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天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

7/16松竹座『七月大歌舞伎』夜の部

2011年07月18日 | 歌舞伎
一昨日(7/16)松竹座『七月大歌舞伎』夜の部にいってきました。
今回はとちりよりも前の真ん中の席でたっぷり堪能してきました。

1.菅原伝授手習鑑 車引(16:30~17:00)

松王丸に進之介さん、梅王丸に愛之助さん、桜丸に孝太郎さん、時平に我當さんと松嶋屋従弟スペシャル
なんてったって進之介さんが舞台中央に来るお役って初めてじゃないですか?台詞もたくさん聞けるかと思うと、いや~楽しみで楽しみで。

吉田神社の近く、編み笠をかぶった梅王丸と桜丸。お互いの近況を語り合う。
桜丸が梅王丸の手をとって、おいおいおいおいと泣き出したり。
早く編み笠とってくれい。と思ってしまいました。

仇の時平が参詣にやってくると聞くと、義太夫に乗って編み笠を取ると…。
筋がいっぱいの隈の愛之助さん、想像以上に迫力満点。
桜丸の孝太郎さん、おや?なんかお顔が真っ白のような…。
あとからわかったのですが、上方では隈はとらないそうです。
男っぽい孝太郎さんも初めて見ましたが、かっこいいですね。

しょーもないことなんですが、舞台は平安時代なのにどうして太刀の反りが上向きなんでしょうね。
気になって仕方なかったです。

七三で見得を切ったあと、飛び六方で花道をひっこむ愛之助さん。
うゎん、かっこいい

場面が変わって吉田神社。舞台中央には牛車が。
梅王丸と桜丸、行列に割り込もうとすると、杉王丸が登場。
最近お気に入りの巳之助さん。思いっきり拍手をしようとすると、誰もされないんです
しかし勢いが止められず、「ぱちっ。」とやってしまいました。
ひとしきり台詞が終わったあと、ずっと右腕をあげたままじーーーーーーーーーっと。大変そう。

そしてお待ちかねの松王丸、進之助さん登場。
ものすごーーーーく目つきが悪くて、お口もひん曲がって、悪そうな様相。
むっちゃ大きな声で台詞を言ってられて、おおお、こんなお声だったのかと。
見得も初めて見ました。男前さんだからサマになってて、おおおおお。
いろんな意味で釘付けでした。

肩脱ぎもいいですね。松、梅、桜の大きな刺繍の襦袢が綺麗です。
孝太郎さんが、肩脱ぎ前に手をぱんっとたたかれたんですが、その時に白粉がぱふっと飛んでました。
それから、桜丸の襦袢が桃色?(番附で確認すると鴇色)で、これも上方だから?とか思ったり。

時平公の我當さんもすごい存在感でした。
真っ赤な舌をだして、妖術?で梅王丸、桜丸をこてんぱんにやっつける件はかっこいい。

愛之助さんのぐごごごご、ぐゎあ、ごごご。っていうのもかっこいい。
目が落ちませんか?というぐらいいろんな見得を切ってられてもう、最高。

最後の絵面もたまりませんね。
梅王丸のあの体勢はすごく体力いりそうでした。
体は舞台のほうでねじって上手を向いて、顔は舞台の方を向いていて。

松嶋屋従弟スペシャル。次回はあるのでしょうか?
楽しかったです。


2.伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)(17:25~20:15 幕間30分)

前半は騙し取られた名刀の折紙(おりかみ 鑑定書)を取り返すため、一味を追いかける奴・林平(愛之助)がみどころで、後半は廓の油屋で騙された上、汚名を着せられた福岡貢(仁左衛門)の殺しの場面がみどころ。

序幕第一場 伊勢街道相の山の場

つっころばしの秀太郎さん初めて見ました。すごくぴったり。上手い方は何をやっても上手いんですね。
花道から駕籠に乗って登場の梅枝さん、一瞬、春猿さんかと思いました。
見る度に色っぽくなっていかれているような。びっくりしました。

序幕第二場 妙見町宿屋の場

福岡貢(仁左衛門)と藤浪左膳(我當)、万次郎(秀太郎)に奴・林平(愛之助)が同じ舞台に。
ひゃ~、松嶋屋三兄弟スペシャル。松嶋屋ご贔屓さんならたまりませんね。
我當さん、脚がお悪いんですね。正座ができないらしく、ひざまずいてらっしゃいました。

序幕第三場 野道追駆けの場
序幕代四場 野原地蔵前の場

実に楽しい二場でした。密書を持って逃げる大蔵と丈四郎を追う林平。客席に降りてこられて追いかけっこ。
愛之助さん、お客さんに「どちらへ逃げたか?」と聞かれたり。
ふと後ろを見たら、大蔵か丈四郎が席に座ってるんですよ、それを見つけた林平が「こら~出て来い。」とひっ捕まえるのが、間近で見れて嬉しかったです
肉襦袢?肌色のタイツ?が汗で色が変わっていました。大熱演でした。

大蔵と丈四郎は井戸に隠れたり、お地蔵さんに化けたり。その化けたお地蔵さんを拝む林平だったり。
爆笑コントでしたねえ。

序幕第五場 二見ヶ浦の場

背景には二見ヶ浦が。
暗い夜道を貢が行灯を持って万次郎と歩いていると、密書を持った大蔵と丈四郎がぶつかって、さっきのはあの一味やった。と万次郎。それを早くいいなさいよと貢のやり取りが笑いを誘ってました。

追い駆けてる林平がやってきて、そこでだんまり。
仁左衛門さんかっこいいし、愛之助さんも気になるし、どちらを見ればよいのやら。困ってしまいました。

二幕目第一場 古市油屋店先の場

なぜか刀は手に入っていて、後は折紙だけという福岡貢。
万次郎を探して油屋に毎日通っている。

さっきまで、つっころばしの万次郎だった秀太郎さんが、意地の悪い万野の二役で出演されていました。
封印切の八右衛門みたいな、ひたすら大勢の人の前で恥をかかせる憎たらしい仲居でした。
関西弁なので、よけい意地悪さがでるんでしょうね。

貢が恥をかかされてぐぐぐぐってなって、羽織をつかむ件はかっこよかったです。
よくこの演目紹介で写真が載ってる場面ですね。

その脱いだ羽織をたたんで、貢が出て行くときに着せてあげるお岸の梅枝さん、色っぽかった。

お紺の時蔵さんの愛想尽かしも、くゎぁ~んと胡弓の音色に合ってよかったですね。

またしょーもないことなんですが、お岸とお紺の肌襦袢の衿が右側だけ折り曲がって、立っていたのですがあれはなんでしょうか?気になるなあ。

その間、ずーーーっと座ったままの大勢の仲居さん、しんどくないかなあ。
亀蔵さんだけ「俺は眠る」なんて言って、枕で横になってましたが、楽そうやなあって思ってしまいました。

二幕目第二場 油屋奥庭の場

奥座敷で伊勢音頭を踊る踊り子たち。障子の窓をバリーんと破って血まみれの福岡貢。
「ひとごろしぃ~」と逃げ惑う若い者たちを、斬っていく。
七三での若い者の手が貢の頬に触れて血の線が3本。

一息つこうとした貢の元へ折紙を持ったお紺が現れ、折紙があっても刀が偽物、腹を切るというところに喜助(三津五郎)が、お持ちの刀は本物です。と行灯を貢のところへ。
ああ、本物だ。良かった良かった。チョン。

てっきり、お紺の前で切腹して、そして喜助が「貢さん、この刀は本物やったんですよ。」って、言っておしまいかと思ってました。

着物血まみれ、頬には血がある貢さん。お紺、喜助も喜びの顔で幕。
なんともかんとも、ものすごく強引な展開ですね。いつもの通りですが。
さっきの惨劇はなんやったんって思いました。

本とかによると、油屋と奥庭が中心に演じられることが多いとか。
相の山の場とかのおかげでわかりやすかったですし、途中幕間30分だけであとは暗くなってのすばやい場面転換で、ダラダラせず楽しめました。

松嶋屋たっぷり堪能な夜でした。

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2 コメント

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松嶋屋~ (RAN)
2011-07-18 16:03:14
ほんとよかったですよね
松嶋屋イン松竹座みたいな感じで

松嶋屋の若旦那達のみのお芝居は
また見てみたいものですね♪
返信する
RANさんコメントありがとうございます (むく)
2011-07-18 18:18:14
「松嶋屋イン松竹座」いいですねえ。
この記事のタイトルにしようかなあ。
返信する

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