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アクリルと倉之助

絵とクラリネットと魚と具沢山日記

瀬戸内国際芸術祭2日目(10月4日金曜日午前)

2019-10-07 07:10:26 | 美術
芸術祭2日目。
風は強いけど晴れております。
ご覧の通り、作品についての感想は
ほぼ書いていません。
別に書こうと思います。

今日は午前中に男木島(おぎじま)、
午後は女木島(めぎじま)を巡ります。
この2島には「めおん2」という船で
参ります。
男木島は雄、女木島は雌となされており、
雌雄島とされています。

男木島は海賊の侵入を拒むために、
急な斜面に迷路のような小路が
縦横無尽に通っています。
地図を見ながら歩いていても、
作品がないとどこを通っているのか
わからなくなるくらいです。

今回、一番来たかった島なので
テンションマックスなのですが、
到着時間は8時40分、
作品の公開時間は9時30分なので、
まずは島の鎮守の豊玉姫神社に
お参りに行きました。
一の鳥居は港の目の前ですが、
二の鳥居は家の連なる斜面の
中腹にあります。
そこまでの急坂を迷いながら登りました。
島のあちこちには
「ここから民家なので立ち入り禁止」
という立て看板が立っていました。
私たち見学者はその看板のある道には
もちろん入らないように
島を回るわけですが、
たまにものすごく細い道でも
看板が無いところもあり、
神社に行くためにその細い道(階段)を
登っていたら、島のおばあちゃんが
上からこちらをじっと見ていました。
見学者の心得として、島の人とは
挨拶をしましょうとあったので、
おはようございますと声をお掛けしたら
ふいっと行かれてしまいました。
私の声が聞こえなかったのかもしれません。
芸術祭で人が沢山島に来て
賑わいますが、同時にプライベートが
侵されることも多々あるようです。
難しいですね。

急坂のあとの長い階段を登って
無事神社にお参りし、
港の反対側にある作品を観に行きました。
ここは外に作品があるので、
24時間オープンです。
島の小中学校の校舎の壁にも
作品が描かれていました。
この小中学校は2011年に
休校になったのですが、
瀬戸芸がきっかけで子どもが島に来て、
再開した奇跡の学校です。

港側に戻りまして、
端から順番にぐるっと半円を描く
ようなルートで回りました。
楽しい…。
基本的に廃屋を使って展示を
しているのですが、
廃屋の生気が無くなってしまったところに
現代アートという不思議な生き物が
住んでいるようで、それによって
廃屋が少し目を覚ましたような
とても不思議な感覚でした。

途中でオンバカフェという
ところで休憩と水分補給をしました。
オンバは男木島特有のもので、
細い坂道が多い男木島では
自転車が使えず、お年寄りは
荷物を運ぶのも大変。
そこで編み出されたのが
オンバという荷車です。
形は昔の乳母車の小さいやつ、
と言ったら分かりやすいでしょうか。
すごくしっかりした
車輪が着いているのに
とても軽くて押しやすい。
今回はそのオンバも作品になっており、
オンバカフェのチーズケーキも
オンバの形をしていました。
これと、すももジュースが最高でした。

水分補給したら活動開始です。
坂道を登って降りて作品をひたすら回り、
お昼になったのでご飯を食べに
カフェに行きました。
ここには「めおんバーガー」
というのがありまして、
すり身のカツと香川県産の野菜、
干しエビ、ロースハム、錦糸卵が
挟んであって、島のピーナッツのソースが
かかっている滅茶苦茶美味しいやつです。
柚子ジュースと一緒に堪能いたしました。

またグルグル回って回って
そろそろ港に戻って港の作品を観たら
ちょうどフェリーの時間かなと思ったら、
1個見忘れていることに気が付きました。
でもその作品は坂の向こうだし、
行って帰ってくると港の作品が
見られないかも…ということで、
1個パスしてしまいました。


そして島のレストランに
パンを買いに行きました。
またパン…。
でも旅行中に
持ち帰れるようなものは
もう残っていなかったので、
柿の焼き菓子(ケーキ)と
ビスコッティを買いました。
柿のケーキは今夜のデザートです。

最後に港の作品を見て、男木島は終了。
住むのは大変かもしれないけど、
こんなところで絵を描いて暮らせたら…と
しみじみ思いました。

この時点でまだ13時時なので、
午後の女木島は次回に持ち越します。

瀬戸内国際芸術祭1日目(10月3日木曜日)

2019-10-05 18:22:49 | 美術
来たぜー!
瀬戸内国際芸術祭!
遅い夏休みの3日目と4日目を使って、
2泊3日の芸術旅です。
妻有の時みたいに日帰りって訳には
さすがにいかないですね。

瀬戸内の島々が舞台なので、
基本的に移動は船、
島内は歩きかバスになります。
船に乗り遅れると
宿をとっている高松に
戻れなくなるため、
今回は綿密な計画を立てました。

3日間で巡る島は、
1日目が小豆島、
2日目が男木島と女木島、
3日目は大島です。

肝心の直島と豊島は
芸術祭期間以外でも
美術館には行けそうなので、
今回はパスいたしました。

さて、1日目の小豆島ですが、
空港に着いたときからなんとなく
変な天気で、フェリーに乗っている
最中に降り始め、
小豆島に着く直前に、
嵐になりました。
フェリーの中で買った地元メーカーの
メロンパンをかじりながら、
窓に吹き付ける雨を
眺めておりました。
幸先の悪すぎる旅路。
さすがです。

楽しいというよりも雨風に耐えて
半分命がけで作品を
観なくてはいけないので、
集中力は全くありません。
ただでさえ2泊3日分の
荷物を背負っていて重いのに。
1㎞以上歩いて次の作品に
行かなくてはいけないのに、嵐。
傘が2回飛ばされました。
しかも降ったりやんだり吹き荒れたり
陽が出て滅茶苦茶暑くなったと思ったら
晴れてるのにどしゃ降り。
と、身体はぐっちゃぐちゃになりながら、
作品は楽しみました。

壁が家の中にも延長、というか
今にも家すべてを飲み込んで
しまいそうな作品は、
『横浜SF』を思い出しました。

小豆島は土庄(とのしょう)港から入り、
バスで移動して草壁港から出る予定で、
草壁ではレンタサイクルで回ろうと
予約をしていました。
でも、雨は降ったり止んだりを
ずっと繰り返しています。
すぐに草壁港に連絡して自転車を
キャンセルしようと思ったのですが、
キャンセル料がかかるかもしれないと
とりあえず土庄から草壁への
バスに乗りました。
実はこのバスにずっと乗っていれば
次の鑑賞エリアの
馬木に着くことができるのですが、
一度草壁で降りてキャンセルしに行ったら
なんということでしょう、
キャンセル料は発生しませんでした。
優しい…。

次の馬木行きのバスは1時間後です。
草壁港のスタッフさんが、
歩いても行けるし、次のバスよりは
早く着けると教えてくれたので、
天気が不安定なまま、2㎞の道を
テクテク歩きました。
初め5分ほど雨が降っていましたが、
その後雨は降ることなく、
自転車借りても良かったのでは
という言葉が頭に浮かばないように
必死でした。

途中で佃煮ソフトクリームを
食べることができたのは、
歩いたおかげで店が目に入ったからです。
と、思うようにしています。
佃煮ソフトは佃煮が練り込まれている
コクのあるソフトと、ちょこんと乗っている
紫蘇の実風味の昆布の佃煮(ハート形)が
不思議とよく合っていて
美味しゅうございました。
そうやって自転車のことは忘れました。

無事、馬木に着いたものの、
歩いて時間のロスをしたので、
作品はいくつか諦めて
絶対に行きたいところだけ
観に行きました。
現代アートは正直得意分野ではないけど、
今回観に行けた作品は、面白いか
凄いか綺麗か使用できるかのどれかだったので、
とても楽しめました。
教科書に載ってた作品の実物を
観に行くこともできて、
なんだか凄い体験したなと感じました。

草壁辺りから馬木、
それからもう少し南の地区まで、
醤油作りがとても盛んで
「醤の郷」と呼ばれており、
歩いているだけで独特の
黒い板壁や醤油樽のデザインの
表札を楽しめましたし、
お醤油の香ばしくて少し甘い香りが
あちこちから漂ってきて
ものすごくお腹が空きました。
時間があればお醤油屋さんにも
行きたかったのですが、
もちろんパスです。

地元の神社にはお参りして、
あと、美味しいと評判のパン屋さんに
行くことだけは忘れませんでした。
ここで買ったじゃこパンとひげパンが
べらぼうに美味しかった…。
夕方4時半頃に港で食べたこのパンが、
今日のお昼となりました。

高松港に戻ってきて、
赤いガラス製の灯台を見たり
海を撮影していたら
自転車に乗った地元のおいちゃんが
話しかけてくれました。
こういう芸術祭は地元の人との
ふれ合いもとても大切なことなので
しばらくお話ししてたら、
昔、お仕事で何度か横浜に来たことがあって
山下公園や氷川丸にも訪れたとか。
陽も落ちて暗くなってきたので、
また横浜に来てくださいねと
おいちゃんとお別れしました。

高松の宿にチェックインして、
夕飯を食べに行きました。
冷やし肉うどんと、うどん餃子と、
白天ぷら(白いさつま揚げのようなもの)
を、頂きました。

明日は早起きです。

【鑑賞作品】
○土庄港
・再び…(キム・キョンミン)
・アートノショーターミナル
(コシノジュンコ)
・太陽の塔贈り物(チェ・ジョンファ)

○土庄本町
・迷路のまち~変幻自在の路地空間(目)
・つぎつぎきんつぎ(岸本真之)

○草壁港
・石の島の石(中山英之建築設計事務所)
・辿り着く向こう岸
ーシャン・ヤンの航海企画展(シャン・ヤン)

○馬木
・つぎつぎきんつぎ(岸本真之)
・大きな曲面のある小屋(島田陽)
・オリーブのリーゼント(清水久和)
・ジョルジュ・ギャラリー
(ジョルジュ・ルース)

https://setouchi-artfest.jp/

色々な青鼠色

2019-09-21 17:11:05 | 美術
今日はアンサンブルの練習の前に、
町田の国際版画美術館に
畦地梅太郎展を観に
行って参りました。

すっごいすっごい坂の下にあり、
帰りのことを思うと少し憂鬱になりました。

どうしようかなー、
見に行こうかなーと思っていた
畦地梅太郎展ですが、
結果、行ってよかったです。
山や山男等をモチーフにした
木版画の作品ですが、
素晴らしい形にデフォルメされた
山男たちと、色と構図がぴったりと
合っていて、とても気持ちの良い
作品たちだなと思いました。
山男一人一人の呟きや
山の音、雷鳥の鳴き声が
聴こえてきそうでした。

美術館にある喫茶店に
お昼を食べに行ってのですが、
アンサンブルの練習に遅れそうだってので
コラボメニューのかき氷、
『抹茶マウンテン』だけ頂きました。
今年初のかき氷でした。
生クリームとパイナップル、
パパイヤが良い仕事してましたが
食べるのに時間がかかり、
坂道にも阻まれて練習には遅刻しました。

2LDK、IH三つ口コンロ、オーブン、ドラム式洗濯機付

2019-09-08 23:28:50 | 美術
今日は三鷹市にある
『三鷹天命反転住宅
イン メモリー オブ
ヘレン・ケラー』
の、建物見学会に行ってきました。
作ったのは
荒川修作+マドリン・ギンズという
芸術家です。
なので、説明は
学芸員さんがしてくださいます。

三鷹天命反転住宅は
住める芸術作品で、
実際に9部屋に5世帯が
入居しています。
後の2つは管理事務所、
後の2つはショートステイ用に
なっています。
初めに見学したのはショートステイ用で、
玄関入ってびっくり、
床が平らじゃない!!
砂浜に蟹か何かが
巣を作っているように、
日本家屋の三和土の
ような素材でできた
小さなコブが全面にありました。
それがまた土踏まずに
ジャストフィットで、
見学会が終わったら
肩凝りが治ってるかもと
思いました。

それはまさしく建築家の狙いで、
大人の土踏まずと
子どもの土踏まずに合わせた
コブのサイズになっているそうです。
人の身体の形ありきの
設計になっているそうです。

あとは、部屋が台形とか
色数が決まってて
色彩の決まりもあったり
トイレにドアがないから
臭いが困るとか
色々あったのですが、
とても面白いので
是非見学会にいって
その目で確かめてください。

明日は台風で
電車が動かないので、
潔く遅刻します。

習作もホントに素晴らしい

2019-09-01 15:31:11 | 美術
ミューシャ!
ミューシャ!
美しい!

暑い渋谷にミュシャを観に行きました。
我が生涯の師であるミュシャと、
その作品に影響された現代作家の
作品展です。
多分初めて観るスケッチや習作もあって、
大満足でございました。
ミュシャは一時期、デッサンや
商業美術に必用な構図なんかも教えていて、
是非習いたかった…。

もう1年以上絵が描けてないんだけど、
これで少し描く意識が強まるかも…。

まさかの撮影OKコーナーもあり、
観てるときは耳元で鳴るシャッター音に
少しイラつきつつ、
自分が撮るときは気にしないという
人間のエゴをさらして参りました。

海外と日本では影響の受け方も
なんとなく違って、
海外はミュシャの雰囲気を残しつつ、
ミュシャの淡い色彩とは真逆の
サイケデリックな色使いで
ポスターを作ってました。
日本はミュシャの雰囲気すべてを
自分の表現と融合させるような
スタイルだなーと感じました。

昔読んでた本の挿し絵なんかもあって
懐かしかったです。

もちろん、グッズ売り場では
散財し(このために働いてるから)
コラボメニューもいただいて参りました。
頂いたのはロビーラウンジの
「ミュシャ風3種のテリーヌ」でございます。

カニと野菜のテリーヌにトマトソース、
海老とウニのテリーヌにジェノベーゼソース、
チーズ入りミートテリーヌに粒マスタードソース、
それに、生ハム、菊花を散らしたサラダ、
面白い甘味のコーンスープ、
クルミのパン、ドリンク(アイスティー)が
セットでございます。
美味しゅうございました。

絶妙な白と黒

2019-08-12 23:32:03 | 美術
あぁぁぁぁぁ~、
やっぱりかっこいいよ~、
メスキータ!

以前からメスキータは知っていて
今回の本邦初公開を知ったときに
やったー!と思わず声が出まして、
本日、やっと観にいけました。

メスキータは知っている人が
少なさそうだし、ゆっくり
観れるかなと思ったら、
某美術番組で取り上げられましたので
そこそこな混み具合でした。

でもこれでメスキータを知る人が増えたら
大変嬉しゅうございます。

白黒の面積比が本当に絶妙。
アールヌーボーとアールデコの狭間を
行ったり来たりしていて
たまんねーですね。

南の国の色

2019-07-07 22:54:31 | 美術
仕事の縁で、
スリランカの13歳の少女から
作品をいただきました。

環境に配慮したいということで、
新聞で貼り絵をしているそうです。
細かく細かく千切った
新聞で描かれているのは、
スリランカの世界遺産、
聖地キャンディにある
仏歯寺だと通訳さんが
教えてくれました。

将来は美術の学士を
取りたいと言っていました。
私が美大に行こうと決めたのが
ちょうど彼女と同じ頃。
国や生活環境など
色々と違うことが
沢山あるけれど、
どうぞ彼女の夢が
叶いますように。

期間限定芸術

2019-07-01 07:15:10 | 美術
土曜日のクリムト展の帰り、
美術館からでたら公園の
真ん中のスペースの石畳に
雨で上野動物園の動物が
描いてありました。
舞浜の夢の国も
雨上がりにキャストさんが
描いてますけど、
こちらも上手です。
どなたが描いたんでしょうかね。
ただ、あまり気付かれずに
スルーされちゃってたのが
残念。

クリムトは子どもの顔が上手

2019-06-30 12:18:33 | 美術
昨日、クリムト展に
行って参りました。

まー、すごい人でした。
30分くらいで入れたのですが
中も混み混みで、
みんなクリムトが
好きなんだなーと思いました。
でも、今回は丸っとクリムト
というわけではなく、
同じウィーン分離派の作家の
作品も沢山あって、
とても勉強になりました。
美しい曲線とか装飾芸術を
手掛けていた時のスケッチとか、
クリムトのアールヌーボーな側面も
沢山見ることができて良かったです。

今回、一番好きなダナエが
無かったのは残念でしたが、
見たかった姪のヘレーネ・クリムトの
肖像画に会えたので良かったです。
13、14歳くらいの子なのかなと思ったら
6歳ですってさ。
大人びて見えますね。
あと、女三代のちびっ子の
うっとりした寝顔がたまらんでした。
可愛い。

じっくり、とはいきませんでしたが、
色の美しさ、構図、装飾性などを
目の当たりにできて面白かったです。

今回食べたコラボ飯は、
カフェ・アートの
「ブラバンターシュニッテン
カシスシャーベットを添えて」
です。
クリムトの故郷、ウィーンの
デザートだそうです。
シュー生地独特の柔らかさ、
カスタードとブルーベリージャムの
風味がよくあっていて、
美味でした。
カシスシャーベットも
目の覚めるような甘酸っぱさで、
こちらも美味でございました。