トーキング・マイノリティ

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クソ坊主 その二

2014-04-08 21:10:50 | マスコミ、ネット

その一の続き
 河北新報に限らず最近のマスコミでは、やたら中国の大気汚染問題を取り上げていると感じるのは私だけではないだろう。中国の何処では微小粒子状物質が幾らになった等の情報を流して、日本人の不安を煽っているとしか思えない。だからこそ日本は環境面から中国に対し支援しなければならない…というキャンペーンと世論誘導を図っているのやら。
 この論調は北朝鮮の核問題と酷似している。北朝鮮軍の暴走を止めさせるためにも支援が必要だ、そのため拉致問題のような小事は置いて、国際政治面から対処を考えるべき…という“国際派ジャーナリスト”と同じパターン。

 中国の大気汚染問題は、現地での環境ビジネスを狙う日本企業も目を付けているはず。マスクを手放せない中国人は金儲け対象であり、隣国での市場を諦めない企業は未だに数多い。中国政府も大気汚染対策を強力に推し進める方針を示す姿勢は見せても、本気で取り組むとはとても思えない。日本に自国の尻拭いをさせる目論見があるのは明らかだし、反対者には大和町の住職のような意見を徹底利用する。まさに以夷制夷(夷を以て夷を制す)の本領発揮か。
「中国人も日本人と同じく人間であり、しかも隣人である」という遠藤氏だが、チベットの惨状だけでも中国人が隣国の異民族をどう扱っているのか、知らないはずはない。古代からの華夷思想もあり、周辺異民族は禽獣と常に蔑視していたのが漢族なのだ。

 チベットと言えば、戦時中は同じ仏教国という立場から、「羊毛を経済制裁で苦しむ日本へ輸出し、連合国側の補給路確保要請もチベットは中立を通し拒否した」(wiki)こともあった。にも拘らず遠藤氏は、チベットではなく仏教徒迫害国家との友好を訴えている。ここに至っては忘恩よりも、“仏敵”ではないか?
 氏は「仏の慈悲は決して相手を選ばない」とも書いているが、67歳の住職ならば、「縁なき衆生は度し難し」という諺を知らないはずがない。つまり、仏縁のない者は救えないのであり、異教徒は慈悲対象外なのだ。他にも「仏の顔も三度まで」という諺もある。

 2月のメキシコでの「核兵器の非人道性に関する国際会議」の引き合いもナンセンス。メキシコ、オーストリアがどれほど高尚な声明を出したところで、国際政治では力のない理想論に過ぎない。この国際会議が第2回目というだけで、反核団体を除き注目されないイベントだったようだ。
 メキシコといえば、核より麻薬汚染がより深刻ではないだろうか?「殺戮大陸メキシコの狂気(5)」というブログ記事には、戦慄させられるメキシコ社会が描かれている。この国は「麻薬組織の非人道性に関する国際会議」でも開催すればよいのだが、まずやれないだろう。

 昨年12月、NHK BSの海外ドキュメンタリーが「原子力大国 アメリカ」を放送していた。番組を見て私は初めてスリーマイル島事故で、ТVカメラが発電所内に入ったのが事故から実に3年経てからだったことを知った。米政府は事故後、旧ソ連並みの徹底した情報隠ぺいをしていたのだ。このようなケースを見ると、日本政府の対応が何ともマトモにさえ思えてくる。

 4月3日付の河北新報第5面「声の交差点」で、「隣国との友好信頼こそ大切」という読者からの投稿もあった。投稿者は栗原市の鍼灸師、佐藤一氏(65歳)。佐藤氏の投稿は時々「声の交差点」に載っており、タイトル通りこれまた内容は下らないので取り上げない。遠藤氏、佐藤氏ともども心眼盲目者のようだ。この類の意見の投稿ばかりが良識派読者の声として取り上げられる。
 時事系サイトを見ていれば、「隣国を援助する国は亡びる」と言ったマキアヴェッリの箴言を知っている人も多いだろう。ブログDarknessの今年4月1日付けの記事は興味深いので、またも私の共感した個所を引用したい。

無償援助をすると、逆に恨みを買うこともある。それは日本が中国や韓国に対して行った無償援助を見ても分かる。どれだけ無償援助をしても、感謝どころか憎悪されて反日暴動が吹き荒れる…
無償援助をすると恨みを買うというと、日本人はそれが中国や韓国という特定の国だけの話だと考えがちだが、それは間違っている。 世界中どこでも、下手な無償援助は関係をこじらせる元になってしまう…
無償援助をする側は、感謝されて当然だと思うが、世の中はそれほど単純ではない。確かに、感謝され、それが友好につながることも多い。しかし、すべてがそうだとは限らない。無償援助こそが、相手との関係を歪める元凶になることもある

 記事では欧米各国がアフリカや中東、中南米諸国で行った無償援助が上手くいかず、支援者が皆殺しにされたり、排斥運動や反欧米主義が吹き荒れた例も多々あったことを伝えている。遠く離れた地域への支援でさえこうなのだから、まして隣国においては。隣国との友好を訴えるなら、遠藤氏自らが全面支援するがよい。

◆関連記事:「テロをなくすために
「打落水狗」水に落ちた犬は叩け-魯迅

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