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子どもとうさぎとねこと音楽のある風景

息子いっちゃん(2006年3月生)と3匹のうさぎと3匹のねこのいる歌と琴が好きな主婦の記録

うさぎの命を抱きしめて

2007年07月28日 | うさぎ
ナナちゃんの結石が手元にあるうちは、何だか落ち着かず、どこかに悔しい思いが引っかかっていました。
石を取り出せたときに、今後のために病院にくださいと言われていたので、先日治療をしてっもらった動物病院へ石を送りました。
この石の存在がほかのうさぎを救えるように、と一筆添えて・・・

その後、先生からはがきが来ました。
そのはがきを見て、泣けてきました。
私は石を送るとき、私たちと先生方に少しづつ至らないところがあった、そのやり場のない思いを石の中にしまって送り、手放したかったんです。
女の先生からのはがきには、ぷっくやこうちゃんを心配する言葉が見られました。
勝負なんかではないけれど、私は先生に負けた、と思いました。
確かに私たちにも先生にも不備があったと思います。
でも、ナナちゃんへの愛情も深かったのです。

先日受診した動物病院の先生は、すべては結果論であるし、どうすべきだったかは結果論だから言える、2cmよりもっと大きい石が出てきたこともある、私でも石は放っておいたかもしれない、とおっしゃっていました。ちらっと話しただけですが・・・。

私の苦しみは消えました。
悔しかった思いも石といっしょに送ってしまいました。

ブリーダーさんや4人の獣医師との出会いがあり、ナナちゃんが尿路結石で亡くなり、過去には2匹のうさぎがうっ滞になり、1匹は「てんかん」かもしれず・・・と、うさぎ医療のはざまを私なりに見てきました。
わからないことや、見落としたことや、専門家の誠意や、医療の限界や・・・

うさぎに関するいろいろな見方、考え方、方法があります。
そして、一つだけ言えることは、そのどれをもナナちゃんは越えて生きていたということです。
もしかしたら、やり方を少し間違っていたかもしれない私たちや先生方に処置をされているときでも、ナナちゃんは私たちみんなの愛情だけを一身に感じ取って、がんばっていたのです。
体に触れると手を必ずなめてくれました。
以前、うっ滞のときに一度は救ってくれた先生だからと信じて身を預け、だからこそ処置をすることもできた部分があったと思います。
食べたくもない野菜も私たちが誉めれば口にしました。
体が辛くても撫でれば気持ちよさそうに歯を鳴らしてくれました。
私たちふたりが見に行けば、よろこんで「コロン!」してくれました。
これがいろんな限界を越えたナナちゃんの生き方だったのです。
一番辛いときにも、ナナちゃんはだからこそ、何が一番大切なのかを示してくれました。
これが愛するナナちゃんの立派なうさぎの生き方でした。

4人の獣医師と話した経験、石とのさよなら、ナナちゃんを愛する主治医の手紙、ナナちゃんのけな気なメッセージ。。。
ようやく私の心の落ち着く先が定まりました。

そして、私の心に小さな変化も見えてきました。
これが本当のナナちゃんのくれた贈り物です。

ナナちゃんを抱きしめることができないさびしさは消せません。
でも、ナナちゃんを抱きしめた経験が私に教えてくれたことがあります。
命は生きているからあたたかい。
命は形があるから抱きしめられる。
単純なことだけど、とっても大切なことを実感として教えてくれえました。

今まで、私はどんな一生を送ろうかと、漠然と考えても、あまりよい答えは出てきませんでした。
子どもを育てているうちに、あっと言う間に過ぎるのが世の常かな。。。それぐらいのこと。
なるべく目標など持って、生きがいも持って、生き生きと生きて行きたい。。。そんな感じ。
時に応じて、いろんな価値観を持って、いろんな判断をして、よりよい方法を選んで生きていく。。。
でも、どこか違う、そう今は思います。

まず、あまり気性の合わない実母のこと。
去年は最悪の関係で、私が許せないことがあって、口も利かない期間もありました。
だいぶ修復はできたものの、時折腹の立つこともありました。
でも、そんな母のことも、腹立たしいという感情は限られた側面のことなんだと思えるようになってきました。
その人が存在している、そのことに比べれば、細かな部分的なことは小さいことなんだと、少し思えるようになってきました。
「あの人のああいうところはいいけど、こういうところはいただけない!」そうやって人を見ているのが日常です。
でも、その人が生きているからこそ、些細な行き違いもできたり、けんかもしたりするんだ。
いいことも悪いことも、そのときそのときには、ずーっと続いて行くように感じるけれど、そのときはあっと言う間に過ぎ去ってしまうものなんだ。
そんなことを感じます。

知らず知らずのうちに「家を買って、いい車を買って、何をどうして。。。」そんな目標は立てても、どんな人生を送ろうかという心の成長についてはさほど考えていませんでした。
でも、このごろ、心の成長についてしっかり見すえている人たちの言葉が耳に残ります。
先日見たソニーの「僕らの音楽」で話していた樹木希林さんの言葉、絵描きのMAYA MAXXの言葉、「女性の品格」の著者の言葉。。。
言葉通りではないけれど、共通しているのは、あたたかくて落ち着いていて、周囲の人たちを思い遣るような人になりたい、なろう、と言っているんだと思います。
それはきっと、ひとつひとつの命を尊んで、大切にしている人たちなのだと思います。
きっとそんな人というのは、目に見えてわかるものではなくて、その人に会って話してわかるような人間性なんだと思います。

命は尊い、だから捨ててはいけない、それだけではないですよね。
じゃあ、どうすることが命を大切にするか、それは目に見えない努力なんですよね。
うさぎの命を大切にする、それは毎日の健康を保てるように心を配る生活。
人間の命を大切にする、それはその人が生きているということを大切に考えること。
親が子どもに何を望むのか。究極のところは「元気で生きていてくれればそれでいい」みんなそう思うもの。
それに似た思いを心の根っこでほかの人に持てるかどうか、そう思ったら、細かいことは少し許せるかもしれません。
ペットはそこにその飼い主がいることだけで喜んでくれます。
それと同じ気持ちが私たちも持てるように。。。
難しいけど、表面的にうまく行かない人間関係には、そんなことも考えて行きたいと思いました。

毎晩、なにかしらナナちゃんのことを思います。
そのときに、私は少しづつでも心が成長しているかな?
そう問いかけながら、ナナちゃんと語らいたいと思います。
ナナちゃんはやっぱりやさしく賢いうさぎさんです。
そんなことを教えてくれます。
ナナちゃん、ありがとう。

(写真はMAYA MAXXのうさぎの絵。彼女は観客と語らいながらいっしょに絵を描く画家です。一度その現場に参加してみたいものです。)









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