去る3/8、国立劇場大劇場で歌舞伎を観に行ってきました。
今回は江戸文化歴史検定の特別企画「歌舞伎鑑賞と舞台裏見学」に参加したのでした。
11時に劇場に行くと、受付でチケットと番付をくださいました。
席はなんと1階2列目。
わざわざ東京まで来て良かったなと、テンション上がりまくり。
席に行くと周りはやはり江戸検定の方たちで、年配の男性が多かったかな。
いつもと違う雰囲気。「歌舞伎はあまり知らないんだけど勉強のために見るよ。」みたいな。
私みたいな超ミーハーな歌舞伎好きな方はいらっしゃらないようでした。
12時開演。
1.菅原伝授手習鑑 車引
松王丸…中村錦之助
梅王丸…中村萬太郎
桜丸…中村隼人
藤原時平…坂東秀調
3年前に松竹座で観たのは上方版の松嶋屋スペシャルでしたが、今回は萬屋スペシャル わーい。
最初は編み笠かぶっている梅王丸に桜丸。敵がでてきて脱いだらものすごい隈取の萬太郎さん。女形っぽい隼人さん。
上方版は桜丸は鴇色でしたが、今回は赤地に桜の刺繍でした。
萬太郎さんここ数年、成長著しいような気がします。「ががが、ぐごごごご」はもうひと息って感じかな。でも、見得は迫力あったし、ものすごく頑張ってはった。
隼人さんは変わらないかなあ。義太夫さんとずれてたとこもあったような。頑張ってほしいなあ。
松王丸の錦之助さんはやっぱりかっこいい。とってもお上品な松王丸でした。
永楽館で観た引窓の濡髪長五郎もかっこよかったからなあ(←関係ない?)。荒事もいいなあ、錦之助さん。
時平の秀調さんはちょっと迫力不足だったかなあ。舌出して「うわああ」というところもあんまり強そうじゃなかったなあ。
おしまいの絵面はとっても美しかったです。
2.處女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)切られお富 2幕6場
お富…中村時蔵
与三郎…中村錦之助
海松杭の松…市川男女蔵
若い者喜助…中村萬太郎
若い者太助…中村隼人
お滝…上村吉弥
赤間源左衛門…嵐橘三郎
穂積幸十郎…坂東秀調
安蔵…坂東彌十郎
絹問屋赤間源左衛門の囲い者のお富は、以前夜船で契りを交わした若侍・与三郎と再会。そしてまた近くの出会い茶屋に入ってしまう。お富に好意を持つ赤間の手代安蔵の策略によりお富は赤間に体中を切られ殺されかける。赤間は実は盗賊であった。しかし安蔵に助けられ、そのまま夫婦として暮らす。そこへ旅の途中の与三郎に再会。彼の父はお家の宝刀を盗まれた咎で切腹、その刀の行方を探っていた。その刀が古道具屋で200両で売られているという。お富は赤間が今女郎屋を営んでいることを知り、安蔵をそそのかしてゆすりに向かう。守備よく200両を手に入れたお富だったが…。
三代目時蔵さんの当たり役をやっと初役で演じられるという当代時蔵さん。
以前も女暫の初役だった時を観てましたので、なんだか嬉しい。
元ネタの「切られ与三」も観たことがない私。全くあらすじを知らないままでしたが心配無用でした。
序幕
第一場 藤ヶ谷天神境内の場
花道から若侍の錦之助さん、声が先ほどの桜丸の隼人さんとそっくり。やっぱり親子やなあ。
錦之助さんはこんな二枚目がいいなあ。
下女を連れたお富さん、時蔵さん綺麗です。
美男美女、今も好きです茶屋へ行きましょう。綺麗やったなあ。時蔵さん&錦之助さんペア初めて観たかも。
悪の男女蔵さんに彌十郎さん、似合ってます。
第二場 赤間妾宅の場
安蔵の策略でやってきた海松杭の松、あれえ、あっという間にやられちゃったよお。
お富さんをみんなで刀でなぶり切り。いたたたたたた。時に歌舞伎は残酷だなあ。
血糊のついたツヅラを抱えた安蔵が花道を引っ込みます。すごい展開よなあ。
二幕目
第一場 薩[土垂]峠一つ家の場
幕が開いたら、旅人の眉なしの奥さん役で純弥さんが。台詞もあった。なんだか嬉しかった。
しかしまあ、運よく与三郎が火を借りにたずねて来たもんだ。全身傷だらけになったのは与三郎のせいなのにまだ好きですとお富さん。挙句の果てに刀代の200両何とかします。どこまでお人よしなんだあ。
序幕のかわいいお富さんも良いけど、髪を結ってなくて、櫛ななめ差し?のお富さんも色っぽいなあ。
第二場 赤間屋見世先の場
女郎屋赤間屋の若い者に萬太郎さんと隼人さん。
萬太郎さん、昨年の松竹座の女殺油地獄のときに世話物いいなと思ったんですが、今回も雰囲気出てました。
ほんと成長されてるなあ。
逆に隼人さんは、こういう役より五人男の浜松屋の若旦那って雰囲気かな。
穂積を店に通してから、下駄箱の札みたいなのを箱から取り出して、柱にカンカン打ち付けていたのはどういう意味があるんやろうと気になっています。
花道駕籠から登場のお富さん。「お久しぶりでございましたあねえ。」かっこいいなあ。格子の着物に黒い羽織がまたかっこよさ倍増。
第三場 同奥座敷の場
さてお富さん、赤間に200両せしめようとゆすりにかかります。七五調の台詞が気持ち良い。
そして吉弥さん扮する赤間の奥さんお滝登場。あんたの傷は75箇所?78箇所?(ちょっと失念)だから、100両も渡せないよ。お富さんとお滝のバトル。お富さんは下手側に座っていて、お滝さんはそっぽ向いて上手側を向いていたので、私の席からは両方の表情が見れてすごく楽しかったです。
時蔵さんと吉弥さんが交代されても良い感じだと思いました。しかし、吉弥さんの江戸弁の啖呵って聞いたの初めてかも。かっこよかったぁ。
結局200両渡すことになって、お滝さんが赤間に「鍵。」と言う台詞がまた良かった。
そしてお富さんが「女将さんも良い人だねえ。」という台詞が最高。笑いもおきてました。私もその一人。
この場、三人が煙草すぱずぱしてはって、三人とも煙管を持つ位置が違っていて興味深かったです。
しかし煙たかったなあ。なんせ2列目でしたので。
首尾よく200両せしめて帰途に就くお富と安蔵。花道で安蔵に200両持っていかれたお富さん。やりとり面白かった。
第四場 狐ヶ崎の場
せしめた200両を持って高飛びしようとする安蔵を待ち伏せしていたお富。
「包丁を盗んで、どこどこを先回りして蚊にかまれながら待っていたんだ。」むちゃくちゃ丁寧で説明な台詞。時代劇ちっくで大好き♪
傘で応戦する安蔵。浮世絵にもある傘を破いて見得を切る件はやっぱりいいなあ。
なんとかかんとか安蔵をやっつけたお富。
すると、その場を与三郎と質屋が通りかかる。すぐさま売ってしまうと質屋に明け方まで待ってくれと懇願する与三郎。お疲れのお富が「与三郎さまあ、200両~。」ぼろぼろなお富もなんのその。「何も言わずに礼を言うぞ。」と受け取る与三郎。そしてすぐさま帰参してしまう。
おーい、好きじゃなかったのかい?
ああ、やれやれと一息つく間もなくお富に捕り手がやってくる。包丁で応戦するお富。さてはて…。
ツケ打ちがなって、型を決めた後、これぎり口上で幕となりました。
■□■
番付によると原作を現代にも納得がいくように改めたとのこと。
きっかけから幕切れまできちんと辻褄が合っていてわかりやすく、ご都合主義満載で歌舞伎というより普通の時代劇のようなツッコミどころ満載で面白かったです。
初心者の方も楽しめたんじゃないでしょうか。
時おり見得もあり、また七五調満載の台詞が心地よく、楽しかった♪
関西でまた時蔵さんが演じられるなら観たいです。
私の周りは江戸検定の方ばかりなので、とってもお静かな観劇。
私のような超ミーハーな観劇ではなく、知識、教養としての観劇という雰囲気で、スミマセンでしたと申し上げます。
今回は江戸文化歴史検定の特別企画「歌舞伎鑑賞と舞台裏見学」に参加したのでした。
11時に劇場に行くと、受付でチケットと番付をくださいました。
席はなんと1階2列目。
わざわざ東京まで来て良かったなと、テンション上がりまくり。
席に行くと周りはやはり江戸検定の方たちで、年配の男性が多かったかな。
いつもと違う雰囲気。「歌舞伎はあまり知らないんだけど勉強のために見るよ。」みたいな。
私みたいな超ミーハーな歌舞伎好きな方はいらっしゃらないようでした。
12時開演。
1.菅原伝授手習鑑 車引
松王丸…中村錦之助
梅王丸…中村萬太郎
桜丸…中村隼人
藤原時平…坂東秀調
3年前に松竹座で観たのは上方版の松嶋屋スペシャルでしたが、今回は萬屋スペシャル わーい。
最初は編み笠かぶっている梅王丸に桜丸。敵がでてきて脱いだらものすごい隈取の萬太郎さん。女形っぽい隼人さん。
上方版は桜丸は鴇色でしたが、今回は赤地に桜の刺繍でした。
萬太郎さんここ数年、成長著しいような気がします。「ががが、ぐごごごご」はもうひと息って感じかな。でも、見得は迫力あったし、ものすごく頑張ってはった。
隼人さんは変わらないかなあ。義太夫さんとずれてたとこもあったような。頑張ってほしいなあ。
松王丸の錦之助さんはやっぱりかっこいい。とってもお上品な松王丸でした。
永楽館で観た引窓の濡髪長五郎もかっこよかったからなあ(←関係ない?)。荒事もいいなあ、錦之助さん。
時平の秀調さんはちょっと迫力不足だったかなあ。舌出して「うわああ」というところもあんまり強そうじゃなかったなあ。
おしまいの絵面はとっても美しかったです。
2.處女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)切られお富 2幕6場
お富…中村時蔵
与三郎…中村錦之助
海松杭の松…市川男女蔵
若い者喜助…中村萬太郎
若い者太助…中村隼人
お滝…上村吉弥
赤間源左衛門…嵐橘三郎
穂積幸十郎…坂東秀調
安蔵…坂東彌十郎
絹問屋赤間源左衛門の囲い者のお富は、以前夜船で契りを交わした若侍・与三郎と再会。そしてまた近くの出会い茶屋に入ってしまう。お富に好意を持つ赤間の手代安蔵の策略によりお富は赤間に体中を切られ殺されかける。赤間は実は盗賊であった。しかし安蔵に助けられ、そのまま夫婦として暮らす。そこへ旅の途中の与三郎に再会。彼の父はお家の宝刀を盗まれた咎で切腹、その刀の行方を探っていた。その刀が古道具屋で200両で売られているという。お富は赤間が今女郎屋を営んでいることを知り、安蔵をそそのかしてゆすりに向かう。守備よく200両を手に入れたお富だったが…。
三代目時蔵さんの当たり役をやっと初役で演じられるという当代時蔵さん。
以前も女暫の初役だった時を観てましたので、なんだか嬉しい。
元ネタの「切られ与三」も観たことがない私。全くあらすじを知らないままでしたが心配無用でした。
序幕
第一場 藤ヶ谷天神境内の場
花道から若侍の錦之助さん、声が先ほどの桜丸の隼人さんとそっくり。やっぱり親子やなあ。
錦之助さんはこんな二枚目がいいなあ。
下女を連れたお富さん、時蔵さん綺麗です。
美男美女、今も好きです茶屋へ行きましょう。綺麗やったなあ。時蔵さん&錦之助さんペア初めて観たかも。
悪の男女蔵さんに彌十郎さん、似合ってます。
第二場 赤間妾宅の場
安蔵の策略でやってきた海松杭の松、あれえ、あっという間にやられちゃったよお。
お富さんをみんなで刀でなぶり切り。いたたたたたた。時に歌舞伎は残酷だなあ。
血糊のついたツヅラを抱えた安蔵が花道を引っ込みます。すごい展開よなあ。
二幕目
第一場 薩[土垂]峠一つ家の場
幕が開いたら、旅人の眉なしの奥さん役で純弥さんが。台詞もあった。なんだか嬉しかった。
しかしまあ、運よく与三郎が火を借りにたずねて来たもんだ。全身傷だらけになったのは与三郎のせいなのにまだ好きですとお富さん。挙句の果てに刀代の200両何とかします。どこまでお人よしなんだあ。
序幕のかわいいお富さんも良いけど、髪を結ってなくて、櫛ななめ差し?のお富さんも色っぽいなあ。
第二場 赤間屋見世先の場
女郎屋赤間屋の若い者に萬太郎さんと隼人さん。
萬太郎さん、昨年の松竹座の女殺油地獄のときに世話物いいなと思ったんですが、今回も雰囲気出てました。
ほんと成長されてるなあ。
逆に隼人さんは、こういう役より五人男の浜松屋の若旦那って雰囲気かな。
穂積を店に通してから、下駄箱の札みたいなのを箱から取り出して、柱にカンカン打ち付けていたのはどういう意味があるんやろうと気になっています。
花道駕籠から登場のお富さん。「お久しぶりでございましたあねえ。」かっこいいなあ。格子の着物に黒い羽織がまたかっこよさ倍増。
第三場 同奥座敷の場
さてお富さん、赤間に200両せしめようとゆすりにかかります。七五調の台詞が気持ち良い。
そして吉弥さん扮する赤間の奥さんお滝登場。あんたの傷は75箇所?78箇所?(ちょっと失念)だから、100両も渡せないよ。お富さんとお滝のバトル。お富さんは下手側に座っていて、お滝さんはそっぽ向いて上手側を向いていたので、私の席からは両方の表情が見れてすごく楽しかったです。
時蔵さんと吉弥さんが交代されても良い感じだと思いました。しかし、吉弥さんの江戸弁の啖呵って聞いたの初めてかも。かっこよかったぁ。
結局200両渡すことになって、お滝さんが赤間に「鍵。」と言う台詞がまた良かった。
そしてお富さんが「女将さんも良い人だねえ。」という台詞が最高。笑いもおきてました。私もその一人。
この場、三人が煙草すぱずぱしてはって、三人とも煙管を持つ位置が違っていて興味深かったです。
しかし煙たかったなあ。なんせ2列目でしたので。
首尾よく200両せしめて帰途に就くお富と安蔵。花道で安蔵に200両持っていかれたお富さん。やりとり面白かった。
第四場 狐ヶ崎の場
せしめた200両を持って高飛びしようとする安蔵を待ち伏せしていたお富。
「包丁を盗んで、どこどこを先回りして蚊にかまれながら待っていたんだ。」むちゃくちゃ丁寧で説明な台詞。時代劇ちっくで大好き♪
傘で応戦する安蔵。浮世絵にもある傘を破いて見得を切る件はやっぱりいいなあ。
なんとかかんとか安蔵をやっつけたお富。
すると、その場を与三郎と質屋が通りかかる。すぐさま売ってしまうと質屋に明け方まで待ってくれと懇願する与三郎。お疲れのお富が「与三郎さまあ、200両~。」ぼろぼろなお富もなんのその。「何も言わずに礼を言うぞ。」と受け取る与三郎。そしてすぐさま帰参してしまう。
おーい、好きじゃなかったのかい?
ああ、やれやれと一息つく間もなくお富に捕り手がやってくる。包丁で応戦するお富。さてはて…。
ツケ打ちがなって、型を決めた後、これぎり口上で幕となりました。
■□■
番付によると原作を現代にも納得がいくように改めたとのこと。
きっかけから幕切れまできちんと辻褄が合っていてわかりやすく、ご都合主義満載で歌舞伎というより普通の時代劇のようなツッコミどころ満載で面白かったです。
初心者の方も楽しめたんじゃないでしょうか。
時おり見得もあり、また七五調満載の台詞が心地よく、楽しかった♪
関西でまた時蔵さんが演じられるなら観たいです。
私の周りは江戸検定の方ばかりなので、とってもお静かな観劇。
私のような超ミーハーな観劇ではなく、知識、教養としての観劇という雰囲気で、スミマセンでしたと申し上げます。