天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

10/8 南座『十月大歌舞伎』昼の部

2011年10月08日 | 歌舞伎
今日(10/8)、南座『十月大歌舞伎』昼の部に行ってきました。



上手側でしたが、前から2列目。たっぷり堪能できました。

出演者か、演目だからかわかりませんが、観客のみなさん、いつもよりさらに平均年齢高めでした。

1.矢の根(11:00~11:30)

上手には「歌舞伎十八番矢の根」下手には「中村橋之助曽我五郎時致相勤めし候」とありました。
大薩摩の語りでした。後見さんとともに三升の肩衣でした。

背後には朱色の太い紐で淡路結びがもうちょっと増えたような結びに、2本垂れ下がった紐にバッテン結びが三つあって、その間に刀が三振かけてあったのが気になってしまいました。

身長くらいある大きな矢の根を研ぐ五郎(橋之助)。文太夫(男女蔵)が正月の祝いを持ってくる。
その中に宝船を描いた絵が。砥石を枕に一眠り。すると兄の十郎(翫雀)が敵に幽閉されているから助けてくれという夢を見る。助けようと思い立つと、そこへ大根をのせた馬士(亀鶴)が通りかかる。馬を奪って助けに向かう五郎。

橋之助さんかっこいいなあ。道具が大きいから荒事の主人公がお似合い。隈も映えます。
柱巻きの見得はやっぱりかわいいなあ。元禄見得はかっこいい。

いつもながら後見さんすごかった。むちゃくちゃ太いタスキ(?)みたいなのを解いたり結んだり。一眠りするときは五郎を支えたり。

祝いの品を持ってきた男女蔵さん、すべて大薩摩さんの語りで声が聞けず…。

馬士の亀鶴さんいいなあ。かっこいいのにコミカルな演技がほんとお上手。

最後の馬を奪って、大根落として、大根を鞭代わりに馬に乗って花道の引っ込みは大迫力。
揚幕近くでは頭を下げてましたが、あんな大きなお衣装で大変でしょうねえ。

橋之助さんのかっこよさをたっぷり堪能できた一幕でした。



2.墨染念仏聖 法然上人譚(すみぞめのねんぶつひじり ほうねんしょうにんものがたり)

法然上人(藤十郎)が亡くなって1年がたとうとしている。弟子の源智上人(翫雀)は阿弥陀如来を建立。
亡き師の面影を偲んでいた。
法然の教えに救われた熊谷次郎(橋之助)や式子内親王(壱太郎)。捕らえられようとする法然を助けようと奔走する九条兼実(亀鶴)も彼の教えのすばらしさを知った一人。
法然のすばらしさを表現した新作歌舞伎。

幕が開くや否や場内お経を使った音楽が。そして舞台は黒い幕で覆われ、太い柱が6本、その周りに蓮をかたちどった明かりを持つお坊さんが12人、中央には金の阿弥陀如来像が釣り下がっていました。
基本、そのセットで物語は進行していきました。

熊谷次郎の橋之助さん、すでに出家している僧になっていましたが、義太夫(?)風の唄にのって踊られていました。わが子を討った苦しみがよく表現されているようでした。

式子内親王の壱太郎さん、髪を下ろした、女房の姿(←十二単じゃないお公家さんの格好。呼び方がわからない)は初めて見ました。
んもう、かわいくて、色っぽくて。美しい。法然さまお慕い申しております。の気持ちを長唄風(?)の唄にのせて踊りで表現されていました。よかった~(ため息)。

最後に出てこられた兼実の亀鶴さんもかっこよかったです。僧じゃなくて、鎌倉時代のお公家さんのお姿(?)がお似合いでした。お声もいいし、ほれぼれ。

最後はせりが階段状にあがって、真ん中に法然、その横にその他の登場人物たちが数珠を持って手を合わせていました。
キラキラの紙吹雪が舞って幕が引かれました。

セットは真っ暗で、時おりドライアイスがもくもく、青や紫、ピンク系のライトで、あとは6本の太い可動式の柱を僧たちがゴロゴロと運ぶだけ。
自然と役者さんに注目がいきますし、それに役者さんの表現力だけに頼った演出で力量が問われる一幕だったと思いますが、法然上人の藤十郎さんをはじめ、みなさん素晴らしかったです。

ただ、お経がモチーフの音楽だったので、まぶたが重くなって大変でした。


3.連獅子

たぶん、本当の親子、親類での連獅子は初めてだったような気がします。たぶん。
翫雀さんと壱太郎さん、大好きな親子での連獅子。楽しみでした。

やはり注目は壱太郎さんの仔獅子でした。前髪がかわいい。
でも、顔よりも腰と脚ばっかり見てしまいました。

獅子の精になってからも、かわいい。目が大きくてかわいい。

最後の気振りは早かった。翫雀さん、以前見たときもものすごく早かったんですが、それ以上に壱太郎さん早かった。
ちょっとからんでしまいましたが、お愛嬌ですね。

2列目でしたので、蝶の差し金の音が聞こえてきて、新鮮でした。

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