天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

2/10松竹座 二月花形歌舞伎「新八犬伝」

2013年02月11日 | 歌舞伎
昨日(2/10)松竹座二月花形歌舞伎昼の部「新八犬伝」を観にいってきました。

今回は初めて花道から向こう側の花道沿いの席。
なんとなくテンション低めでしたが、これがまた。

新八犬伝(六幕九場)
 崇徳院/扇谷定正/網干左母次郎/犬飼現八(四役)片岡愛之助
 犬塚信乃 尾上松也
 伏姫 中村梅枝
 足利成氏/犬田小文吾 中村萬太郎
 犬川荘介 坂東巳之助
 犬坂毛野 中村壱太郎
 犬村角太郎 中村種之助
 犬江親兵衛 上村吉太朗
 濱路 中村梅丸
 犬山道節 坂東薪車
 仙女 上村吉弥
 亀篠 片岡秀太郎

私のお気に入りの若者役者さんが勢ぞろいでとても楽しみにしていました。

場ごとに気になったことを書き連ねます。

発端 讃岐国白峰山の場

ドライアイスがこれでもかというくらい、モクモクモクモク…。
かぶりつきの方が前が真っ白で見えなかったんじゃないでしょうか。
中央に魔物となった崇徳院。台詞がマイクを通してエコーかかってます。もしかしてアテレコ?
愛之助さんだったら十分凄みのある台詞まわしなのにもったいないなあと思いました。
浅葱幕(定式幕?)が下りて舞台転換中、三名の天狗の方の花道での見得。
工事現場の方が履かれてるようなゴム底の足袋を履かれてました。

序幕 滝田城場内奥庭の場

アホな伏姫の弟義成(片岡千壽)が腰元を連れて花見。腰元さん4人が花道でお座りに。
私の真横はずらずらずらッと後ろ姿。
足のかかとでお尻を支えているのかとか、足袋の後ろが真っ白なので、やっぱり毎回替えてるの?とか、帯の結びがどうなってんねやろとか、普段見えないところに気がいってしまいました。
純弥さん綺麗やったなあ。

崇徳院の怨霊が乗り移った扇谷定正が伏姫に婚姻を迫るが伏姫は断る。すると念力で義成に身を汚させる。
目覚めた二人は犬になったと嘆き、自害。その時伏姫の数珠から八つの珠が浮かび上がる。

この件、なんか違う。やっぱり、犬と一緒に洞窟にこもってて欲しかったです。
体から珠も出てきて欲しい。

吉弥さん仙女。一瞬でちょっと短すぎる…。

梅枝さん、品があるから伏姫にぴったりでした。

二幕目 第一場 武蔵国大塚村の場

亀篠と濱路の会話の件は眠たかったです。
秀太郎さんはいつもの通りの台詞まわし、梅丸さん?初めて拝見しましたが、確かにかわいい、濱路って雰囲気はありますが、発声がなってない。声が出てない。秀太郎さんもお歳なので声がわかりにくいので何を話してるんだかなんだか。
せっかく新作という雰囲気なのに、秀太郎さんで急に古典の世話物になってしまっていました。
いつもならそれでいいのですが、今回は秀太郎さんは演出に徹するべきだったと思いました。

花道から道節がつかつかつかつかっと。薪車さん♪かっこいい♪
だれも拍手がなかったのが寂しかったです…。

下男の額蔵(実は犬川荘介)の巳之助さん。たくさん出番ありました。台詞もたくさん。
声が良く通っていいですね。

信乃の松也さん、白塗りの美男子。八犬伝でいえば主役でございます。
強そうな美男子って雰囲気、ぴったりでした。

第二場 滝野川明神境内の場

村雨丸を亀篠から奪う左母次郎。胸元に手をやる件は気持ちわるかったです。ちょっと無理があります。

三幕目 第一場 上野国古河城大広間の場

花道からすりかえられた村雨丸を持った信乃登場。桃色?鴇色?の裃袴で美しい。ほれぼれ。

第二場 古河場内芳流閣の場

足利成氏から間者と疑われた信乃は逃げる。
そこにいきなり犬飼源八が現れて、いざ、参りますと七三で見得。
ちょうど私の席から真正面にお顔あ見れて、きゃぁ~。
ここって、すごく良い席だったんですね!

屋根の上で大立ち回り。
延々と信乃と捕り手との立ち回り。松也さん好きな私は台興奮。こんなに大活躍っていままで拝見したことありませんでした。ちょっとぎこちないかなというところもあったようななかったような。でもいいんです。
愛之助さんが出てくるとやっぱり舞台がしまりました。余計に松也さんの美しさも際立ってすばらしい。

第三場 利根川河畔の場

利根川に落ちた信乃と現八。荘介が助けて、3人が犬士であるとわかる。
そこになぜか捕り手と濱路、左母次郎と道節、角太郎までやってきてだんまり。

左母次郎と源八の早替わりがありましたけど、なんか意味あるのかなあと。
もっとそう思ったのが崇徳院の宙乗り。すっぽんからドライアイスもくもく。
「ひゃはっはっはぁあああああ。」とまたエコーがかかった笑い声で宙乗り。
無理くり宙乗りにしましたって感じで必然性がないんですよね。
ちょっと考えて欲しいです。

四幕目 相模国大磯廓の場

壱太郎さんは毛野だから男かと思いきや太夫。
あれれれれ、と思ったら、実は男嫌いの太夫で実は男という設定。
なんだなんだ。
かんざしとって、髪ほどいて、引き抜きで男言葉。
弁天小僧みたい。
道節とは兄弟で、道節は濱路と双子の兄妹だったとか、濱路が絶命するときにわかるという。
いやあ、美男美女の舞台は華やかでした。

大詰 扇谷館奥庭の場

さてさて、八犬士勢ぞろいです。
吉太朗さんもいます。名乗りはかっこいいです。
どうも、種之助さんと萬太郎さんの違いがわかりにくいのですが、なんとなく歌昇…もとい、又五郎さんににているのが種之助さんかってわかる感じ。
萬太郎さん、台詞も振りも大きく、2年前にくらべると成長しはったなという印象。
愛之助さんはいろいろ早替わりでほとんど定正や崇徳院だったので、中央には道節と信乃という美男ペア。
私は大満足。隣にはかわいい吉太朗さんが居て、その隣には赤と黒のお着物で肩脱ぎで腕がアミアミの壱太郎さん。
名乗りではたしか女形の声で言うはずなんですが、今回は男でした。なんともかっこよかったぁ…。

立ち回りの場面では、やっぱり吉太朗さんと壱太郎さんが気になりました。
吉太朗さん、小さいのに大人顔負けの立ち回り。見得も決まってかっこいい。想像通りすばらしい。
壱太郎さんは、槍を持って花道をかけて出てこられ、かっこいいいいいい。
ぶるんぶるん槍を振り回してやっつけていきます。

道節が濱路の血をつけた矢を定正に放つと、崇徳院が。
珠でやっつけるのかと思いきや、中央に台が出てきて引っ張りの見得?でおしまい。
さてはて、崇徳院はやられたのかしら。

■□■

前半の前置きが長く、だらだらした印象でしたが、信乃と現八の立ち回りぐらいで目がさえてきました。
もう少しテンポ良くしたほうが、楽しいと思います。

愛之助さんが4役ということでしたが、どの役も同じような雰囲気で替わっているのかどうかわかりにくい。
二枚目になるとか、女形になるとか、もうちょっとメリハリをきかせてほしかったです。
崇徳院をベテラン役者さんにまかせて、現八一役のほうがよかったかも知れません。

なにはともあれ、私のお気に入りの若手役者さんが勢ぞろい。しかも台詞出番がたくさんで、私は大満足でした。

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