天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

平成28年5月 展覧会まとめ

2016年05月29日 | 旅行・お出かけ
5月の展覧会の感想まとめです

5/4「永楽 歴代と十七代永楽善五郎展」大阪高島屋7階グランドホール
千家十職のひとつとしてしか知らない状態で見に行ってしまいました。
当代の十七代の作品が始めにずらずらずら~っと並んでいましたが、現代アート作品のように感じました。
中盤からは代々の展示。土風炉の寸法を記した書物と土風炉から、茶器、花入れ、香合、お人形まで。
染付や金襴手、赤絵など様々な表現方法で見ていて楽しかったです。
十一代の茶器で葵のご紋があってその解説では、紀州徳川治宝から賜ったとかなんとか書いてあって、先日和歌山の博物館で勉強した京から招いた陶芸家の作品か!と。いろんなところで知識がつながって本当楽しいし、嬉しかったです。

5/5「禅」京都国立博物館
白隠が好きなのと、雪舟の「慧可断臂図」が見たくて行ってきました。
南宋や鎌倉時代から江戸時代の若冲までの絵や仏像、書、はては伊達政宗の像とか国宝の油滴天目など、禅宗に関するもの全般。やたら僧侶の肖像画がずらずらずら~っと続いて途中飽きてきたところ、沢庵のキレイナな丸(烏口で描いたような)に筆でなんとなく「、」チョンっと書いた図とか、白隠の「寿」の字が100個書体違いで書かれた書とか、面白いコーナーになってきました。丸に「、」はわからんわあ。
萬福寺の隠元さんの額字「萬福寺」、狩野永徳の信長像や長谷川等伯の竹林のお猿さんの屏風も面白かったなあ。

5/7「宮川香山」大阪市立東洋陶磁美術館
ポスターになっていた、壺にリアルな猫ちゃんやカニさんがひっついてるのが見たくて。
行く前からこれだけでスゴイなあと思っていたら、もう想像をはるかに超えてすごかった。
今にも壺から飛び出しそうな鳩さんとか、はたまた孔雀とか。何なん?!「高浮彫」というらしいのですが、どうやって作られてるのでしょう。鳥さんとかとまってる木とかなくてもものすごく綺麗な壺や瓶なんですよ。不思議でしゃーない。とりあえず、焼くと膨張するからとかで動物の後ろには穴が小さい穴があいていました。実際には使えない物なんですね(いや、使わんでしょうけど)。
さらに驚いたのは瓶の側面がへっこんでいて、そこに熊の親子が冬眠してるのとか、風神雷神とかで、袋が破れていてそこに神さんがいるとか。ひぃ~っ!なんじゃこりゃ。
高浮彫作品の中で私がいいなあと思ったのが、団扇の花瓶。持ち手と骨が浮き上がっていて、竹の質感がものすごく良く出ていて。扇のもよかった。
香山って高浮彫だけでなく、「釉下彩」という絵付けした上から透明の釉薬をかけた(多分そんな感じ)物も手掛けたとかで、これまた淡くてそれでいて鮮やかな色使いがなんともたまりません。青海波が下から青い色でだんだん薄くなってなくなっていったりとか、一見単色に見えてもよく見たら絵があるとか、やっぱりスゴイ。
いちばん好きなのはニワトリさんの羽根がものすごく細かい「釉下彩白盛鶏図大花瓶」、アジサイの花びらが一部透けて見える「釉下彩紫陽花花図花瓶」かなあ。
それにしても「高浮彫牡丹ニ眠猫覚醒蓋付水指」の猫ちゃんは毛並みはもちろん、開いた口の歯や舌まであるんやもん。ほんま動物が好きな人やったんやろうなあと思いました。

5/8「古墳とは何か-葬送儀礼からみた古墳-」近つ飛鳥博物館
一須賀古墳群が公園になっている「近つ風土記の丘」内にある博物館。博物館に着くまでに古墳があちこちで見学できるようになっていて、なんてところでしょう!
古代から飛鳥時代、特に古墳時代を中心に、埴輪やら石棺(本物がゴロンと展示してある!)やら、鏡やら須恵器、土師器などなど、実は近世の次に古代好きな私は大興奮。復元品が多かった中、修羅という大きな石(岩?)などを運ぶ木製の運搬具の本物(1500年前!らしい)や馬を埋葬した化石?の本物とか、すごいものがありました。特に面白かったのは館中央にある仁徳天皇陵の150分の1の模型でした。
奥の小さなコーナーに特別展示があったのですが、常設展とどう違うのかまだ勉強不足なためよくわかりませんでしたが、土師器と須恵器がたくさんあって楽しかったです。
また機会があれば、秋にでも公園の古墳を散策してみたいです。

5/14「はんなり春のしつらえ」泉屋博古館
住友コレクションの新蔵品を加えた花の絵画と茶道具の春らしい展示。
初公開という菊池容斎の「桜図」が見たくて行ってきました。お寺?の境内の大きな木には桜が満開。なんとなくお坊さんが描かれていて、欲しいなあと思う作品でした。渡辺華山の弟子という椿椿山(つばきちんざん)や原在中、在明親子の「春花図」、酒井抱一の棗のデザイン画と実際これを元にして作られた蒔絵の棗の同時展示も面白かった。
茶道に疎いので知らなかったのですが、茶入の蓋にも「古織好」とか「宗甫好」とか意匠があるんですね。勉強になりました。
「中国青銅器の時代」殷から清までの青銅器の展示。噂には聞いていましたが、ものすごいコレクションです。
殷って紀元前1000年とかそれ以上昔ですからねえ。よくまあそんなのが残ってたわというか、なんでこんなにたくさんあるの?という。
今の技術で殷の時代の青銅器は作ることができないといわれるのも、素人目でみても明らかなのがよくわかりました。
ラーメン鉢によく描かれている渦巻き模様がやたら隅から隅まであって、こんな昔からあるんですねえ。
館内にあった解説ビデオ(30分)が詳しくてよく勉強になりました。
それから、銅鏡の鏡部分の展示もあって良かったです。ほんまに映るんかなって思ってたので。結構キレイに映るもんですね。
ああ、面白かった♪

5/15「近代大阪職人(アルチザン)図鑑」大阪歴史博物館
江戸から戦前までの近代大阪の超絶技巧の工芸品の展示。最近宮川香山とか昨日の中国青銅器とか、明治、大正の下賜の品とか見たところなので、残念ながらあまり新鮮味がなかったのですが、根付とか薩摩焼、明治の試作貨幣は面白かったなあ。お金の竜の模様を手彫りですよ。スゴイわあ。いちばん面白かったのは江戸時代の斬首された首と切り口の絵でした。やたら解説に「アルチザン、アルチザン」とあったのが残念でした。「職人」でええやん。

5/21「百人一首歌仙絵の世界」時雨殿
江戸時代の手書きのかるたから、輪郭だけ版画で色をつけたもの、全部版画のもの、そして明治以降の印刷のものなど百人一首かるたの歴史を知ることができる展覧会。
そしてかるたは歌と歌仙絵からなる画帳からできたとか。
小堀遠州の書も見れて面白かったです。
嵐山に百人一首の博物館があるとは知りませんでした。
靴を脱いで入館。大混雑な観光地嵐山にあって人が少なく、大変リラックスできました。

5/28「原田直次郎 西洋画は益々奨励すべし」岡山県立美術館
高橋由一の弟子(?)で、森鴎外の友人ということで、これは見ないとと岡山まで行ってきました。
生まれから、弟子の作品まで4コーナーに分けての展示で、わかりやすくて良かったです。
絵画だけでなく、写真や、黒田清輝や徳富蘇峰あての古文書のような手紙、雑誌の表紙や挿絵、新聞の論説(?)まで至れり尽くせり。とても勉強になりました。
新島襄、三条実美、毛利敬親など有名人の肖像画も楽しかった。
いちばん心に残った作品は「騎龍観音」でした。観音さんをあんなに写実的に、でも仏画っぽくて、なんとも素晴らしい。
遠くまで見に行って本当に良かったです。

5/28「歴史をいろどる群像」兵庫県立歴史博物館
肖像画から合戦図、、風俗絵巻や名所図会まで、時代も行基から乃木希典まで、絵で見る日本史という展覧会でした。
宮本武蔵や高田嘉兵衛、黒田二十四騎図、それから石田幽汀の屏風絵が見れて嬉しかったです。
近衛信尹の「渡唐天神図」はとってもアートでした。欲しいわあ。

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