トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

ネカマ

2008-07-20 20:20:15 | マスコミ、ネット
 2ちゃんねるをしていた数年前、あの掲示板で男でありながら女に成り済ます所謂ネカマをたまに見かけた。2ちゃんねるならお遊びの場でもあり、面白いレスや人畜無害なカキコなら問題ない。だが、一部にせよ精神状態が疑われる病的なネカマも存在していた。

 匿名の世界という事情もありネットでは性や職業も偽りが利く。殆どの男はネットユーザーが女だと思うや親切になり、たとえおばさん相手にも優しくなる。まして若い女となれば、魅力的な美人がキーボードを打っていると夢想したがる男もいるようだ。これが女ならハンサムな殿方を期待する者は至って少ないが、男はどうも妙な幻想を抱きたがるらしい。それが煩わしくて男を装うネナベをする女もいるのだが、注目を集め親切にされたいがゆえ、女に成り済ますのがネカマ。ネットで注目されるだけなら良いが、中には貢がせ詐欺行為を働く者もいる。2ちゃんの品位を欠く表現を借りれば、“下半身直結野郎”は特に騙され易いとか。

 詐欺行為は論外だがむしろこれは少数であり、大半は騙してからかうことが目的のようだ。確か「ネカマ裁判」だったか、己のネカマ暦を自慢げに記したHPを1度見たことがある。いかに世の中には色々な人間がいるといえ、暗く病的な印象が濃かった。もちろんネカマをやるにせよ犯罪行為をしなければ構わない。ただ、この管理人は相当な暇人であり、コメントしてきた者から暇人呼ばわりされるのに不快感を露わにしていた。女子小学生にも成り済まし、メールアドレスを聞き出して、大量スパムメールを送りつけては快感を感じている人物でもある。

 だが、いかに女に成り済ましても本物の女以外に、見る者が見れば男の感性と文体なのは分るのだ。彼らの成り済ましが拙劣なのは、女との付き合いが極めて薄いからに過ぎない。そもそも、女との付き合いがある者がネカマなどする必要もまずない。女と向き合う度胸もなく、それがやれる同性への嫉妬が本性だろうと私は見ている。
 2ちゃんにおいてネカマは面白い存在でもあり、薄々勘付いている者も少なくないと思われるが、結構ねらーには受けていた。社長や弁護士の妻といったセレブを気取る者もあり、フランス人の夫がいると名乗る者もいた。亭主の写真画像を見せろとレスしたねらーに、暫らくして西欧人の小さな画像を添付していたが、深夜過ぎての何度もの書き込み時間からニートだろうと私は想像している。

 ネカマを擁護する者もおり、あるネカマが非難されるや早々「Xタンを苛めるのは許せない」とカキコがある。支持者の口調は完全な男言葉、反応が素早いことから自作自演かもしれない。2ちゃん宗教板にいたサロメというハンドルの自称クリスチャンの女など、ネカマだと私はピンと来た。やけにアーメンを連発するが、聖書に関する知識もない上、敬虔なクリスチャンなら預言者を殺害したサロメとは冗談でも名乗らない。馬糞の罵り言葉も使っていたが、かなり育ちの悪い女(※外国女なら違うかも)でも、まず使用しない表現である。

 ネカマにせよネナベにしても、ネットという匿名世界ならでは可能なのだ。2ちゃんねる以外におそらくブロガーにもネカマはいると思われる。性を偽るのは全く自由だが、文体やレイアウトからいかがわしさが浮かび上がる。弁護士の妻を自称、殊更聞かれもしないのに旦那は弁護士と吹聴していたブロガーがいた。女の虚栄心と取れなくもないが、本当に夫が弁護士ならば事務所やその住所を公開しないのも不可解だ。幾度か拙ブログにコメントをされた弁護士の方は、自分のHPで事務所名や住所、電話番号を明記されており、岡山県在住者だったのは驚いた。件の弁護士若妻ブロガーも暇人、妄想と自己紹介しており、ネット依存症に陥るのに最適な状態にある。アニメの幼女をあしらったテンプレートを使っているのも(大抵の女はこの類の絵を嫌う)単に趣味が悪いのか、幼児性の表れなのか。性別問わずネットで妄想している暇人というのは、現実社会で取りえと適応力がない負け犬と公言しているのと同じである。小人閑居して不善をなす

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ヴァーバル (Mars)
2008-07-21 19:26:25
こんばんは、mugiさん。

>魅力的な美人がキーボードを打っていると夢想したがる男もいるようだ。
男という生き物は単純で、ネットで知り合った女性に対し、願望もあって、美化するのかもしれません。
そして、オフ会等で実際にあったときは、厳しい現実を知らされる。
本当に救いようがない生き物ですね(汗)。

>だが、いかに女に成り済ましても本物の女以外に、見る者が見れば男の感性と文体なのは分るのだ。
仰るとおり、いかに素性を隠しても、文章を読み続けると、男の感性と女の感性では異なる事に気づく事もあると思います。
また、自称・クオリティペーパー等のマスコミが素性を隠しても、文章を読み続けると、どちら向きの情報を流しているか、理解できると思います。
(文章を書いてる人間の思考や知的能力も、文章を読んでいると、ある程度はわかってくるでしょうね)

ま、ネットに限った事ではないですが、世の中には理解不能な人間も存在するでしょう。
炎上した某アイドルのブログのコメントを見てましたが、そのアイドルに非難されたファンが擁護する、というよりも、ただ単に、そのアイドルを非難中傷するだけで、非難されたアイドル自身を貶めかねない内容もありました。
(ま、非難中傷する者の中には、どちらのファンでもなく、”祭り”に興じたいだけの者も、確かいるとは思いますが)

「目は口ほどにものを言う」という言葉もありますが、「文章は口ほどにものを言う」ものかもしれませんね。
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燕雀の言い分 (mugi)
2008-07-21 21:49:31
>こんばんは、Marsさん。

たとえ“下半身直結”であれ、異性を求めて能動的に行動する男性の方が健全ではないでしょうか?
家に篭もってうだうだネカマをやっているような、クッラ~~い者こそ本当に救いようがない。女からは一番嫌われるタイプ。

まだネカマでも女らしい書込みをする者もいますが、「これが女の文章?」と言いたくなるような、色気と感性皆無のものもありました。
人妻を装っても結婚暦なしの男なら、ボロを出すのも早い。人に構ってほしい気持もあると思いますが、何ともお寒い日常ですね。

「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」という諺がありますが、燕雀同士でも志など分らない。アイドルのブログに非難中傷する者は匿名ゆえにやれるのでしょうね。“祭り”に興じたい気持は分らぬものでもないですが、これだと政府やマスコミのネット規制に絶好の口実を与えることになります。

「文は人を表す」と言いますから、表現力はともかく、その人の性格が文章から浮かび上がります。小心者ほど大言壮語する傾向があるのはネットも同じ。で、やっていることは暇人、妄想(引きこもり?)で非難中傷の日々。精神科医が必要な状態でしょう。
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