「 枯蔓や昇りし龍の爪幾多 」
(かれづるやのぼりしりゅうのつめいくた)
昨年版の投稿は全部UPしたと思っていたら、一つ残っていました。
意味がわかりにくいかもしれませんが、この句はとても気に入っていました。
蔦が這っている塀を冬に見たことがありますか。
色づいた葉が落ちた後には何かの生き物の爪のようなものが残っています。
これは、龍が駆け昇ったときに剥がれた爪だ、と思わせるような鋭い蔓。
龍の爪も鋭いでしょうが、蔦だって塀に必死でしがみついているのですから、このくらいの爪あとは残るのでしょう。
龍の昇るその瞬間の勢いある様。
蔦が喰らいついて伸びてゆく様。
どちらも生命力あふれ、躍動感を感じる動きのある絵と感じます。
句のできはそれほどでもないのかもしれませんが、私の頭の中では、そのシーンが形作られて、とても格好いい映像ができあがっています。
俳句を作らなかったら出会えなかった想像の世界、これが俳句を作る醍醐味でもありますね。
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