。1キロごとに1秒を削りだしていたら復路を楽にできたのにと思い、悔しかった」

 走り出した瞬間、「鉛のように足が重くて動かなかった」。ペースが上がらず、貞永に離されて「気持ちが折れそうになった」が、沿道の声援に励まされ、「リズムを取り戻せた」という。相楽監督は「下りで力が残っていたのはうれしかった」としたが「合計タイムをみると抜けていたはず」と複雑な表情だ。

 それでも、序盤から先頭集団でレースを展開し、王者、青学大に食らいついた。近年のチームの中でも厚い選手層を誇り、十分に逆転可能な差で復路をスタートできる。「全員が数秒詰めていけばひっくり返せる。十分に射程圏内」と指揮官は自信を示す。復路優勝16度は最多。前回総合優勝した2011年も復路優勝での逆転勝利だった。復路に強い伝統を受け継ぐキーマンとして、監督が挙げたのが井戸だ。

 「復路の柱。泥臭い“復路の顔”をしてますしね」

 兵庫・龍野高から一般入試での入学ながら、1年時に8区で箱根に出場。昨年は“花の2区”の裏返し・9区で区間賞を獲得した。先月29日の区間エントリーで控えに回したのは、勝負がかかる区間に投入する“切り札”だからこそ。さらに3~4人のメンバー変更を念頭に戦術を練り直す。

 昨年は復路当日の朝、6区に予定していた主力の三浦雅裕(当時4年)が体の痛みを訴えて出場できないという“恐怖の電話”が監督に入った。今年は選手の故障さえなければ、戦う力はある。「青学大も主力を残しており、楽観はしていない。油断することなく準備したい」。14度目の総合優勝へ、監督の目が光った。(只木信昭)

2011年復路逆転優勝VTR
 往路で27秒差の2位だった早大は、復路を5時間29分34秒で優勝。合計10時間59分51秒の大会新(当時)で18年ぶり13度目の総合優勝を果たした。6区の高野寛基(4年=当時、以下同)が給水補助員と接触し、直後に凍結した路面に滑って転倒するアクシデントに見舞われたが、東洋大・市川孝徳(2年)と抜いては抜かれるトップ争いを演じた。高野が区間2位の走りでトップでたすきを渡すと、7区以降も区間2~3位の安定した走りで東洋大の追い上げを振り切った。その差21秒は、現在でも最小差の記録となっている。

早大、復路組は絶好調!平主将「期待できる」
 6年ぶりの総合優勝を狙う早大が、青学大に33秒差の2位につけた。

 井戸ら早大の復路組は、3日の出番に備えて応援に行かず、調整に専念した。駒野亮太コーチが状態をチェック、異常があれば相楽監督に連絡する手はずだったが、「全員、調子がいい」と監督。3区を走った平和真主将(4年)は「往路以上に期待できるメンバー。30秒差なら大丈夫」と期待を寄せた。


塩尻、8人抜きで流れ変えた!下克上へ順大3位
 順大は2年連続のシード権獲得が見えてきた。1区で15位と沈んだが、流れを変えたのはリオデジャネイロ五輪男子3000メートル障害日本代表の塩尻和也(2年)。花の2区で区間5位の力走を見せた。

 「自分は(思ったより)順位を上げられなかったけれど、後ろが上げてくれて助かった」

 2008年北京五輪に出場した早大・竹沢健介(現住友電工)以来となる五輪代表ランナーは、スタートから飛ばした。2キロ過ぎには7位集団の先頭に立ち、前の青学大や早大ら優勝候補との差を詰めようと必死に足を前に出した。8人抜きでチームを7位に押し上げた。

 昨年8月の北海道・士別市での夏合宿には、OBで「初代・山の神」と呼ばれる今井正人(32)=トヨタ自動車九州=が参加。「きついところからが勝負」と金言を授かった。

 「下克上がチームスローガン。それは十分達成できた」。昨年4月から指揮をとる長門俊介監督(32)は往路3位に満足げ。世界を体感したエースの走りが上位浮上のきっかけとなった。 (角かずみ)


東洋大1区・服部が区間賞!東海大・鬼塚に1秒差
 東洋大1区の服部弾馬(はずま、4年)が、最後の最後で逃げ切り、東海大の鬼塚翔太(1年)を1秒差でかわして区間賞を獲得した。自身は最低目標を達成も、チームは5区で順大に抜かれ、往路を4位でゴール。卒業後はトーエネックで競技を続ける21歳は「足が重かったけど、区間賞を取れたのはうれしい。あしたの復路はきっとやってくれると思う」とチームメートに期待した。


駒大4区・中谷、順位4つ落とす大誤算
 故障明けで4区を任された駒大のエース・中谷圭佑(4年)が、5位でたすきを受けるも順位を4つ落とす大誤算。5区の大塚祥平(4年)が区間賞の走りで何とか5位で終えたが、往路優勝の可能性もあっただけにメンバーは暗い表情だった。大塚は今年3月のびわ湖毎日で初マラソンに挑戦する予定で「素直に区間賞はうれしい。20年東京五輪を狙えるような選手になりたい」と早くも先を見据えた。


“伏兵”鈴木、花の2区で神奈川大史上初区間賞!/箱根駅伝
 涼しげな顔でたすきをつないだ。花の2区で、予選会を勝ち上がった神奈川大の“伏兵”鈴木が1時間7分17秒で疾走。2区での区間賞は出場48度目の神奈川大にとって史上初の快挙だ。

 「最後は、死ぬ気で走った。いい走りができた。最高の気分」

 今大会から5区の距離が20・8キロに短縮され、23・1キロの2区が最長区間に。青学大・一色恭志(4年)、リオ五輪の3000メートル障害に出場した順大・塩尻和也(2年)、山梨学院大・ニャイロ(2年)、拓大・デレセ(2年)ら各校のエースが顔を揃えた2区で躍動した。レース前に考えていた残り8キロと3キロ地点でペースアップを完璧に実行した。地元で初の区間賞を獲得し「狙い通りの展開」と笑った。

 3年生の鈴木は主将としてチームを引っ張る。新チーム発足当初は4区を走った東瑞基(4年)が主将を務めていたが、けがに悩んだ。

 神奈川大の主将の理想像は『一番速く走れ』『背中でチームを引っ張れ』。昨年4月、主将を変更するための臨時会議が開かれた。最初は4年生の多くが3年生の鈴木の主将就任に反対したが「チームのプラスになるなら」と快諾した。

 座右の銘は「コツコツ」。神奈川大の主将像のように、練習から背中で示した。関東インカレ(2部)1万メートルで3位、昨年10月の箱根予選会(20キロ)では58分43秒で日本選手トップ(全体3位)と常に成績を出してきた。

 「コツコツと積み上げてきたことが結果につながってよかった。何としても12年ぶりのシード権を獲得したい」

 往路6位の原動力となった鈴木。プロ野球・広島の鈴木誠也外野手が活躍して生まれた昨年の流行語大賞『神ってる』。2017年も“神ってる”!? (石井文敏)

★父・和幸さん成長実感
 会社員の父・和幸さん(46)と母・幸さん(46)が応援に駆けつけた。愛媛・宇和島南高まで陸上競技部だった和幸さんは「昔、自転車や原付きバイクに乗って一緒に走ったりしました」と成長を実感。幸さんは「頑張りました」と目を細めた。宇和島東高時代の恩師、和家哲也陸上競技部顧問(45)も沿道応援。「昔は練習をやりすぎないように止めることが多かった」と懐かしんでいた。

鈴木 健吾(すずき・けんご)
 1995(平成7)年6月11日生まれ、21歳。愛媛・宇和島市出身。城東中1年から本格的に陸上競技を始める。宇和島東3年時の全国高校総体で5000メートル10位。1万メートルの自己ベストは28分30秒16で昨年大会は2区を走り14位。家族は父・和幸さん、母・幸さん、姉・舞さん(24)。1メートル63、45・5キロ。

箱根駅伝
 正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」。世界最古の駅伝大会。世界に通用するマラソン選手の育成を目的に、日本初の五輪マラソン代表・金栗四三の発案で1920(大正9)年に始まった。10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝に続く大学3大駅伝の最終戦。毎年1月2、3日に実施。オープン参加の関東学生連合をあわせ、計21チームが参加する。最多優勝は中大の14度。


創価大、4区・祐慈が追い上げ 監督「シード権取りたい」
 創価大は1区を17位で終えるも、そこから底力を見せた。2区で10位、3区で7位とすると、4区で主将のセルナルド祐慈(4年)が快走を見せ、5位まで順位を上げた。5区で9位に落ちるも、予選会3位で出場を決めているだけに、瀬上雄然(ゆうぜん)監督(54)は「3、4区の2人が本当にいい駅伝をしてくれた。あしたは、チームの目標でもあるシード権を何とか取りたい」と力を込めた。

11位に終わった帝京大・中野孝行監督
「6区でいい流れに持っていければ」


東海大、4区間1年生も番狂わせ起こせず
 番狂わせは起こせなかった。東海大は初優勝を狙い、往路4区間で1年生を起用するも、2区のルーキー、関颯人(はやと)が区間13位と大ブレーキ。その後の3選手も波に乗れず、まさかの15位に沈んだ。1区の鬼塚翔太(1年)だけが区間2位と力を見せたが「最後は(東洋大の服部に)勝ちたかった。1区の役割を果たせたけど、勝てずに悔しい」と下を向いた。

(以上 サンスポ)


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青学大3年連続往路V 原マジックで3冠&3連覇に王手
 青学大が5時間33分45秒で3年連続となる往路優勝を果たし、総合3連覇と、出雲、全日本に続く大学駅伝3冠に王手をかけた。原晋監督(49)が3区に起用した秋山雄飛(4年)が直前までのスランプを払しょくし、区間賞を獲得する活躍でトップに立つと、そのまま逃げ切った。前回までの快進撃を支えた神野大地(現コニカミノルタ)の卒業などの不安要素を覆し、フタをあけてみれば今年も“原マジック”がさく裂した。

 神がいないならつくればいい-。3冠に王手をかけた青学大の原監督は、そう言わんばかりに高笑いした。「サンキュー指数が39%だったのが、93%になった。復路で勝って139%になります!!」。神野が卒業し、戦力ダウンがささやかれた今回も原マジックは健在。各チームが往路に主力を結集してきた“青学包囲網”を正面から突き破った。

 この日、神に仕立て上げられたのは大スランプ男の秋山だった。3区でタスキを受け取ったのは、トップと39秒差の2位。いつもなら焦るところだが、この日はいつもとひと味違う。「焦らないように、まずは富士山を見ながら走った。ここで抜いたらヒーローになれると。テレビでどう映ってるかとか、いつガッツポーズをしようかとか考えた」。前向きな気持ちが自然と足を動かし、湘南コースでトップに躍り出た。

 昨年3区区間賞を獲得しながら、今季は練習から信じられないような悪いタイムを連発し、出雲駅伝、全日本駅伝にも不出場。体調が優れないため、夏に医師の診察を受けたところ「気管支ぜんそく」と診断された。吸引薬を服用し、走り方や調整方法を工夫したもののコンディションは上向かず、秋山は「気持ちが折れた」と絶望の淵に立たされた。

 指揮官も「練習を見て(箱根駅伝の)10日くらい前までは500%無理と。秋山を使う可能性はゼロだった」と内幕を明かしたが、最後の可能性に懸け「魔法を使いました!!」。12月下旬に「監督から『湘南の神になれる』と前向きなことを言ってもらってスイッチが入った」と秋山。トレーナーからも「問題はフィジカルではなくメンタルだ」と助言を受け、吹っ切れた。「病は気から」という魔法のおかげで完全復活を果たした。

 秋山の快走に救われたのは、2区を走ったエース一色。「自分の凡走を秋山が打ち消してくれた」と、土壇場で力を発揮した同期にサンキューを伝えた。復路に向けても勝利の方程式は盤石だ。準エース級の下田裕太(3年)、田村和希(3年)の温存に成功し、指揮官は「安心して戦える」と投入を予告。指揮を執って9度目の箱根路での3連覇&3冠へ。「サンキュー(3・9)大作戦」成功へ秒読み態勢に入った。

エースの意地!青学大・一色 ラスト走は2区区間3位「今回が一番キツかった」
 青学大が5時間33分45秒で3年連続となる往路優勝を果たし、総合3連覇と、出雲、全日本に続く大学駅伝3冠に王手をかけた。

 エースとして絶対的な存在感を見せることはできなかったが、役割は全うした。3年連続で“花の”2区を任された青学大の一色恭志(4年)は悲願の区間賞は逃したが、区間3位でまとめ、しっかりと流れを作った。

 「今回が一番キツかった。凡走です」

 4年間、学生3大駅伝を皆勤したが、区間賞はゼロ。ただ、それは常に主要区間で留学生や各校のエースと戦ってきた証しでもある。原監督も「重圧の中での3位。内容があるし、強さを見せてくれた」とねぎらった。

 かつてはチームメートに「足を引っ張るなら辞めてくれ」と言い放つこともあったほど勝ち気だったエース。しかし、この日は仲間の走りに助けられ「チームの総合力で勝った。感謝してます」と、柔らかな表情で感謝の言葉を口にした。


早大“王者”の背中見える33秒差2位 復路で逆転優勝狙う
 6年ぶりの総合優勝を狙う早大は5時間34分18秒で、往路優勝の青学大と33秒差の2位につけた。区間賞こそいなかったが、2区を除く4区間の選手が区間4位以内の安定した走りを披露。前回大会9区区間賞の井戸浩貴(4年)ら主力も残る復路で逆転優勝を狙う。4、5区で奮闘した順大が3位。4位には東洋大、5位には駒大が続いた。

 決して思い通りのレースではなくても、しっかりと“王者”の背中が見える位置で往路を終えた。名門復活を告げる6年ぶりの総合優勝へ、青学大とは33秒差。3区で区間2位の走りを見せた早大の平主将は「33秒差の2位は悪くない。復路の選手も今日の僕らの走りで感じる部分があるはず」と、逆転戴冠に自信をみなぎらせた。

 大会2週間前にエース格の2年生永山と平主将が足に違和感を訴え、不安を抱えた状態でレースを迎えた。2区を走った永山は区間10位。続く3区の平主将も15キロ過ぎに左ふくらはぎがけいれんしたが、なんとか踏ん張り、タスキをつないだ。平主将は「僕さえ良ければ、もっといいレースができた」と悔やんだが、それでも青学大に迫れたのは、チームの地力が上がっている証拠。山上り5区で1分29秒差を33秒差まで詰めた安井は「青学が見える位置なのは最低限。復路は自信がある」と、仲間たちに思いを託した。

 復路には前回9区区間賞の井戸ら主力級の選手が控える。相楽監督は「2分以内なら反撃できると思っていた」とうなずき、「青学も主力を復路に残しているので、楽観視はしない。(当日のエントリー変更で)3~4人代える」と、勝負手を打つことを示唆した。歴代2位の13度の優勝を誇る名門が、“ストップ・ザ・青学”の最後の砦(とりで)となる。


順大 下克上Vへ堂々の3位 山田攻が快走“山”を“攻”め抜いた
  “下克上”をテーマに掲げる順大が、堂々の3位に食い込んだ。山上り5区に起用された山田攻(2年)が、その名の通り山を攻め抜き、区間5位の走りで6位から3位まで順位を上げた。夏の合宿でOBの元祖山の神、今井正人(トヨタ自動車九州)から走りの助言をもらったという山田は「今井さんに少しでも近づけたらと思ってた。名前はよくいじられるけど、山は好きなんで」と胸を張った。


神奈川大が往路6位 「花の2区」を鈴木健吾が制す
 陸上長距離界にニューヒーローが誕生した。名だたるエースがそろう「花の2区」で区間賞をゲットしたのは神奈川大の鈴木健吾(3年・宇和島東)。歴代8位となる1時間7分17秒の好タイムで走り抜け、往路6位の原動力となった。

 「いい形でたすきをもらえて前半はリラックスして走れました。ラストをしっかり走ろうと思っていましたが、自分の走りができました。苦しかったけど根性でした。区間賞は取れるとは思っていなかったけど、隙あらばと思っていました」

 2区には大学ナンバーワンの一色(青学大)もいれば、昨年同区間2位のニャイロ(山梨学院大)を含めて外国人留学生が4人もいた。鈴木は昨年10月の予選会で日本人トップタイムをマークした実力を発揮。1位と5秒差の5位でたすきをもらうと先頭集団を引っ張って残り8キロでスパート。同校の2区区間賞は史上初。一色を置き去りにしての快走に「素直にうれしい」と喜んだ。

 飛躍の理由は頑丈な体と責任感だ。全国高校駅伝を経験したこともある父・和幸さん(46)の勧めで小6から陸上を始めたが、ここまでけがとは無縁。さらに3年になった今季から、4年生がいる中で主将を任されたことで自覚が芽生えた。「背中で引っ張ろうと思いました」。12月は箱根駅伝直前ながら月間900キロを走破。いくら練習しても壊れない体が後半のスタミナを支えた。

 「アイツは機械のように走る」と話す大後栄治監督(52)は来季の挑戦を予定しているマラソンも「楽しみ」と目を細める。まずは3日の復路。12年ぶりシード権獲得を目指して同僚たちを応援する。

(以上 デイリー)


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青学大は復路に実力者、逆転の順大/箱根駅伝展望
 <箱根駅伝復路展望> 青学大の総合優勝の可能性が大きくなった。復路の青学大には実力者がそろう。7区には1万メートルでチーム1番の記録を持つ田村、8区には昨年区間賞で、昨年東京マラソン日本人2位の下田、10区は2年前の初優勝時にゴールテープを切った安藤主将が、いずれも補欠から投入される見込み。

 早大も昨年9区区間賞の井戸、光延ら有力選手を残す。33秒差。青学大と早大のマッチレースが予想される。往路3位の順大も総合優勝計11回の実績で、「復路の順大」「逆転の順大」とも言われる。3区10位から急激に順位を上げた勢いもあり、台風の目になる可能性もある。


青学大が往路V、3区に「湘南の神」秋山雄飛が降臨
 「山の神」ではなく「湘南の神」が降臨し、青学大が3連覇と大学駅伝3冠に王手をかけた。湘南の海岸線を走る3区で、秋山雄飛(4年)が2年連続の区間賞でトップに浮上。「山の神」不在の5区での貯金を確保し、2位早大を33秒差で振り切る5時間33分45秒で3年連続の往路優勝を飾った。今日3日の復路は、午前8時にスタート。往路、復路を制しての総合3連覇となれば、1937年(昭12)の日大以来80年ぶりの快挙になる。

 神懸かっていた。8日前まで出場を絶望視されていた秋山が懸命に腕を振る。左に相模湾、正面に富士山を望む13・1キロ地点。「富士山はきれいだな」と楽しみながら、首位に立つ。2年連続の区間賞。テレビ解説を務めた「山の神」こと、先輩の神野大地(現コニカミノルタ)から「湘南の神」と命名された。

 1区候補だった1年生の鈴木が故障。代役の梶谷(2年)は4位と健闘も、逆転を狙った2区のエース一色(4年)は、神奈川大の後塵(こうじん)を拝す。狂ったプランを修正し、救世主になったのが「湘南の神」だった。

 原監督は「1年365日で、350日以上、死んでいた」と振り返る。昨年も同じ3区で区間賞も、その後は原因不明の不調に陥った。4、6月の大会の5000メートルは16分台と中学生時代の記録まで低下。精密検査で軽いぜんそくは判明したが、肉体的な問題はない。原監督はもちろん、チームメートからも一時はさじを投げられた。

 12月に入っても調子は上がらない。第1次メンバー選考を兼ねた同14日の1万6000メートル、同22日の5000メートル×2本も凡走。原監督も「500%使えない」と胃が痛むほど悩んだ。「もうメンバー入りは無理」とあきらめかけた。

 秋山はもともと、ネガティブで浮き沈みの激しい性格。佐藤トレーナーから「体は悪くない。箱根を気持ち良く走る方法を見つけよう」などと、毎日1時間の対話。昨年3区区間賞の成功体験をよみがえらせ「湘南の神になりたい」と言うまでにメンタルを回復させた。本番8日前、最終選考で好走し、メンバー発表前日28日に選出された。

 この日は勝利より「湘南の神になる」と考えて不安を打ち消し、湘南の風に吹かれた。「支える方がいなかったら、今も膝を地面につけたままでした」と独特な表現で喜びを表した。

 最大の懸案材料だった秋山に「神」が降臨し、往路制覇。V3と大学駅伝3冠に王手をかけた。早大と33秒差。原監督は「うれしい誤算。100点満点。復路も強いランナーがそろう。V3&3冠へ、ドーンと構えていきたい」と余裕を見せた。地獄からはい上がった「湘南の神」が、青学大の快挙へ準備を整えた。【田口潤】

 ◆秋山雄飛(あきやま・ゆうひ)1994年(平6)5月2日、兵庫県三田市生まれ。小学3年から陸上を始める。三田学園中3年の全国中学大会3000メートル4位。須磨学園高3年の全国都道府県対抗駅伝4区区間新記録。13年に青学大入学。今春からは中国電力に入社。愛称は「隊長」。好きな女優は堀北真希。178センチ、60キロ。

 ◆優勝メモ 往路と復路をともに制しての総合優勝は、過去12校が41回達成。そのうち、3年連続で成し遂げたのは、第16回大会(35年)から4連覇した日大だけ。青学大が復路に優勝し、3年連続での往路と復路の優勝を遂げると戦後初、歴代2度目の快挙となる。

 ◆大学駅伝3冠 10月の出雲、11月の全日本、翌年1月の箱根を制すること。90年度の大東大と00年度の順大、10年度の早大が達成した。青学大が実現すれば、6年ぶり史上4校目。箱根3連覇は、04年駒大以来、13年ぶりになる(駒大は05年まで4連覇)。


早大が往路2位 青学大に33秒差、逆転V圏だ
 名門早大が、復活ののろしを上げた。首位の青学大に33秒差の5時間34分18秒で、13年大会以来の往路2位につけた。3区で主将の平和真(4年)が区間2位と力走し、6位から2位に浮上。5区の山登りでは、一時は青学大と2分近く離されたが、安井雄一(3年)が後半に追い上げた。大学駅伝3冠を達成した10~11年でも、箱根は往路2位から総合V。打倒青学大と同時に、中大と並ぶ最多14度目の総合優勝も見えてきた。

 早大は、青学大と33秒差の2位でフィニッシュ。「悪くても首位と2分差内」との想定を上回る出来に、相楽監督は「反撃できる範囲」と期待を込めた。

 5区スタート時点で、青学大との差は1分29秒。安井は走る直前まで「区間賞を狙える自信があった」。スタートすると「走り始めた瞬間につりそうになった」。約7・5キロ地点の大平台で、1分56秒差に開いた。ゴールまで10キロを残した時点でエンジンがかかり、最後は一気に差を詰めた。

 昨年11月の全日本でアンカーを任されながら、優勝目前だったチームを2位に落とした。それ以来、「何かを我慢して自分を追い込む」と、レース前に必ず食べていた好物のメロンパンを封印。この日は、ゴールで待つメロンパンと全日本の雪辱が原動力で、最後には「リズムを取り戻せた」と踏ん張った。

 安井の頑張りにつなげたのは、3区の平だ。2区の永山(2年)とともに、2週間前に行った10マイル走で、足を痛めた。永山が区間10位と沈む中、「3区を走りたい」と自ら志願しただけに、痛む左ひざをものともしなかった。区間2位でチームを2位に押し上げた。

 早大は、中大の14回に次ぐ歴代2位、13回の総合優勝回数を誇る。しかし、11年に3冠を達成して以来、3大駅伝で1度も優勝していない。相楽監督は「気をつけていたが、3冠でどこか慢心があったのかもしれない」。3冠時の渡辺監督が15年の箱根を最後に退任することでチームにカンフル剤を注入。今季は、渡辺監督の下でコーチだった相楽体制になって2年目、再び優勝が狙える位置に戻ってきた。

 往路でメンバー変更をしなかったため、復路は最大4人の選手変更が可能だ。補欠には井戸、佐藤(ともに4年)、光延(3年)、新迫(1年)ら、エース級が控える。特に昨年9区区間賞の井戸は、出雲、全日本を回避したスランプから脱し、相楽監督が「往路に使えるほど好調」と言うキーマン。最多優勝への準備は十分に整った。【吉松忠弘】


神奈川大・鈴木2区区間賞 瀬古氏はマラソンも期待
 ダークホースが「花の2区」を制した。神奈川大の鈴木健吾(3年)が、1時間7分17秒で区間賞を獲得した。昨年2月の東京マラソン日本人3位の一色恭志(青学大)ら各校のエースを抑え、区間歴代8位の好走だった。10月の予選会で日本人トップの3位だった男が、チーム初となる戸塚中継所首位でのタスキリレーをもたらし、将来への可能性を示した。

 タスキを渡し終えた直後、鈴木は膝に手すらつかなかった。座り込み、肩で息をする一色の姿を背に、淡々と着替えを始めた。学生最強ランナーに区間39秒差をつけ、なおこの余裕。鈴木は「後半勝負だと思っていた。最後の坂の攻略法は根性。死ぬ気で走りました。区間賞は狙ってなく、驚きました」。17キロすぎにギアを入れ、後続を一気に引き離した。右足のまめがつぶれて出血しながら、勢いは最後まで衰えなかった。

 3年生ながら、昨年4月から主将になった。当初は4年生が主将だったが、けがと重圧で調子を崩した。反対意見もある中、選手間ミーティングで任命された。これまで主将の経験はなく、人前は苦手。チームに向かって話した後は吉野主務(3年)に「今の発言どうだった?」と聞く。言葉で引っ張る自信はない。結果で示すしかなかった。

 誰より走る。宇和島東高の恩師・和家哲哉さん(45)は「練習をやりすぎないように、やめさせるのが大変だった」と言う。朝練後、午後から20キロ走のメニューの日。その間の時間を使って自主的に20キロ走り、けがにつながると怒られたこともあった。中学時代までは宇和島南高で全国高校駅伝に出場の父和幸さん(46)のスクーターを追い、海岸線を10キロ走るのが休日の日課。鈴木は「特別なことはしていない。コツコツと積み重ねた結果」。平凡な言葉に強さの秘密が詰まる。

 理にかなったフォームが練習量の下地にある。大後監督は「足が着地の時、重心が前にある。だからブレーキがかからない。負担も少ない。天性のものもある」と説明する。

 鈴木は東京五輪を具体的にイメージしておらず、目標は「実業団に行きたい」と現実的。ただ日本陸連の瀬古長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「マラソンをやれば東京五輪を目指せそう」と期待する。初マラソンは来年2月の東京を予定。適性が色濃く出る山登りでなく、平地で実力を示した。力はある。【上田悠太】

 ◆鈴木健吾(すずき・けんご)1995年(平7)6月11日、愛媛・宇和島市生まれ。小5までソフトボールをプレーし、主に9番ファースト。城東中から陸上を本格的に始め、宇和島東高3年の高校総体で5000メートル10位。箱根駅伝は1年時から順に6区19位、2区14位、1万メートルの自己記録は28分30秒16。好きな芸能人はミランダ・カー。好きな食べ物はミカン。163センチ、45・5キロ。血液型B。

 ◆区間賞メモ 混戦を象徴するように、往路は5区間とも違う大学の選手が区間賞を獲得した。これは11年大会以来6年ぶり。当時は1区から大迫(早大)、村沢(東海大)、コスマス(山梨学院大)、西村(帝京大)、柏原(東洋大)が区間賞。早大が総合優勝し、3冠を獲得した。


創価大が往路9位 一昨年初出場最下位から大躍進
 創価大4区セルナルド祐慈(4年)が区間5位、2人抜きの力走で、初のシード権獲得を目指すチームを往路9位に導いた。

 13キロ過ぎ、前を行く駒大のエース中谷に並ぶと、ポンと背中をたたいた。「仲間でもあり、尊敬できる選手。一緒に前を追っていこうと思いを込めました」。15年8月の夏合宿で一緒に練習した中谷はついてこれなかったが、セルナルドのペースは最後まで落ちなかった。「後半は、自分の思い通りの走りができた。チームに貢献できたと思います」と、振り返った。

 父がフィリピン人で、母が日本人。2年前の初出場時は5区で区間最下位に終わった。「前回は出るだけで、勝負する気持ちになっていなかった」と猛省。体幹から鍛え直し、股関節を意識したスムーズな走りを心がけた。主将に就任すると「チームの絆を深め、団結力で勝っていこう」と積極的に仲間たちを引っ張り、2年前に総合20位と最下位に沈んだチームを、シード権が見える位置にまで押し上げた。

 「復路のメンバーを信じています」とセルナルド。心地よい疲れと、充実感に満ちた表情を浮かべ、芦ノ湖を後にした。【鈴木正章】


帝京大・竹下力走、常葉橘サッカー部在籍 箱根駅伝
 常葉学園橘出身で帝京大の竹下凱(2年)が1区を任され、区間7位の力走を見せた。高校2年の6月までサッカー部に在籍していた異色の経歴の持ち主は軽快にピッチを刻み、終盤まで先頭集団に食らいつき、わずか22秒差でタスキをつないだ。身長168センチながら大きな存在感を示した。

 競技歴が短いからこそ、地道な努力で着実に実力をつけてきた。昨年は箱根を走れなかったが、同3月には世界学生クロスカントリーに出場。日本の団体銀メダルに貢献する走りを見せた。中野孝行監督(53)も「竹下は(先頭に)ついて行くだけでなく、しっかりレースができていた。今後も面白い選手になると思います」と評価した。チームは最終的にシード圏外の11位に沈んだものの、一時は4位まで順位を上げるなど、活気を与えるレースを展開した竹下。今後のさらなる成長に期待がかかる。【鈴木正章】

(以上 日刊)

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