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拾い読み★2018-059≪コラム記事2≫

2018年02月28日 20時17分44秒 | マリーンズ2018

続けないと意味がない-ロッテ西野の耳に残る着信音

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>


 「あれは地獄のホラー映画でした」。

 ロッテ西野勇士投手(26)には、網膜に焼きついて離れない光景がある。

 まだ育成選手だった11年秋。当時の育成メンバー5、6人で牛丼チェーンに出掛けた。並んで食事していると、1人の携帯が鳴った。まもなく、顔が青ざめた。「おれ、クビだって」。

 すぐに別の携帯が鳴った。また青ざめる。さらに別の携帯が。順々に、球団から来季契約を更新しない旨を告げられた。もう牛丼の味などしない。「次は自分の番だ-」。覚悟を決めた。だが西野の携帯だけは、静かなままだった。

 「リアル『着信アリ』ですね」。迫り来る戦力外通告の恐怖を後日、某ホラー映画に例えた。西野はマウンド度胸を高く評価されており、12年11月に支配下昇格。翌年2月、キャンプ明けの練習試合から1軍に合流すると、とんとん拍子でこの年、チームトップの9勝を挙げた。

 当時は運転免許もなく、浦和寮から電車通勤しながら、たくさんの「史上初」を塗り替えた。育成出身初の初先発初勝利、初の1試合2ケタ奪三振。交流戦では広島前田健太(現ドジャース)にも投げ勝った。14年からはクローザーに転向。空振りを量産するフォークを武器に、侍ジャパンの守護神まで上り詰めた。

 背番号は131→67→29と若くなり、16年には1億円プレーヤーの仲間入り。年俸は1年目の240万円から40倍以上に跳ね上がった。これぞシンデレラボーイ、と思った。

 「でも活躍は続けないと意味がない。僕は去年、仕事ができなかった。あの時は『こわい』って思いましたけど、やっぱり蹴落とさないと自分も残れないし、そういう意味ではあの牛丼屋が教訓になった。競争なんだっていうのをすごく感じました」。

 先発に戻った昨季、開幕ローテ入りも右肘痛で早期離脱。靱帯(じんたい)を損傷していた。再起をかける18年。年末の納会では井口監督にお酌しながら「やりたいっていうより、先発をやるつもりでいます」と宣言した。

 今月22日、中日との練習試合に先発した。相手の若手選手の中には、西野が1軍で投げていたことを知らない選手もいた。4年活躍して、第一線から離れたのは1年だけ。それでも試合に出なければ忘れられていく。そういう世界だ。その厳しさを、西野は7年前のあの日、痛感した。

 08年ドラフトでロッテが指名したのは支配下選手が6人、育成選手が8人だった。今チームに残っているのは育成5位の西野と、同6位の岡田。2人だけだ。「今年は、しっかりやります。まだまだこれからですけど」。

 13年の1軍合流初日、取材されることにも不慣れで、小さな声で答えていたのを覚えている。「着信アリ」にならなかった当時二十歳の青年は、あの教訓を胸に、今日も戦っている。【ロッテ担当 鎌田良美】

(日刊)

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2回無安打と好投したロッテ大隣 古巣と対戦した心境は「不思議な感覚」

ソフトバンク戦で2イニングを無安打無失点、対戦が決まり「最初はマジか」も…

 懐かしい顔が、生目の杜運動公園に戻ってきた。27日、アイビースタジアムで行われた「球春みやざきベースボールゲームズ」のソフトバンク対ロッテ戦。試合前、そして試合後とロッテベンチとソフトバンクベンチを行ったり来たりし、忙しなく挨拶に回る姿があった。


 大隣憲司投手である。昨季限りで11年間在籍したソフトバンクを戦力外になり、退団。12球団合同トライアウト、そしてロッテの春季キャンプでの入団テストを経て合格した。2月16日にようやく2018年の契約を結び、晴れてロッテの一員となった男にとって、1年ぶりに戻ってきたかつてのキャンプ地。奇しくもこの地で、ロッテの選手として初の対外試合のマウンドに立つことになった。

 3回から2番手としてマウンドに上がった大隣。ホークス時代と変わらぬ正確なコントロールとキレ、緩急で、かつてのチームメートたちを手玉に取った。1イニング目は甲斐、本多、高田を相次いで打ち取り3者凡退。2イニング目の4回は柳田、内川を中飛、遊ゴロに打ち取り、中村晃には際どいボールで四球を与えたが、最後は松田の代打で登場した西田を遊ゴロに。2回無安打無失点。上々の対外試合初登板となった。

変わらなかったホークスファンからの大声援「嬉しい気持ちになりました」

 特別な感情が湧き上がってきて当然だ。打席で見る顔は、11年間に渡り、ともに戦ってきた仲間たちばかり。「一緒にやってきたメンバーばっかり。敵となってくると、気持ちが全然違う。抑えられて良かったなと思います」と振り返る。入団が決まり、この日の登板が決まった際は「最初はマジか」と思ったという。ただ、徐々に気持ちは変化した。「決まってからは楽しみだったし、敵として戦っていかないといけないんだなという気持ちが出てきた。出来れば投げたくない打線。ただパ・リーグにいるならば、投げないことはないのでと笑った。

 1年ぶりに足を踏み入れた、かつてのキャンプ地。着ているユニホームは変わり「不思議な感覚でしたけどね。敵として宮崎に来ることはないんで、不思議な感覚でした」という。ただ、変わらなかったものが1つあった。それは、宮崎のホークスファンから贈られる温かい声援だ。登板に際し、場内にアナウンスがかかると、大きな拍手と歓声に迎えられた。「本当に大きな歓声をもらって、嬉しい気持ちになりました」。2回を無失点で抑えると、またスタンドは沸いた。

 正式に契約を結んでから、まだ2週間弱しか経っていない。再起への道は、始まったばかりだ。「契約していただいただけでもありがたいことなのに、初めての登板がホークス。同じリーグなので、戦っていかないといけないチームですから、ゼロに抑えられたらいいなという気持ちでマウンドに上がりました」と対外試合初登板を終えて、ホッと息をついた大隣。「開幕ローテに入っていけるように頑張りたい。1試合でも多く、投げている姿を見せられるようにしたいです」。ロッテファンだけではない。大歓声で11年間を支えたホークスファンも、マウンドで輝く姿を待っているに違いない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)




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